2009年3月30日

「君が代」処分取消請求訴訟 反動判決を弾劾する

週刊『前進』06頁(2385号2面6)(2009/03/30)

「君が代」処分取消請求訴訟
 反動判決を弾劾する
 屈服路線と決別し前進を

 3月26日、東京の「日の丸・君が代」不起立闘争をめぐる二つの裁判の判決公判が行われた。一つは、04年卒・入学式で不起立・不伴奏で戒告・減給処分を受けた都立校の教育労働者172人の処分取り消し請求訴訟。もう一つは、06年卒業式の不起立で停職3カ月処分を受けた根津公子さん、06年1月の創立30周年式典で停職1カ月処分を受けた河原井純子さんが処分取り消しを求めた訴訟。いずれも東京地裁民事19部の中西茂裁判長が、原告の請求を棄却する反動判決を下した。
 とりわけ停職処分に対する初の司法判断となった判決で、処分を合憲・合法としたことは、絶対に許すことができない。
 03年「10・23都教委通達」から6年。今春卒業式でも「日の丸・君が代」不起立は続き、都立高校だけでも2けたを超えた。こうした根強い抵抗闘争に、政府・文科省も石原・都教委も完全に震え上がっている。支配階級の不起立闘争への憎悪を体現した反動判決を徹底弾劾し、怒りも新たに闘いを広げよう!

 第1章 裁判唯一主義を突き破り闘おう

 この裁判闘争において被処分者の会の一部指導部と弁護士が果たした反動的役割を、徹底弾劾しなければならない。
 彼らはこの間、裁判所と中西裁判長への幻想を徹底してあおってきた。「中西裁判長の心証をよくすることが大事」と言い、原告の教育労働者に「意見陳述には、いかにすばらしい教師であるのかを示す教育実践を記せ」と指示して、猛反発を買いながらも、陳述を何度も書き直させた。現場の抵抗闘争を封じ込め、裁判長に同情を請うて「減刑」を嘆願する路線だ。自らの生き様をかけて闘いぬいた誇り高き被処分者をおとしめるのもいい加減にしろ!
 25日の判決日は、教育労働者を先頭に400人が裁判所に駆けつけた。反動判決の報を聞き、誰もが怒りをたぎらせた。にもかかわらず一部指導部は「シュプレヒコールで抗議しよう」という声を封じて裁判所前から解散させようとした。激しい怒りでシュプレヒコールをやらざるをえなくなったものの、「では3回だけ」。ふざけるな!
 彼らの職場闘争を放棄した裁判唯一主義こそ、被処分者を先頭にした教育労働者の闘いを困難に陥らせてきたのだ。屈服路線と決別し、職場から団結をうち固め、都教委と一体化した組合幹部をぶっ飛ばす闘いの先頭に被処分者が立とう!
 都教委と激突して不起立を継続しながら裁判を闘ってきた根津さん、河原井さんは、反動判決後の総括と決意も鮮明だ。根津さんは「不当判決は許せないが、この判決に対してみんながどう立ち上がるのかが課題。 『10・23通達』を撤回・破棄させる闘いをみんなでつくろう」と呼びかけた。河原井さんは「どんな勝利判決が出ても、私たちが日常生活で職場で具現化しなければ、すぐ紙切れになる。反動判決だって同じ。私はけっしてあきらめない。『10・23通達』をなくすまで闘いましょう」と訴えた。
 不起立で団結し、道州制・民営化攻撃と全面対決して闘うことこそ、反動判決への回答だ。根津さん・河原井さんへの処分を許さず闘いぬこう!