2008年7月28日

〈焦点〉 「見直し」など問題にならない 派遣法粉砕—革命やろう

週刊『前進』06頁(2353号3面4)(2008/07/28)

〈焦点〉 「見直し」など問題にならない
 派遣法粉砕—革命やろう

 6月8日に発生した秋葉原事件をきっかけに労働者派遣法の見直しが話題になっている。事件に震え上がった舛添厚労相は、事件直後の6月10日の記者会見で、「特別な通訳など専門職以外は、基本的には常用雇用というのは当たり前で、そういう原点に戻るべき。大きく政策転換しないといけない時期にきている」と述べた。
 これは、事件の背景に労働者の尊厳をとことん破壊し、低賃金で使い捨てにする派遣や請負という非正規雇用の問題があり、それへの積もりに積もった青年労働者の怒りの爆発として秋葉原事件があったからだ。そしてこの問題を放置していれば、やがては体制打倒・革命にまで行き着くのではないかと日帝・支配階級が恐怖して、非正規雇用の問題を取り上げざるをえなくなったのだ。
 だが、世界の帝国主義が新自由主義に突入する中で、日帝はバブル崩壊後の長期不況下で帝国主義間の争闘戦に勝ち抜くためには、戦後の労働者支配のあり方を根本から転換する以外にないとして、95年の日経連「新時代の『日本的経営』」を打ち出した。そして、その下で9割の労働者を非正規雇用にたたき込む攻撃をかけてきた。今や日本の労働者階級の35・5%もが非正規雇用にされている。このわずか10数年での急激な非正規雇用化の進展を可能にしたものこそ、労働者派遣法による派遣労働の蔓延(まんえん)だった。
 だから、いかに秋葉原事件が起こり、それが体制崩壊を予感させるものであろうと、日帝・支配階級は派遣労働という働かせ方をやめるわけにはいかない。そのため、舛添はわずか3日後の6月13日には、「日雇い派遣はもうやめる方向で」と発言し、問題を「日雇い派遣の規制」に切り縮めてきた。そしてこれを受けて自公両党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム(PT)」も7月8日、日雇い派遣を通訳などの専門業務を除いて原則禁止することなどを柱とする労働者派遣法改正案の基本方針をまとめた。厚労省は秋の臨時国会に改正法案を提出する予定だという。
 これに対して民主党・共産党は、「派遣法の抜本的見直し」などと称して、日雇い派遣の禁止だけでなく、「派遣対象業務の限定」などを掲げてはいるが、派遣法そのものの廃絶をけっして主張しない。それどころか、連合内のIMF−JC(金属労協)の各単組は、派遣労働を前提にした「均等待遇」を掲げるだけだ。
 体制内労働運動指導部が派遣法廃止を言えないのは、それが日帝・支配階級の基本的な延命策と激突するからだ。だが秋葉原事件が突き付けているのは、派遣法の見直しなどでは絶対ない。派遣という働き方そのものの廃止であり、労働者を使い捨てにする日本帝国主義のあり方そのものの打倒だ。現に派遣の青年労働者は社共の枠を超えて「派遣法廃止!」を掲げて闘いを開始している。
 「労働運動の力で革命を」と叫ぶ青年労働者の怒りを共有し、職場闘争を軸にともに派遣法粉砕・日帝打倒の闘いに総決起しよう。