2009年2月 2日

ガザ連帯・イスラエル弾劾 イラク石油労組がデモ

週刊『前進』08頁(2377号8面2)(2009/02/02)

ガザ連帯・イスラエル弾劾
 イラク石油労組がデモ

 銃剣が支配する占領下のイラクで、労働者がイスラエル弾劾・ガザ連帯に立ち上がった。1月15日、南部の大都市バスラで、イスラエルによるガザ虐殺に抗議してさまざまな労働組合が集会とデモに決起したのである。
 闘いを組織したのは、南部を軸に石油労働者2万5000人を組織しているイラク石油労組連合(IFOU)などを中心とする労働組合、労組員たちだ。これらの団体・人びとは、08年メーデーでILWU(国際港湾倉庫労組)がイラク侵略戦争に反対して米西岸の29港湾を封鎖した闘いに、1時間の連帯ストでウム・カスル港を封鎖した人たちと同じだ。
 横断幕には、「ガザのパレスチナ人民に対するシオニズムの犯罪行為をわれわれ石油労組連合は許さない」というスローガンが掲げられた(写真)。
  集会は、アメリカのブッシュ政権がイスラエルに武器と資金を供給していることを強く非難し、またアラブの反動諸国がアメリカやイスラエルと共謀・協働していることを鋭く弾劾した。そして、イスラエルが無差別にガザ市民を虐殺するという軍事行動をストップさせるために、すべての労働組合が抗議の声をあげ、イスラエルとアメリカに大きな圧力を加えることを要求した。

 第1章 イスラエルで反戦デモ高揚

 闘いはイスラエル国内でも火を噴いている。イスラエルが「一方的停戦」を宣言する数時間前の1月17日夜、テルアビブからジャッファに向けて3000人のユダヤ人とパレスチナ人が反戦デモに立ち上がった。騎馬部隊とヘリコプターを動員した警察と軍の戦時下厳戒態勢を突破する果敢な闘いだった。
 デモは、パレスチナ系イスラエル人のリーダーシップのもとに、さまざまなグループの統一戦線として組織された。赤旗やパレスチナ旗など多数の旗やプラカードが掲げられ、スローガンがヘブライ語とアラブ語で叫ばれた。参加者の多数は、アラブ人とユダヤ人の労働者と学生だった。
 彼らが掲げたスローガンは、「爆弾にではなく仕事に金を!」「占領と戦争にではなく教育と仕事に金を!」「アラブ人とユダヤ人は敵同士であることを拒否する!」「人種差別・民族差別のイスラエル体制に大衆闘争をたたきつけよう!」「資本の支配は安全保障をもたらさない!」というものだ。
 イスラエル国内における大規模な反戦デモは政権に大きな打撃を与えた。しかもこれらの反戦闘争は、空爆直後のアラブ系イスラエル人のゼネスト決行や多数の兵士の軍命拒否の闘いと一体のものとして闘われた。

 第2章 ノルウェーは鉄道スト貫徹

 ヨーロッパでも闘いが広がっている。1月8日、北欧ノルウェーの全旅客列車と首都オスロの全市街電車・全地下鉄を対象にして、イスラエルの侵略に抗議する2分間の政治ストが打ち抜かれた。このストは、駅に2分間通常よりも長く停車するという形で行われ、乗客にもストへの支援が訴えられた。
 闘いを呼びかけたのはノルウェー機関士労組とオスロ市街電車労組だ。この闘いは今、ヨーロッパと世界の戦闘的左翼の大きな注目を集めている。また、スト当日、オスロでは4万人のキャンドルデモが行われた。
 ガザ・パレスチナ人民の不屈の闘いとそれに連帯する全世界数百万人の労働者人民の闘い、そしてイスラエル内部でのゼネストと反戦反軍闘争が、ついにイスラエルとアメリカの軍事行動を挫折に追い込むに至っている。世界革命情勢をいちだんと深める、実に重大な地平が切り開かれているのだ。