2008年9月15日

爆取弾圧差し戻し審 十亀・須賀被告が陳述 岡田証人(元大阪府警)を粉砕

週刊『前進』06頁(2359号6面3)(2008/09/15)

爆取弾圧差し戻し審
 “こんな裁判は不要”
 十亀・須賀被告が怒りの陳述
 岡田証人(元大阪府警)と検察を粉砕

 9月10日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し審の第6回公判が東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で開かれた。
 冒頭、十亀弘史同志と須賀武敏同志が意見陳述を行った。
 十亀同志は裁判所への怒りで体を震わせて述べた。「私は裁判のために、愛媛から東京に向かう列車の中で、いつも激しい怒りにとらわれます。なんでこんな裁判を繰り返さなければならないのか!という怒りです。私は無実です。それは一審で完全に明らかにされています。なんで今また裁判のために東京と愛媛を往復しなければならないのか。愛媛での父の介護はいわば一時も目を離せないものです。誰がこの苦しみを私に強いているのですか。警察・検察であると同時に、裁判所じゃないですか」
 次に須賀同志が法廷に響き渡る声で裁判所を徹底弾劾した。「1989年、奈良の橿原借家で押収されたものは、迎賓館と横田基地へのロケット弾戦闘とも、私たち被告ともまったく関係ありません。だから、橿原借家関係のすべてを『取り調べる必要なし』と却下した、差し戻し前一審の判断に誤りはありません。さらに、橿原借家へのガサ(捜索)は、婦人警察官が『隣に引っ越して来た者です。ごあいさつに来ました』とウソをついてドアを開けさせ、捜索令状も示さずに多数の警察官が室内に突入し、室内にいる者を制圧し、公務執行妨害罪をデッチあげて逮捕したというもので、恐ろしく違法です。違法ガサで押収したメモは違法収集証拠ではないか。そんなメモに関する証人調べは不要です。直ちに証人調べなどやめろ」
 当初、林裁判長は「意見はひとり5分で認める」と言っていたが、2同志の迫力ある意見陳述に何も口を挟めず、結局2同志は30分近い意見陳述をたたきつけた。

 第1章 「捜索」は違法な暴力的襲撃

 続いて、橿原借家の捜索押収の責任者だった岡田鎮也(元大阪府警警察官)に対する反対尋問が行われた。藤沢抱一弁護人は、大阪府警による「捜索」が違法な暴力的襲撃であったことを、言を左右にして隠そうとする証人を、迫力ある尋問で追い詰めていった。
 弁護人が、橿原借家と捜索した「事件」との関連を問うと、岡田証人は「府下の一番大きな事件だから、それを理由に捜索した」と証言し、予断に基づくデタラメな捜索であったことを自ら暴露した。さらに「令状は示していない。逮捕した人間に示すつもりはなかった」と違法捜索を開き直るしかなかった。
 岡田の証言に慌てふためいた検察官は、藤沢弁護人の反対尋問に「異議」を連発したが、裁判長はすべて却下した。すると検察官は「異議」とも言わないで突然立ち上がり、弁護人の反対尋問に難癖をつけ、執拗(しつよう)に妨害してきた。しかし、藤沢弁護人は「反対尋問に介入するな!」と一喝。被告・傍聴人も弁護人と一体となって検察官を激しく弾劾・追及し、完膚なきまでに粉砕した。
 次回公判、9月30日も岡田への反対尋問が行われる。国家権力と非妥協で対決している21年間の裁判闘争の地平の上に、差し戻し審での闘いを打ち抜き、爆取デッチあげを粉砕しよう。