2008年12月 1日

アメリカの学生運動 サンフランシスコ州立大学 予算削減に抗議集会

週刊『前進』08頁(2370号5面3)(2008/12/01)

アメリカの学生運動 「占領ではなく教育に」
 サンフランシスコ州立大学 予算削減に抗議集会

 アメリカ学生運動も新自由主義攻撃との闘いに立ち上がっている。課題は全世界共通だ。金融大恐慌に立ち向かう世界の労働者、学生と連帯して闘おう。
 11月12日、サンフランシスコ州立大学で、予算カットに反対する学生たちの大規模な抗議集会が行われた(写真)。3億1千万㌦の予算カットが夏に発表されていたが、さらに6億6千万㌦のカットが発表され、授業料は10%値上げだ。正午になると学生は一斉に教室から出て中庭になだれ込んだ。ほとんどの学生が黒い服に身を包み、多くの横断幕は予算カットは許せないと明確なメッセージを掲げていた。
 「クラスを守れ! 予算は占領ではなく、教育に! サンフランシスコの学生は団結しよう!」
 この集会のために「予算カット反対同盟」が立ち上げられ、集会では学生や大学職員が苦しい状況について発言した。
 今回の予算カットに先立つ昨年段階の授業料のレベルでさえ、学生の3分の1がドロップアウトしてしまっている。生活が苦しいため、卒業に平均6年かかってしまうという。そして卒業生の46%が多大な借金を抱えている。今回の予算カットで最も影響を受けるのは、教育の機会を奪われている低所得層の学生やアフリカ系、ラティーノの学生だ。
 何人かの発言の後、予定されていた副学長との話し合いが延期されたことがわかると、学生は学生部へデモ行進した。警備員に阻止され建物に入ることができなかったので、学生は整然と座り込みをした。ついに副学長は姿を現さざるをえなくなり、学生の前に出てくると「わたしは学生の味方だ」と言った。
 夕方になるとキャンパスには寝袋が広げられ、たくさんの食べ物が持ち込まれた。徹夜でキャンパスを占拠し、学生の固い意志を示すためだ。州立大学には自宅から通う学生が多く、今までは連帯感があまりなかったが、泊まり込みで団結をつくることができた。
 途中、警察や当局が妨害に来たが、学生たちは朝まで今後の活動方針などについて議論を続けた。翌朝の8時には解散したが、1週間後にも集会が企画されている。
 「学生部、理事会、そして政府を打倒しよう! 学生、労働者は団結しよう!」 (W)