週刊『三里塚』
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北総の空の下で 農家の日常映像に 三里塚とバスク

週刊『三里塚』02頁(1010号02面05)(2019/02/25)


北総の空の下で
 農家の日常映像に
 三里塚とバスク


 昨年7月、駅頭ビラを見て樫の木祭にやって来た青年がいます。
「御料牧場の話が聞きたい」というので、太郎良陽一さんが知り合いを紹介しました。その後、市東孝雄さんの裁判や援農に来てくれるようになり、作業風景も撮っていました。
 その彼・志村信裕さんの作品を国立新美術館に見に行きました。陶芸や絵画など若手9人の1人として、40分の映像作品が繰り返し放映されていました。
 元々のテーマであるフランス・バスク地方の伝統的な牧羊風景が大画面に映し出されます。羊に導かれ、場面は三里塚御料牧場の歴史を語る男性へ、市東さんの農作業風景へと切り替わります。ホウレン草や里芋をこしらえる作業ではシュッシュッとリズミカルな音が心地よく響きます。餌をもらう猫たち、白墨で出荷品目を書いた黒板も。春菊やキャベツを収穫する後景には、轟音を立て誘導路を自走する旅客機……。強制執行の対象になっている畑や作業場で淡々と続く営みが映像と音だけでくっきりと浮かび上がります。映像は三里塚とバスク地方を交互に行き交いながら、資本の論理に取り込まれない農民のたくましさ清々しさでつながっていきます。
 終盤、猫たちに「強制執行されたらお前たち住むとこなくなっちゃうなあ」と語りかける市東さんの映像にかぶせて『農地取り上げの裁判は今も続いている。その事実をほとんどの人は知らない』とテロップが入ります。
 3月3日までやっていますよ!
北里一枝