週刊『三里塚』
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私たちの力で天神峰守る 婦人行動隊新春対談 木内敦子さん×宮本麻子さん

週刊『三里塚』02頁(1007号02面01)(2019/01/01)


私たちの力で天神峰守る
 婦人行動隊新春対談
 木内敦子さん×宮本麻子さん

(写真 左から木内敦子さん、宮本麻子さん)

(写真 判決後の天神峰カフェで説明する木内さん【23日】)


木内 闘いはやめたら負け
間違った政治許さず 宮本

反動判決に抗議

 司会 12・20判決日当日の感想をお願いします。
 宮本 私は傍聴していましたが、本当にあっけなかった。高瀬裁判長は、主文と判決の要旨を述べ逃げ出すように裏に帰っていきました。判決は全部NAA側の論理で「何を聞いてたんだ!」とみんなで抗議しました。
 木内 無理やり辺野古に土砂を投入したのを見て、国家の意志として反動判決がくるなと覚悟しました。弾圧で逮捕されたときのこともリアルに想定して準備もした。
 当日印象に残っているのは、市東さんがすごく怒りを持って、「判決が出ても負けない。これからも闘い続ける」と。その決意に逆に私が励まされました。
 宮本 力むわけでも、浮わつくわけでもなく、動じずに、今までと同じように言えることはすごいなと思いました。
 司会 判決内容についてはどうですか。
 木内 歴史的にずっとそうでしたが、「成田空港建設のため」と枕言葉をつければ、判決の中身はなくなります。
 宮本 全部NAAや国の側に都合のいい理由付けです。「口頭弁論終結前のことだから理由に該当しない」「判決が確定しているから問題ない」「離作補償は後払いでいい」と。さらに、「借地だから権利の消滅はありうる」とまで。私たちの方は、「耕している者に権利がある」と訴えてきてたのに裁判長はスルーし答えない。農業は人間にとって、今の日本社会にとっても大事なのは明らかです。逆に、空港は、軍用機を飛ばしたりしています。
 「権利濫用ではない」というのも、沖縄や原発問題でも同じだけど、国やNAAがどれだけウソをつき暴力的なことをしてきたのかについて無視しています。
 司会 そんな判決が出ましたが、この2年間よく闘ってきました。
 木内 弁護士さんが力を入れてやってきたのはすごいし、傍聴闘争やビラまきも現地闘争も。すべてのことがこの2年間、がんばれたと思いますね。

天神峰カフェで

 司会 天神峰カフェも存在感を示しました。
 木内 とにかく「市東さんの農地を守りたい」と「ここに居よう」と。それと、三里塚で今何が行われているか知らない人や全然知らない若い人みんなに知ってほしいと。カフェという入り口だったら、みんなで気軽に集まって、何か発想し発展させていくということが出来るかなと思いました。現地の人の協力のおかげで、いろんな人たちが来てくれました。カフェめぐりが好きな人が「カフェ」で検索したら出てきたらしくて何も知らずに来たり、若い人達も来てくれました。
 司会 一斉行動もこの中で深化し、発展してきました。
 宮本 「同盟ニュースを受け取ったから来ました」とか、カフェをやっていると話をしたら「行ってみたいと思う」という方もいましたね。
 一斉行動では、行けばいつも話す方がいらっしゃるんですけど、沖縄のニュースや原発のことなんかも話をするんですよね。楽しみにしてくれていて、私も行くのが楽しみなんです。
 司会 天神峰・樫の木まつりも2年続けて開催しました。
 宮本 天神峰に来るということは、闘いの内容を垣間見るというか、市東さんの生活をちょっだけでも体験するわけですよね。樫の木の様子とか飛行機が見え音も聞こえる。畑見学に行ったりとか。自分のこととして身近に感じて、すごく気合が入ると思いますね。
 木内 樫の木まつりは収穫祭みたいなところがあります。農業という観点からみたらそこで作られた農作物を一緒に食べ、楽しむというのは基本のこと。こういうことが出来るのも、時代と共に三里塚も変わろうとしてきたことの結果と思います。今までは、ボカスカやる政治がメインで、その政治はそれで素晴らしいことなんだけども、新しいアイデアも取り入れながらやっていく。その三里塚の柔軟なところはすごいいいんじゃないかな。

