2009年2月 9日

民主労総 ソウル本部が新執行部 動労千葉に「感謝牌」

週刊『前進』06頁(2378号3面3)(2009/02/09)

民主労総 ソウル本部が新執行部
 田中委員長が大会参加 動労千葉に「感謝牌」

 第1章 日韓理念交流の前進を高く評価

 民主労総ソウル地域本部の大会が1月20日に開催され、動労千葉の田中康宏委員長が招待を受け参加した。ソウル本部は民主労総が結成された2カ月後の1996年1月に発足した。今回は14年目に入る「14年次大会」だ。
 今大会では、任期切れに伴い新執行部が選出された。新任本部長は、前副本部長でソウル地下鉄労組出身のチェジョンジンさん。07年の日比谷野音の11月労働者集会に参加し、団長として発言している。新任首席副本部長はパクスンヒ前事務処長で、やはり07年の8・15労働者・市民の集いで来日し、発言している。新任事務処長は、金属労組起亜自動車支部出身のパクチャンシクさん。起亜自動車労組は、動労千葉とソウル本部が交流を始めたときの本部長、コジョンファンさんの出身労組だ。
 大会で承認された議案のうち、「13年次事業報告および評価」の「国際連帯事業」の項目では、昨年の日韓交流について「両国における理念交流をとおして国際連帯の規模と内容が質的に高まった年だった。理念交流は、自国の労働組合運動に対する省察を促し、実践決意を高めるなど、両国の活動に刺激と援助を与えた」と総括した。さらに、事前教育や報告資料づくりの必要性を強調したうえで、「単純に毎年その場限りの事業ではなく、組織的な国際交流事業の意義と方向を定め、展開する努力が必要」と総括した。
 一方、今年度の「事業計画」の中では、「情勢」が7ページにわたって提起され、その中では、「もはや新自由主義資本体制は持続不可能。世界的大転換が始まる」との時代認識が示された。それに基づく「事業基調」として、「職場に基礎を置き、地域を基盤に、大衆主体の政治運動の流れをつくり、強力な反新自由主義・反イミョンバク闘争を展開する」と打ち出された。

 第2章 “国際連帯の模範示した動労千葉

 大会議事に先立ち「模範組織・組合員表彰」が行われ、コスコム労組や全教組ソウル支部などと並んで動労千葉にも感謝牌(はい)が贈られた。「民主労総ソウル本部との交流事業をとおして、中小零細事業場の労働者の闘い、ニューコア・イーランドなど非正規職の闘い、ハイテック遠征闘争を支援するなど国際連帯の模範を示された」と牌に刻まれた文章が朗読され、田中委員長が受け取った。
 今回の訪韓期間中、新旧執行部と田中委員長は常に行動をともにし、その中で両者は、今後の日韓労働者連帯の発展を確認しあった。また、ソウル本部や動労千葉が直面している課題などについても意見が交わされた。地域本部の役員選挙を直接選挙制に転換することをめぐる問題、階級的労働運動における地区労運動の意義、産別転換をめぐる問題、現場の実践と時代認識・思想を組合員自身のものとして一つにしていくための指導部の努力、執行部同士の意思疎通の重要性など、どれも労働組合をどういうものとしてつくっていくか、互いに日々真剣に考え苦闘しているがゆえに、深い内容で議論が交わされた。

 第3章 ハイテック闘争の職場訪れ交流

 翌21日、田中委員長は、ソウル本部の勧めで民主労総中央の大会を傍聴し、その後、金属労組ハイテックRCDコリア支会の仲間たちが職場復帰報告集会とデモを行っている九老工業団地の現場にかけつけた。職場復帰をかちとった組合員の表情がものすごく明るかったのが印象的だった。
 田中委員長が訪韓した翌朝、ソウルの竜山地区で再開発に伴う強制撤去の攻撃が行われ、一方的な立ち退きを断固拒否して闘っていた住民のうち5人が虐殺されるという重大事態が起こった。ソウル本部の仲間たちも抗議闘争にかけつけた。
 資本の生き残りをがむしゃらに推進するイミョンバク政権に対し、韓国でも「生きさせろ!」の実力闘争が闘われている。日本で「生きさせろ!」ゼネストを闘いぬき、日韓労働者共同の力で世の中を変えよう!
 (動労千葉を支援する会 /広沢こう志)