2008年10月20日

韓国 政府の民営化案に反撃 民主労総が「総闘争」を宣言

週刊『前進』06頁(2364号4面2)(2008/10/20)

韓国 政府の民営化案に反撃
 民主労総が「総闘争」を宣言

 第1章 鉄道労組集会

 韓国のイミョンバク政権が10月10日「第3次公共部門先進化計画」を発表したことに対し、韓国労働者の怒りと反撃の機運が高まっている。
 全国鉄道労働組合(鉄道労組)は10月11日にソウル駅前広場で集会を開き、「鉄道民営化政策廃棄」を要求した。
 韓国政府はこれまで鉄道公社について、「2010年までに赤字幅50%削減が達成できなければ民営化する」としていた。だが鉄道労働者の反対が強く、政府はとりあえず今回、整備保守分野と駅業務の人員管理分野での子会社の統合計画を発表した。
 鉄道労組は、政府が挙げる鉄道公社の赤字6400億ウォン(約522億円)について、「誤った鉄道構造改革政策の結果」だと指摘。「高速鉄道(KTX)などの線路建設や維持補修に必要な施設関連の費用は国家が責任を持つことになっているが、政府はこれを公社に転嫁した」と批判した。また、KTX建設の過程でも膨大な累積債務(約10兆ウォン)を押しつけたとしている。
 鉄道労組は「収益を出すという名目で正規職を減らして非正規職を量産し、下請けのまた下請けに業務を外注化するのが政府の言う先進化だ」と弾劾した。

 第2章 糾弾会見開く

 イミョンバク政権の「第3次公共部門先進化計画」と題する大規模民営化案は、地域暖房公社、韓国電力、五つの発電会社、ガス公社などのエネルギー関連機関と韓国鉄道公社、韓国放送広告公社などの民営化や大合理化を含むものだ。
 これに対し、労働組合と市民団体とでつくる「公共部門私有化阻止共同行動」と「ソウル地域社会公共性連帯会議」は、10日直ちに糾弾記者会見を開いた。
 そして、この第3次案は人員削減とアウトソーシングを意味し「公企業の私的支配、株主の利害関係による商業主義的支配は深刻になる」と厳しく指摘した。さらに、「米国発の金融危機による世界二十数カ国協調金利引き下げは、現在の状況では物価値上げの要因として作用する」と金融当局を批判した。
 イミョンバク政権は、小泉政権の「構造改革」推進者の竹中平蔵を大統領特別顧問にすえて、この民営化攻撃を強行しようとしている。だが小泉改革の大破産は、今や誰にも明らかだ。

 第3章 11・9大会へ

 民主労総は10月10日、700人が結集し、ソウルで「親財閥・労働抹殺イミョンバク政権糾弾労働者大会」を開き、08年後半の闘いの口火を切った。大会決意文は、「4・19と80年光州、87年抗争と労働者大闘争の精神へとあえて歴史を引き戻し、民衆と民主を圧殺するイミョンバク独裁政権を審判し、米国式新自由主義を超えて、労働者と庶民が笑って暮らせる新たな社会を建設するための総闘争」を宣言した。
 またこれに先立ち民主労総は、11月9日の全国労働者大会、11月22日の「公共部門市場化私有化阻止総力闘争」などの方針を打ち出した。そして10月27日からの2週間を「チョンテイル記念週間」と位置づけ、連続討論会やキャンペーンなどを展開し、11月9日の大会につなげる方針だ。
 民営化攻撃との闘いは全世界の労働者に共通の必須の課題だ。11・2労働者集会の大爆発で民主労総・韓国労働者階級と連帯し、資本主義・帝国主義の最後のあがきを粉砕しよう。