2008年6月23日

法大闘争 獄内外越え団結広がる 開示公判で裁判官を圧倒

週刊『前進』06頁(2348号3面2)(2008/06/23)

法大闘争 獄内外越え団結広がる
 開示公判で裁判官を圧倒

 38人の完黙非転向の獄中闘争、豪胆なキャンパス展開、裁判官を圧倒した勾留理由開示公判、各界に広がる救援会運動……。法大闘争は獄内外を超えて団結が拡大している。社会的影響も拡大している。逆に権力の方こそ闘いに打撃を受けているのだ。

 第1章 時代の閉塞を破る法大闘争

 キャンパスでは連日、朝も昼休みもビラが配布され、クラス討論が行われている。6月2日から始まったハンガーストライキは実に170時間を超えた。命がけの闘いに大学当局は恐れひるんでいる。非公認化し、黙殺し続けてきた文化連盟を大学当局は無視できない。ついに文連の拡声器を使った集会を認めさせた。
 他方で大学当局による窒息しそうな弾圧体制。大学職員やガードマンが、ビラを受け取る学生をチェックし、話し込む学生をメモする。公安警察とまったく同じだ。学生の怒りは計り知れない。1人の学生がジャージ軍団にひざげりを受け、全治7日間のけが。
 秋葉原事件の派遣労働者の職場の情景は法政大学の現実そのものだ。授業は学生を競争させ、誇りを奪い、資本の奴隷として低めるために行われる。ちょっとでも怒りを示せば、親を呼び出されて処分、正体不明のジャージ軍団から殴るけるの暴行。
 しかし38人の学生は、この現実に対し敵をハッキリさせ、団結を信頼しきった。「死すべきは資本主義だ。学生は団結しよう。革命やろう」と立ち上がった。38人は、この閉塞(へいそく)状況を撃破したのだ。

 第2章 裁判所の権威も失墜させる

 勾留理由開示公判が連日行われ、13日には、中国四国の学生と首都圏の学生の公判が2回に分けて行われた。
 裁判官はすね顔で開き直りに終始。勾留理由について、警察の言い分をオウム返しでまったく理由を明らかにできない。弁護人の鋭い追及に追い込まれ逆ギレ。「これ以上言うことはない。弁護人の発言も禁止する」と見苦しい訴訟指揮。ついに「勾留延長を発布したのは別の裁判官」と思わず本音をもらした。
 これには被疑者と傍聴人が烈火のごとく怒った。被疑者席の学生らは裁判官につめより、傍聴者も総立ちで徹底弾劾。騒然とした状況に。多数の廷吏が襲いかかった。8人の学生全員が羽交い締めで排除され、傍聴者も半数が強制退去に。
 裁判官は茫然(ぼうぜん)自失となり、裁判所の権威は完全に丸つぶれとなった。司法とは国家暴力であることがあからさまになった。被疑者の全員退廷は前代未聞だ。学生の団結力を示した。
 2回目の公判では、取り乱した裁判官に代わって、書記官が退廷を連呼した。
 公判後に地裁前で行われた総括集会では退廷になった家族が「私は平凡な主婦でしたが傍聴してびっくりした。あまりのひどさ。抗議する人に拍手をしただけで私も退廷させられました。社会を変えようとした息子に誇りをもっています」。
 17日は、警備員への「傷害」デッチあげで逮捕された新井拓君、織田陽介委員長ら3人。38人の最後の勾留理由開示公判だ。織田君は暴行の共謀での逮捕だ。3人が共謀した傷害と言うが織田君が警備員と接触した事実もない。だが裁判官は「挙動と言動で暴行を指示」というのだ。弁護士が具体的に示せと追及。「捜査段階なので」と逃げ回る裁判官。
 暴力警備員が被害者だというから許しがたい。何度も学生に暴力をふるってきた人物だ。警備員は「顔面を殴打され全治5日の傷害を受けた」と言う。「どのような傷か」と弁護士。沈黙する裁判長。具体的なけがの状況も言えない。
 事実は逆だ。学生センター長の木原がトラメガを奪い、警備員が暴力的に学生に襲いかかってきたのだ。学生は首を絞められメガネをとられた。これに抵抗したら傷害だというのだ! 逆に、勾留中の新井君が肋骨(ろっこつ)を折られて治療中なのだ。

 第3章 法大弾圧怒り救援会も拡大

 5月29日の逮捕の翌日30日に直ちに「38人の学生を釈放しろ! 5・28〜29法大弾圧救援会」が発足した。法大弾圧弁護団の森川文人、藤田正人、河村健夫、指宿昭一の4弁護士に、葉山岳夫弁護士さらに法大生、法大OBの呼びかけだ。
 法大OBは、29日の逮捕の翌日から門前にかけつけ集会に参加し、法大生とともに闘いに立ち上がっている。法大門前を通るタクシー労働者も、ジャージ軍団の暴力にひるまず闘う学生らの姿に感動し、カンパを渡し激励する。「6・13裁判員制度はいらない!全国集会」の会場前での訴えには、38人の釈放を求める署名200筆と18万円を超えるカンパが集まった。弁護士も学生とともに猛然と弾圧粉砕の闘いに決起している。
 訴えれば訴えるほど、法大弾圧への怒りと学生の闘いへの共感が広がっていく。連日に及んだ東京地裁前の宣伝も圧倒的注目だ。署名は1千筆を超えた。多数のメッセージが寄せられている。「学生が立ち上がったことに感動しています。あらゆる大学で闘いが起こることを」「今日の閉塞状態をうち破る力は若者たちにある」「資本の奴隷になる人間をつくるのが大学の使命ではありません。弾圧と闘う皆さんを応援しています」
 法大の闘いに続き、サミット粉砕へ、全力で決起しよう。