2008年6月 9日

全世界のデモとストに続け 韓国 大統領府に迫るデモ 10日に100万人集会を計画

週刊『前進』06頁(2346号2面2)(2008/06/09)

全世界のデモとストに続け 
韓国 大統領府に迫るデモ 
10日に100万人集会を計画

 資本の立場に露骨に立って新自由主義政策を矢継ぎ早に打ち出してきたイミョンバク政権に対し、ついに南朝鮮・韓国労働者階級人民の怒りが巨万のデモとなって炸裂(さくれつ)した。闘いの直接の契機は、4月18日に米国産牛肉の輸入制限を全面的に緩和することで米韓政府が合意したことだが、その背景には、教育・医療・エネルギーなど公共部門の全面的な私有化と競争原理の徹底化を掲げるイミョンバクの「親(しん)企業政策」に対する怒りがあり、闘いは政権打倒へと発展している。
 米国産牛肉の輸入に反対して5月冒頭から本格化したロウソク集会は31日、最大規模に達した。ソウル市庁前を中心に街頭を埋めた民衆は約10万人。集会・デモは夜7時から始まり、6月1日朝8時に警察の検挙が始まるまで12時間にわたって闘われ、デモ隊の一部は警察の阻止線を突いて青瓦台(大統領府)に迫った。デモ隊が青瓦台に肉薄するのは1960年の4・19学生革命の時以来だ。警察は放水・こん棒でデモ隊に襲いかかり、300人を検挙し、負傷者も70名以上に達した。一方、釜山、光州、大田、蔚山、慶州、昌原、馬山、全州、済州など地方都市でも1千名前後の集会が行われた。
 この間の闘いを主導しているBSE国民対策会議は、政府の強硬姿勢を「国民に対する全面的な宣戦布告」とみなし、チョンドゥファン軍事独裁政権を倒した87年民衆抗争の記念日である6月10日に100万人結集を実現すべく連続闘争方針を打ち出した。

 第1章 中高生が先陣を切って決起

 今回の闘いの先陣を切ったのは中高生の決起だった。イミョンバク政権の推し進める「教育自律化」という名の競争・分断政策に対する怒りが、「危険な牛肉を食べさせるな」という怒りと結びついたのだ。闘いはインターネットを通じて呼びかけられ、5月24日のロウソク集会を分岐点に「このままでは生きていけない!」という全民衆規模の政権退陣闘争へと発展している。24日の集会の前段には、農民、露天商・撤去民、公共運輸・公務員・教育労働者、民主労総がそれぞれ独自集会を行い、「民衆生存権獲得」「韓米FTA阻止」「公営企業民営化反対」「公務員年金改悪阻止」「教育市場化阻止」などを掲げてロウソク集会に合流した。
 また大学生も先頭で決起しており、31日の闘争で戦闘警察の軍靴に踏みにじられ負傷した女性がソウル大生だったことから、ソウル大学総学生会は学生投票を行い、6月5日の同盟休業方針を可決した。こうした大学ストの動きは地方大学も含めて広がっている。
 重要なことは、労働者、とりわけ民主労総傘下の労働組合が職場を武器に闘いに立ちあがっていることだ。
 鉄道・貨物・タクシー・バス・港湾・航空などの労働者でつくる運輸労組は、米国産牛肉が保管されている全国14カ所の冷凍倉庫で運送阻止闘争に入る方針を打ち出した。全国公務員労組は、米国産牛肉関連の広報を始め水の私有化、公共部門の外注委託、国立大学の法人化などにかかわる業務を拒否することを表明した。国立・私立病院、保育施設、「障害者」福祉施設などの労働者でつくる全国公共サービス労組や、保健医療労組、全国教職員労働組合は、施設の給食に米国産牛肉が使われないよう監視する方針を打ち出した。
 現下の韓国人民の闘いは、政策の一部撤回や修正などで収まるものではなく、体制的危機にあえぐ政権側にもそうした余裕はまったくない。さらに今回の米国産牛肉輸入問題が、韓国国会で批准が難航している韓米FTAの先取り攻撃だという点や、4月の米韓首脳会談で米韓同盟の強化に向けた合意がなされている点などから、韓国の労働者階級人民の怒りの矛先はアメリカ帝国主義にも向けられている。
 この闘いに連帯し、職場の闘いを組織し、6・29代々木公園に大結集しよう。