2008年5月12日

5月1日メーデー 米とイラクで港湾スト 戦時下に反戦で連帯決起

週刊『前進』06頁(2342号2面2)(2008/05/12)

5月1日メーデー
 米とイラクで港湾スト
 戦時下に反戦で連帯決起

 第1章 職場・生産点の闘いで情勢開く

 ILWU(国際港湾倉庫労組)は5月1日、イラク・アフガニスタン戦争の即時停止を要求し、「平和でなければ働かないメーデー」行動を貫徹し、米西海岸29の港をすべて止めた。
 戦時下で反戦を掲げて戦略的職場を止める闘いは、米国史上初めてだ。
 この闘いは、労働者階級に圧倒的な自信を与えている。分断支配を打ち破り、06年以来の巨大な移民労働者のメーデー決起と合流した意義は計り知れない。ついに革命情勢を切り開いたのだ。
 北のワシントン州では、AFL−CIO州連盟執行委員会がILWUのメーデー港湾封鎖を支持する決議をし、議長がシアトル港の集会に参加した。ATU(合同交通労組)など多くの労組も参加した。
 シアトル大学、ワシントン大学、シアトル中央コミュニティーカレッジの学生もストをして、ILWUに合流した。
 カリフォルニア州では、CTA(カリフォルニア教員連盟)やサンフランシスコ労組評議会など多くの労組評議会(地区労)が港湾封鎖を支持し、OEA(オークランド教組)や郵便労組を始め多数の労組がILWUの集会に参加した。
 カリフォルニア州立サンフランシスコ大学やカリフォルニア大学バークレー校の学生もストライキで決起した。高校生もストライキで合流した。

 第2章 戦争による分断のりこえて団結

 決定的なことは、アメリカとイラクの港湾労働者の連帯行動が実現したことだ。ILWUの港湾封鎖に呼応して、イラク港湾一般労働組合は、ウム・カスルとコル・アルズバイルの両港(事実上の全港湾)でのストを決定した。
 同労組は、ILWUの組合員に熱烈な連帯の手紙を送った。(別掲)
 また、同労組が所属するナショナルセンター、イラク労働者評議会・労働組合総連合(GFWCUI)と所属諸労組は、全世界の労働者に向けて連帯の声明を出した。それに署名している労組は、港湾、石油、電力、鉄道、水資源、教職員、銀行など、イラクの基本的な産業分野のほとんどを含んでいる。
 ILWUが示したように職場・生産点で団結した闘いは、戦争による分断さえ打ち破ることができる。世界の労働者を一つの階級として団結させる力があるのだ。
 この画期的な闘いは、体制内労働運動との壮絶な死闘をとおして初めて可能になった。ILWUローカル10のジャック・ヘイマン、クラレンス・トーマス両執行委員らはメーデー行動決議案をILWU港湾部会に提出し、体制内指導部や他の組合員との激しい議論の末に可決されて行動に移されたものだ。
 彼らは、03年以来動労千葉や韓国民主労総ソウル本部とともに国際連帯を推進し、階級的労働運動の路線を練り上げてきた仲間だ。
 ともに、全世界を獲得しよう。