若者、女性の力を

 木内 時代をつくっていくのは今の若い人です。まだ何にも染まらず、可能性もアイディアもいっぱいあるし、時代にも即してるから。彼らがやりたいことを尊重して応援したい。実際に若い人たちは想像できないことをやるでしょ? 学ばなきゃいけないなと思います。期待してるし、楽しみでもあります。年寄りは、時間はあるから座り込みで座っているのはできるけどね(笑)。
 宮本 やっぱり運動の継承のことを考えれば、若い人は常にいなきゃいけないですね。民主労総の運動の中心にいる女性から、三里塚は年代の高い人が多いですねと言われたのが衝撃的で。
 若い人たちは私たちよりも情報を得る手段を知っていたり、自分が興味を持ったことは追求するわけで、決して冷めてるわけではないんですよね。どう働きかければいいか一緒に考えていきたい。
 司会 今年は全学連の斎藤いくまくんに続いて、ほらぐちともこさんが選挙に出ます。
 木内 あー、嬉しい。私も洞口さんのバッチを頂きました。
 宮本 全学連の中にも、もっと女性が入ってきてもらいたいですね。
 木内 反対同盟の婦人行動隊長だった故郡司とめさんは「天の半分は女性が支えている」ってよく言っていました。農家だから女性は前に出てはいけないとかあったけど、闘争があったからとめさんも前に出てきてすごく生き生きしていました。闘うことで、いろんなしがらみから外れるという面がある。闘うことで女性は元気になれます。

韓国6万人集会

 司会 昨年初めて韓国に行かれてどうでしたか。
 宮本 すごく身近に感じました。婦人民主クラブ全国協の仲間が持ってきた横断幕に、辞書をみてハングルで「安倍政権を倒せ」とか書こうとしても、言い回しがよくわからないわけですよ。そうしたら日本語がわかる人が道路でそのまま書いてくれました。私は、「農地死守」の鉢巻をしていたんだけど、それを声に出して読んでくれたり。地下鉄に乗ったときには、高校生の男の子がスマホで訳しながら話しかけてくれて、片言の会話を交わしました。
 11月9日の6万人集会は人がいっぱいで圧倒されました。クレーンで釣った巨大なスクリーンと拡声器があって、色のついたゼッケンと帽子をつけている人がどーっといっぱい入ってきて、どこまでも続いている。しかも、前段集会を地下鉄の通路とかでやって集まってくるわけです。街の雰囲気に目が慣れてくると、いろんな場所でテントを張って闘っている人たちがいました。市の中心部でセウォル号の被害者家族のテントがあったり、慰安婦少女像のすぐ脇でも交代で寝泊まりしている。横断幕もいろんなところに張られている。日本でもこういう規模の闘いを実現したいと思いました。
 司会 最後に今年の決意をあらためて。
 木内 闘いはやめたら負けだと思います。三里塚は53年間やめてない。やり続けているイコール負けてない。沖縄もそう。土砂が搬入されても「あきらめずにやり続ける」という言葉を聞いたときにやっぱり同じだなと思ったのね。負けないで闘い続けることが未来をつくっていくのかなって最近は強く感じます。自分はここでやれることをがんばってやらなきゃいけない。その場その場でできる精一杯のことをしっかりとやり続けていこうと思います。
 宮本 安倍もトランプもNAAもそうだけど、ウソでもそれを押し通すと正しいとなるのは絶対におかしい。権力の間違った政治を許さず行動することが重要です。原発事故で甲状腺がんになっている人がいっぱいいるのに、そんな事実がないように政府が認めない。沖縄だって政府は「寄り添う」とか言いながら逆のことをやっている。
 やっぱり闘っていかなくちゃならない。世界中で闘いが起こっているわけですから、人任せにせず、自分たちの力で世の中を変えていきたい。