〈焦点〉 経団連「夏季フォーラム」批判 資本攻勢と戦争への衝動
〈焦点〉 経団連「夏季フォーラム」批判
資本攻勢と戦争への衝動
日本経団連は7月24、25日の2日間、夏季フォーラムを静岡県小山町で開いた。会長の御手洗冨士夫(キヤノン会長)を始め、日帝支配階級の主要なメンバーが参加した。討議の総括として「アピール2008—グローバル化の中での日本企業の針路」を発表した。
その内容は、日帝が世界金融大恐慌と帝国主義間争闘戦に追いつめられていること、そしてプロレタリア革命の足音におびえながら、労働者階級に一切の矛盾を押しつけて、必死に生き延びようとしている姿を示している。労働者階級が、生きるか死ぬかの階級決戦情勢が煮詰まっているのだ。
アピールは冒頭で次のように述べる。「資源・エネルギー・食料価格の暴騰や地球環境問題への対応、国際金融不安と世界経済の減速など、グローバルな課題が山積し、景気の先行き懸念が強まり、わが国企業をとりまく環境は、厳しさを増している」
このように、ここ20年余りの新自由主義改革が帝国主義に安定をもたらすどころか、一層の危機と矛盾をもたらしていることに悲鳴を上げている。この存亡の危機に対処するために「成長力を強化するため、税・財政・社会保障の一体改革が急務である」としている。
「企業の成長力の強化」とは、企業が労働者を搾取して巨額の利益を上げる力を強化するということだ。だから労働者階級にとって、それは一層の賃下げ、労働強化、首切り、非正規の「使い捨て労働力」化しか意味しない。
また「税・財政・社会保障の一体改革」「消費税率の引き上げを含む、税体系全体の見直し」とは、消費税大増税であり、民営化による公務員リストラであり、社会保障の一層の削減(個人負担増大)だ。社会保障国民会議では「基礎年金全額税方式」が論議されているが、今まで企業が負担していた年間3〜4兆円の拠出金をすべて労働者におっかぶせるものだ。この分を消費税で負担することになれば、消費税は一挙に15〜20%に達する。貧しい者からも搾り取る、本当に許し難い大衆課税だ。
「アピール」の反労働者性はこればかりではない。「官民連携による資源外交力の強化」「原子力の活用」など、帝国主義による資源争奪戦への積極的参戦、核兵器開発に直結する原発政策の強化などを打ち出している。
さらに「農業の改革を推進し、国際競争の力を強化する絶好の機会」とは、トヨタの自動車など工業製品を輸出するために、低価格の農産物を輸入し、日本の中小農家を経営破綻に追い込み、300万戸の農家を十数万戸にまでつぶし、労働者の賃金水準の一層の引き下げをも狙うものだ。
支配階級にとっては「日本企業の針路」こそがすべてであり、その延命のために労働者階級・人民は命を差し出せ、と言っているのだ。
労働者が彼らにたたき返す回答は、資本主義の打倒=プロレタリア革命以外にない。動労千葉のように闘う労働運動を推進しよう。