2009年3月 9日

国労5・27弾圧裁判 懲役刑求刑を弾劾する

週刊『前進』06頁(2382号1面2)(2009/03/09)

国労5・27弾圧裁判 懲役刑求刑を弾劾する
 検察の「共謀」立証が破産

 2月27日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判が開かれ、検察の論告(求刑)が行われた。求刑は、向山和光被告に懲役1年6カ月、富田益行、橘日出夫、東元、原田隆司、小泉伸、羽廣憲の各被告に懲役1年という、断じて許しがたいものだ。
 被告たちは02年5月27日、鉄建公団訴訟原告を統制処分手続きに付すために開かれた国労臨時大会に際し、本部方針に抗議してビラまき・説得活動を展開した。論告は、その正義の闘いを「暴力」と決めつけて、被告らに懲役刑を科せと叫んでいる。これは、1047名の解雇撤回という原則を貫き闘うことそのものを犯罪とする階級的憎悪に満ちた論告だ。
 被告たちが、被解雇者を統制処分にかけるという国労本部の歴史的暴挙に怒りの声を上げたことは、当然のことだ。そのどこが犯罪なのだ。当たり前の労働組合活動に暴力行為等処罰法を適用せよと叫ぶ論告は、労働運動そのものに凶悪な牙をむいたのだ。
 権力は、世界金融大恐慌のただ中で労働者階級の闘いが激発し、その闘いの軸に国鉄闘争が座ることを恐れている。ならば、そうした闘いを実現してみせることこそ、弾圧への回答だ。
 論告は、検察側の破産を明白に突き出した。最大の争点である「共謀」について、検察はなんら立証できなかった。論告はその破産を居直り、推認の上に推認を重ねて、共謀があったと言い張っている。検察は、国鉄分割・民営化や国鉄闘争にまったく言及せず、被告の闘いを「粗暴きわまる暴力行為」と空疎に非難しているだけだ。
 この弾圧は、国労本部が組合員を国家権力に売り渡すことによって成り立っている。権力は、一方で国労本部を始めとした4者4団体を使って1047名闘争を内部から破壊しようと企て、他方で動労千葉とともに国鉄闘争を原則的に闘ってきた被告たちを有罪とすることにより、1047名闘争を最後的に押しつぶそうとたくらんでいる。
 だが、そんなもくろみなど断じて通用しない。
 被告たちは、この弾圧を打ち破ることの中に、1047名解雇撤回の原則を貫き、国鉄闘争の勝利を実現する道があることを確信している。被告団は、凶悪きわまる論告に怒りを燃やし、有罪判決とそれを口実としたJRによる解雇攻撃を打ち破る不動の決意を固めている。
 公判廷で検事が求刑を読み上げると、席を埋めた傍聴者から一斉に怒りの声が上がった。
 公判終了後、怒りもさめやらぬ被告と傍聴者は国労本部におもむき、本件を「中核派の暴力事件」と決めつけた「本部闘争指示55号」の撤回、国家権力との癒着をさらに深める執行部の辞任を求める申入書を突きつけた。

 第1章 怒りの集会に150人“国鉄闘争の責任勢力へ”

 同日、午後6時半から全水道会館で開かれた論告弾劾集会には、150人の労働者・学生が怒りに燃えて結集した。
 富田被告団長は「国家権力は、われわれが1047名闘争の責任勢力となり、1047名闘争が日本労働運動の牽引(けんいん)車となることを阻止したかった。だが、弾圧にかけた国家権力の階級意思をわれわれは見事に粉砕した」と述べ、「動労千葉主催の2・16集会を引き継ぎ、1047名闘争の責任勢力に躍り出る」と断言した。また国鉄分割・民営化以来、動労千葉と連帯して闘いぬいてきた各被告の闘いについて明らかにし、「被告団は全労働者階級の団結の中に生き勝利する」と宣言した。各被告から、「こんな求刑でわれわれの闘いをつぶせるはずがない」という意気高い発言が続いた。
 鈴木達夫主任弁護人は、「被告の完全黙秘の闘いが検察を追いつめた」と述べ、「資本主義が最後の時を迎える中で、労働者の団結、階級的労働運動への恐怖がこの論告に現れている」と喝破して、論告を打ち破る決意を表明した。
 5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、無罪を実力でもぎりとり、JRによる解雇攻撃を阻止する新たな闘いに突入した。