2009年2月 2日

京品ホテル 強制執行に徹底抗戦

週刊『前進』08頁(2377号2面4)(2009/02/02)

京品ホテル 強制執行に徹底抗戦
 “必ず、必ず戻ってきます”

 「悔しい、本当に悔しい。これが日本の法律ですか。こんな大勢の中、警察がこんなことをしていいんですか。人の正義って何ですか。ここで負けたら私は皆さんに申し訳がない。必ず、必ず戻ってきます」(東京ユニオン京品ホテル支部・金本支部長)
 1月25日、自主営業を続けてきた京品ホテル(東京都港区)に対する強制執行に対して、現場労働者はこのように怒りと悔しさを爆発させ、闘いを断固として継続するという新たな戦闘宣言を行った。
 強制執行の暴挙が報道されるや、全国の労働者が怒りを爆発させ、闘いの意欲が高まっている。京品ホテル労働者の闘いに連帯して、「生きさせろ!」ゼネストをぶちぬいていこう。
 京品ホテルは京品実業・小林社長による一方的廃業・全員解雇をはねのけ、昨10月21日から自主営業を続けてきた。多くのマスコミに報道され支持は広がり、粘り強い闘いが繰り広げられた。しかし小林は「立ち退き」の仮処分を申請し、1月15日、東京地裁が小林の主張を全面的に認める決定を出した。

 第1章 物同然の解雇に怒りが沸騰

 このことの中に、新自由主義とその破綻のもとで、労働者がまったく人間扱いされていない現実が示されている。
 小林社長は京品ホテルを廃業にする際に、労働者の雇用・生活を一顧だにしなかった。雇用先の確保どころか何の相談もない。ホテルの備品の一つのように労働者も一掃しようとしたのである。そしてそれを警視庁と裁判所が擁護し、全面協力して推し進めたのだ。

 第2章 約百日、堂々自主営業貫く

 京品ホテルの労働者はあらゆる妨害をはねのけて自主営業を100日近く闘いぬいた。その核心はどこにあるのか。
 彼らの発言で繰り返されるのは「職場を守ってきたのはおれたちだ。今後も絶対に守る」という誇りであり、「組合の仲間は家族と同じ。一人の首切りも許さない」という組合的団結である。普遍的でまったく正当な、しかしブルジョアジーと全面対決せざるをえない団結が解雇撤回の闘いの中で生み出されているのだ。これはいかなる暴力によっても抹殺することのできない労働者の誇りを体現したものだ。
 現場労働者は、「こんな解雇が許せるか」「警察が来てもスクラムではねかえす」と一歩も譲らず、連日、ホテルを自主営業した。
 追い詰められた裁判所・警視庁は1月25日、ついに裁判所執行官・警視庁機動隊・ガードマンなど計1000人近くからなる部隊で強行突破を図った。ホテル前でスクラムを組み激しく対決する300人の労働者を力ずくで排除し、ホテルを封鎖したのだ。排除されても戦列に戻り、負傷してもスクラムを離れず、徹底抗戦が貫かれた。権力・資本への怒りは数百倍に高まった。

 第3章 不屈の闘いが展望切り開く

 当日の闘いに参加して、勝利の展望を実感した。確かに強制執行は行われ自主営業は解体された。ホテルから荷物も運び出された。では小林に前途があるのか。世界金融大恐慌はこれから激しく進行する。小林にも、ブルジョアジー全体にも、何の展望もない。
 逆に京品ホテルの労働者にとっては、無限の展望が広がっている。今、非正規雇用労働者の大半が首を切られ、労働者全体が闘う以外に生きられない情勢に突入している。労働者はこのまま朽ち果て、黙って死んでいく存在なのか? ありえない。
 世界でも日本国内でも労働者の総決起が始まり、革命情勢が到来している。数十万、数百万の労働者の決起の中で京品ホテルの闘いはさらに光り輝き、解雇撤回・職場復帰の道は必ずこじ開けられる。
 「生きさせろ!」ゼネストを爆発させよう。
 (なんぶユニオン A)