2008年6月 2日

被告団が見解を表明 旧弁護団の解任と弁論分離についての被告団の見解

週刊『前進』08頁(2345号2面2)(2008/06/02)

被告団が見解を表明
 旧弁護団の解任と弁論分離についての被告団の見解

 国労5・27臨大闘争弾圧被告団が5月7日に出した「旧弁護団の解任と弁論分離についての被告団の見解」を紹介します。(編集局)
 旧弁護団の解任と弁論分離についての被告団の見解
 2008年5月7日 
国労5・27臨大闘争弾圧被告団
 富田益行(近畿地本兵庫保線分会)
 橘日出夫(近畿地本奈良電車区分会)
 東元(近畿地本大阪事業分会)
 原田隆司(近畿地本福知山分会)
 小泉伸(近畿地本大阪貨物分会)
 羽廣憲(九州エリア本部小倉地区闘争団)
 向山和光(国鉄闘争支援者)

 第1章 【一】

(1)私たち国労5・27臨大闘争弾圧被告団7人は2月22日、佐藤昭夫弁護団長、一瀬敬一郎主任弁護人ら弁護人9人全員を解任しました。
 その理由は、「被告団と裁判方針を巡り敵対関係に入り、信頼関係を失った米村裁判事務局員をこの裁判に関与させないでほしい」という私たちの要請を、旧弁護団が受け入れず、私たちを無視して、米村氏を関与させたまま旧弁護団だけで裁判を進行させようとしたことです。
 被告人の意思を尊重するのが弁護士であり、逆にこれを踏みにじる弁護人は解任されて当然です。私たちは、被告団の団結を守り国鉄闘争の勝利をめざして、この裁判闘争を階級的原則に基づいて闘いぬくために、自らの決断をもって旧弁護団を解任したのです。
(2)私たちが米村氏を裁判事務局から解任したことを受け入れなかった旧弁護団。
 米村氏は昨年11月、私たちを誹謗・中傷し敵対関係に入ったグループに同調し加わり、私たちと彼との間で、思想、路線、方針の違いから、国鉄闘争や裁判闘争をめぐる対立関係が非和解的になり、信頼関係が失われました。私たちはこのことをもって、彼を裁判事務局から解任したのです。
 ところが一瀬弁護人はじめ旧弁護団は、私たちの「米村氏解任」の意思を3カ月に及ぶ話し合いでも受け入れませんでした。2月4日の会議でも旧弁護団は「米村氏を裁判事務局にのこす」という意見は撤回したものの、「弁護人が米村氏を補助者として使うことを認めよ」という主張を変えませんでした。私たちは「米村氏を使わないでほしい」と重ねて要望し、この議論は継続討議となりました。ところが旧弁護団は、その後の弁護人だけの会議でこの問題に関して私たちと旧弁護団との間に合意がなされたかのように主張し、「2・4合意」なるものをでっち上げたのです。
(3)私たちを無視して、旧弁護団だけで裁判を進行させようとした。
 私たちは、米村氏の問題が解決するまでは裁判は進行させるべきではないと考え、2月12日、「①3月の公判期日の取り消し、②2月22日に予定されている裁判所との折衝の延期」を裁判所に申し入れること、③裁判長交代に伴う更新手続きの準備をこの問題が解決するまで進めないことを、一瀬弁護人に申し入れ、彼は了承しました。
 ところが一瀬弁護人は、2月18日に行われた弁護人だけの会議で、①公判期日の取り消し申請はしない、②裁判所との折衝は予定通り22日に行う、③3月7日の公判から更新手続きに入る具体的計画——という方針を私たちとの合意もなく勝手に決定し、強行しようとしたのです。
 旧弁護団に一貫していたのは、「被告人は黙って弁護人の言うことを聞いていればいい」という被告人無視の姿勢でした。こうした旧弁護団の独断専行に対して、私たち被告人がとりうる手段は解任通告以外に何かあったでしょうか。
(4)「革共同の介入」という主張について。
 そもそも、弁護人解任は被告人の主体的な決断です。私たちは、2月22日の会議での「米村事務局員絶対不使用という被告人の要求は受け入れられない」という弁護団の対応を見て、最終的に解任を決断したのです。「党の介入」などという言いがかりは、被告人の主体的な決断を無視する旧弁護団の姿勢を示すものでしかありません。
 革共同の天田書記長が一瀬弁護士に会ったことをきっかけに、被告団は「2・4合意」を反故にして弁護団を解任したと、旧弁護団は主張しています。しかし天田書記長は、長期にわたる信頼関係の下ともに闘ってきた者同士として、一瀬氏と米村氏の問題や本件裁判、国鉄闘争に関する議論をしたのです。ところが一瀬弁護士は、その場に他の弁護士を同席させることで、「革共同対弁護団」という構図をつくりあげようとしたのです。

