2009年3月23日

反戦共同行動委 “ソマリア派兵許さぬ”呉現地闘争に100人

週刊『前進』06頁(2384号4面1)(2009/03/23)

反戦共同行動委 “ソマリア派兵許さぬ”
 呉現地闘争に100人が立つ

 「労働者はストライキで闘うぞ! 出兵命令を拒否し、自衛官もストライキに立とう!」「世界の労働者とともに世界革命に立ち上がろう!」。3月14日、反戦行動共同委員会が呼びかける海自ソマリア沖派兵阻止・呉現地闘争に全国から100人の労働者・学生が結集し、呉基地近くの岸壁(潜水艦桟橋)から怒りのシュプレヒコールを響かせた。
 午後2時に予定された出航を断固阻止すべく、午前11時から集会が開始された。レーダーを回転させ、出撃態勢に入っている護衛艦「さみだれ」「さざなみ」が見える。
 広島県労組交流センター代表が基調を提起し、今まさに世界中で労働者の首を切っている大資本家どもの利益を防衛するために、海自ソマリア沖派兵が強行されようとしていることを徹底的に暴露・弾劾した。
 被爆者青年同盟や百万人署名運動広島県連絡会は、「日本の国益を守る」ことを公然と掲げた派兵、それも他国の人民への武力攻撃を最初から自己目的化した派兵として、今次派兵の本質を鋭く弾劾した。
 正午から麻生や防衛相・浜田が出席する「出航式典」が始まると、集会のボルテージは怒りで頂点に達した。日教組教研集会での本部弾劾行動を闘い抜き3月不起立闘争に決起している広教組の青年教育労働者を先頭に、郵政民営化と闘う郵政労働者、医療労働者、民間労働者らが次々と弾劾演説をたたきつけ、自衛隊兵士に向かって熱烈にアピールした。
 関西の学生は「資本家どもが奪ったものを取り返す闘いを『海賊』と呼ぶなら、3・20は世界の労働者がみんな『海賊』になる日だ!」と熱烈にアピール。さらに全国からの発言が続き、全学連の安藤聡男副委員長(広島大)が3・20渋谷5000人デモへの決起を呼びかけた。
 午後2時、「さざなみ」「さみだれ」の出航が強行されると、抗議のシュプレヒコールは2隻が見えなくなるまで続けられた。その後、労働者・学生はデモに出発、呉地方総監部や海自呉教育隊の基地沿いに呉駅前までデモ行進した。
 見送りの家族の送迎バスがデモ隊の横を何台も通り過ぎ、「敵は麻生だ、資本家だ。労働者と自衛隊兵士・家族は団結しよう!」とコールを上げる。途中、警察は労働者学生と自衛隊兵士の合流・交歓を恐れ、機動隊による3重規制など不当な弾圧を加えてきた。この厳戒態勢を打ち破って貫徹されたデモは呉の街を席巻し、青年自衛隊員や自衛官家族との感動的な合流を実現した。

 第1章 体制内労組は闘争を放棄

 今回の派兵阻止闘争は、09春闘決戦と完全に一体となった、すぐれて階級的な革命的反戦闘争として闘われた。職場生産点で資本と非和解的に闘う階級的労働運動こそが戦争を阻止する力だ。逆に資本と闘わない体制内労働運動は、戦争を阻止できないどころか、進んで戦時国家体制の一翼を担うようになる。
 事実、ソマリア沖派兵という日帝の軍事侵略の決定的エスカレーションに対し、体制内労組指導部はひとりとして呉現地に登場しなかった。10人で現れた塩川一派は声も上げず旗だけ出して帰っていった。日帝が本格的侵略戦争に踏み切った瞬間に全体制内勢力が国益主義・排外主義にのみこまれ、戦争翼賛勢力となっているのだ。
 アメリカでは、オバマの振りかざす「バイ・アメリカン条項」をAFL−CIOの幹部が絶賛し愛国主義・排外主義にまみれた路線を現場組合員に強制しようとしている。体制内労組指導部の屈服と協力なくして、オバマの掲げる挙国一致体制は成り立たないのだ。問われているのは労働運動の路線である。この体制内指導部をぶっとばす階級的労働運動が力強く登場した時、戦争阻止・オバマ政権打倒のアメリカ革命は現実となる。
 3・20全世界一斉デモはそのための決定的な闘いだ。動労千葉の09春闘ストを先頭に「生きさせろ!」ゼネストを実現し、3・20全世界一斉デモで世界革命を開始しよう!