2008年6月16日

帝国主義強盗会議粉砕へ サミットのテーマを斬る ⑦ 治安弾圧と厳戒態勢 革命情勢圧殺狙う会議 警察、自衛隊、海保を総動員

週刊『前進』06頁(2347号2面3)(2008/06/16)

帝国主義強盗会議粉砕へ
 サミットのテーマを斬る ⑦
 治安弾圧と厳戒態勢
 革命情勢圧殺狙う会議
 警察、自衛隊、海保を総動員

 日帝・福田政権は、洞爺湖サミットに向けて東京、北海道を始め全国に超厳戒体制を敷いている。戦時国家体制ともいうべき弾圧体制だ。サミット超戒厳体制を打ち破って、サミット決戦を爆発させよう。
 G8サミットは、全世界で高まる労働者階級のストライキや食糧暴動を帝国主義がいかに圧殺するかに全力をあげようとしている。それ以外の経済問題や環境問題、アフリカ問題などは合意できる見込みはほとんどない。米帝がすでにアフガニスタン・イラク侵略戦争で資源の略奪と世界支配再編を暴力的に推し進めおり、さらにイラン、北朝鮮へと戦争を拡大しようとしている中で、他帝国主義も世界戦争への攻撃を激化させている。そして日帝は、サミット警備をもテコに侵略帝国主義として一気に突進しようとしているのだ。

 第1章 上空飛行禁止自衛隊出動も

 日帝のサミット警備はどのように行われようとしているのか。
 警察庁は6月6日、4回目の警備担当者会議を開いた。吉村博人警察庁長官が近年のデモ活動に触れ「インターネットに呼応して参加者が増えるなど、直前まで情勢が読みきれないことがある」と述べ、警備対策について「警察の総合力を発揮することが不可欠だ」と指示した。
 警視庁は5月2日、機動隊員ら約1100人を動員して「違法なデモ」や「群衆が暴徒化した場合」を想定した実践的な総仕上げの訓練を都内で行った。警視庁は、都内の大規模集客施設や公共交通機関での訓練を繰り返してきたが、今回はより大規模なケースを想定。暴徒化して発煙筒を投げ、車を破壊する約100人の群衆役を機動隊員が盾で押し返して制圧したり、マシンガンなどで武装し大使館を襲撃したテロリストに警備犬が飛び掛かって制圧したりするなどの訓練を約1時間行った。こうした警察・機動隊の訓練は全国各地で行われており、サミット本番では機動隊1万3千人以上を動員する。
 国土交通省はすでに主会場となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」周辺の上空を、期間中は原則として飛行禁止にすると告示した。飛行禁止とするのは、ホテルを中心に半径約46㌔の上空で、各国首脳が滞在する6日午前0時から10日午前0時までだ。また、警察庁も民間航空機に警察官が搭乗する「スカイマーシャル」を強化するとしている。
 一方、防衛省・自衛隊は、極秘の治安訓練の図
上演習を行っており、空中警戒管制機(AWACS)配備のほか、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)や迎撃戦闘機の緊急発進(スクランブル)態勢強化などを検討していることが明らかになっている。さらに、海上保安庁も総力で海上警備に突入している。
 また警視庁は、JR主要駅の駅長など約220人を集めた「サミット警備セミナー」を数回にわたって開き、パトロールや自主警備への協力を求めた。「例えば検問。開催前から車の積載物の確認をさせてもらう。会期中は一定地域、特に高速道路は一定期間、交通規制をすることになる。住民生活への負担は避けられない」としている。
 これは、サミット当日のことだけではない。すでに多くの関連会議が開かれているが、そこでも交通規制が敷かれ、海上交通も制限され、漁民の操業が制限されるという事態が起こっている。日帝は、人民の生活にどれほど影響が出ようとも、いっさいお構いなしに、サミット警備を強行している。
 こうしたサミット治安弾圧体制の頂点に、法政大学での学生38人不当逮捕がある。日帝は労働者階級の革命に向けた決起を抑えつけるために、動労千葉に学んで最も革命的に闘う法大生の闘いを圧殺しようとなりふり構わぬ攻撃に出てきたのだ。学内で集会を開き、デモをしただけで38人もの学生を逮捕せざるを得ないところに日帝の追いつめられた姿がある。しかも、全国の闘う学生は、公安警察や暴力職員の襲撃、逮捕攻撃と真っ向から闘い抜き、闘う中で団結を一層打ち固めてきた。それによってより強靱な革命家として自らを打ち鍛え、ともに闘う仲間を次々と生み出している。敵の弾圧は、すでに完全に打ち破られているのだ。

 第2章 G8サミットは怒りの標的

 法政大だけでなく、帝国主義の治安弾圧攻撃は、全世界で次々と打ち破られている。全世界で労働者階級人民のストライキや暴動のうねりが、巨大な炎となって燃え上がっている。まさにそうした中で、G8サミット自身が労働者人民の怒りの標的に完全に据えられているのだ。
 だからこそ日帝は、サミット開催の最大の課題を治安問題に置かざるをえない。サミットの会場に「ザ・ウィンザーホテル洞爺」が選ばれた最大の理由は警備のしやすさにある。都市部から離れた場所で四方に見通しが利き、ふもとの国道と山頂をつなぐのは約五㌔の道路だけという「天然の山城」だからここに決めたのだ。
 だが、こんなことで労働者人民の決起を抑えつけることができると思ったら大間違いだ。ILWUとイラク港湾労働者の港湾封鎖のメーデー決起、そして法政大での学生38人の決起に続こう。韓国の100万人決起に続こう。職場・生産点に満ちあふれる怒りを解き放とう。3・16イラク反戦デモを引き継ぎ、6・29渋谷大デモに立とう。
 (秋原義明)
 (おわり)