 第2章 【二】

 次に、私たちが松崎被告人との弁論分離を要求した理由を明らかにします。
 松崎被告人が、私たちと組織的対立関係が非和解になったグループに加わったことによって、私たちと彼とは2006年5月以降、対立関係に入りました。その後7月に、松崎被告人が羽廣被告人を国家権力に売り渡すビラを全国の労働組合等に配布したこと、同年12月に提起された国労本部の鉄道運輸機構訴訟を肯定的に評価したことをめぐって、私たちと彼との対立が深まりました。
 そして、本年2月の私たちの弁護人全員解任に対して、松崎被告人は自分のホームページに「弾劾声明」を出し、「暴挙」とか「徹底的に弾劾する」とかと、私たちを非難しました。
 さらに4月18日には、「革共同7被告の『分離裁判要求』を弾劾する」という声明を出しました。この声明は、松崎被告人の転向声明であり、5・27裁判に対する敵対文書です。まず、「革共同7被告」と決めつけ、7被告を権力に売り渡す一方で、「自分は革共同を辞めた転向者です」と国家権力に命乞いをしています。また、本件5・27弾圧について「本部執行部が政治権力に利用され、労働者を権力に売ることを強制された」と国労本部を全面的に免罪しています。さらに、解雇撤回を投げ捨てた「4者4団体」とその路線について、全く批判せず「国労の活性化を切り開くための実践的水路」とか「下から国労の再生をかちとっていくために活用」とかと賛美しています。
 私たちは、このように裁判闘争そのものにおいて根本から対立する松崎被告人とは共同被告人として裁判を進めていくことはできないと考え、また、7被告を権力に売り渡す行為を続ける松崎被告人を弁護する旧弁護団が、松崎弁護団として法廷をともにすることは認められないという立場からも、弁論分離を裁判所に申し入れたのです。

 第3章 【三】

 いま、国鉄闘争は重大な岐路に立っています。1047名闘争は、「4者4団体」によって、解雇撤回を投げ捨てた「政治解決」「裁判所和解」にのめり込んでいます。他方、国鉄分割・民営化の破産が明らかとなり、職場における反合理化・運転保安闘争を闘い、ストライキで春闘に立った動労千葉の闘いが、JR体制を根底から揺るがしています。JR総連の分裂と解体が進む中、青年労働者の怒りの反乱も始まっています。
 私たちは動労千葉とともに4月26日、尼崎事故現場までの怒りのデモを全国の闘う労働組合・労働者560人で貫徹し、JR西日本の事故責任を弾劾・追及しました。あの事故現場の「造られた魔の急カーブを安全な線路に敷き直せ」と要求し、JR内からのJR資本への闘いとして、同時に1047名闘争の勝利をかけて闘いました。
 国鉄闘争は日本における新自由主義の攻撃と対決する基軸的な闘いであり、「戦後政治の総決算」=改憲攻撃を打ち砕く最前線の闘いです。私たちは、新たな弁護団を編成してこの弾圧を打ち砕き、国労本部を打倒して、国労の階級的再生をかちとります。平成採の青年労働者と固く団結し、第2次国鉄決戦の先頭に立ち、職場から闘います。階級的団結を打ち固め、裁判勝利・国労の階級的再生・1047名解雇撤回へ闘いぬく決意です。
 全国の許さない会の会員のみなさん。私たち7被告と新弁護団とともに「許さない会」運動を発展させましょう。