2009年4月 6日

新入生歓迎特集 300万学生は大恐慌に立ち向かおう 全学連委員長 織田 陽介 不当処分撤回・監獄大学粉砕 4・24法大解放総決起集会へ

週刊『前進』08頁(2386号1面1)(2009/04/06)

新入生歓迎特集
 300万学生は大恐慌に立ち向かおう
 全学連委員長 織田 陽介
 不当処分撤回・監獄大学粉砕 4・24法大解放総決起集会へ

 世界大恐慌が日々激化する中で、教育の民営化と戦争をめぐる学生たちの抗議の嵐が世界中で広がっている。88人もの逮捕者を出しながら不屈に闘う法政大学を先頭とする日本の革命的な学生運動は、その最先端を開く闘いだ。全国の大学の新入生諸君へ、全学連・織田陽介委員長からの熱いメッセージを送る。(編集局)
 300万の学生のみなさん、とりわけ新入生のみなさん! 親のリストラや学費の高騰、寮の廃止によって学生は教育を奪われ、大失業・内定取り消しによって未来まで奪われている。そして、大学を監獄化し、学生を商品と化して団結を破壊し、学生から搾り取って放り捨てる、一言で言って「全国大学の法大化」として、教育の民営化=道州制攻撃が狙われている。学生はこんな攻撃に屈していいのか。教育を取り戻せ! 世界大恐慌に対して立ち向かう300万学生の大反撃として「不当処分撤回! 監獄大学粉砕! 4・24法大解放総決起集会」を大爆発させよう!

 第1章 ついに情宣活動禁止

 88人のデッチあげ逮捕、22人の起訴、退学・無期停学処分、ビラまきも看板も集会も禁圧された法政大学の監獄化は、ついに裁判所と結託した「情宣活動禁止等仮処分命令」にまで行きついた。学生を「確保」するための「営業権」の侵害であり「回復し難い甚大な損害が生じる」として、オープンキャンパスにおけるビラまき等、表現活動の一切を禁圧したのだ。法大資本は、処分撤回の訴えに対して、数十人の暴力ガードマンと暴力職員を雇い、集会についてはキャンパス中央広場を封鎖して圧殺をはかってきた。たった数人であろうと、処分撤回闘争に立った文化連盟の仲間の闘いが学生の団結を回復し、法大資本の暴力的学生支配をぶち破る力を持っている証左だ。4月24日、キャンパス封鎖や暴力ガードマン、それをも超える妨害があろうと、中央広場を埋め尽くす学生1千人の結集が、正義を貫いたがために大学を追われた学生を取り戻し、大学がその本質を取り戻す歴史的事件となる。あなたはその主人公だ。
 4・24は第一に、「営業権」を語って教育を破壊する法大当局のあり方、そしてその全大学への拡大としての教育の民営化=道州制を粉砕する全学生の闘いである。

 第2章 大学は「営業」の場か

 「営業権」とはよくぞ言ったものだ、法大総長増田よ! 教育機関の仮面もかなぐり捨て、利潤追求の自由という資本家の権利を叫んでいる! この「営業権」のもとで何が行われてきたか? 人件費は02年からの5年間で14・8ポイントも削減された。多くの職員が解雇され、教員1人あたりの学生数は43・9人と大学では最低レベルとなった。教職員は半年で解雇される派遣労働者に替えられた。新しい価値や文化を生み出すはずの大学で、声すら上げられない労働条件が強制されるなど、あっていいはずがない!
 さらに学費は123万〜177万円にもなり、親には「寄付金5万円、4口以上」などと迫る。払えない学生には奨学金を借りさせる。月12万円を4年間、3%の利子で借りると775万円だ。奨学金を「無職・低賃金」などで返済できない学生がこの数年で4倍に跳ね上がった。「教育」を語れば学生も親も、バイトや借金をしてでも金を出すというのが法大資本の本音だ。未来の賃金まで奪い取り、就職できない学生には「エンプロイヤビリティ(雇われる能力)がない」とののしり、奨学金返済の「誓約書」まで書かせる。就職内定取り消しに対しては「10万円でもう1年いられる」とあくまでビジネスチャンスを見いだす。何が「回復し難い甚大な損失」だ。徹底的に搾り取られ、使い捨てられ「甚大な損失」を被っているのは学生の方だ!
 そもそも法大資本の「損失」など自業自得である。法大資本は教育を商品化し、「大学に入らないと就職できない」という脅しで学費を高騰させてきた。大恐慌になって学生が国立大学に流れ、もしくは進学をあきらめるや、その構造が破産しているのだ。あげく653億円もの学費を資産運用に投じ、昨年3月段階で8億6千万円もの損失を出している。リーマンショックから半年、この損失がいくらにふくれあがっているのか。まさに新自由主義大学という名にふさわしい金もうけをしてきた法大資本の破産だ。学生へ責任を転嫁するな!
 自民党と日本経団連は「教育の自由化」を掲げ、貪欲(どんよく)な資本に教育を解放しようと、道州制を"全国の大学の法大化"として進めようとしている。すでに東北大学や富山大学などで寮生の自治と団結を破壊する廃寮攻撃や、寮を民営化し金もうけの対象にする攻撃が始まっている。しかし教育でもうけようという発想自体が百パーセント間違っている。学生は資本とは非和解だ。資本家階級に教育を語る資格も能力もない。学生が大学の主人公になろう! 教育の民営化=道州制粉砕! 全国大学の法大化を許すな! 正義を貫いたがために愛する母校への入構をガードマンに阻止されている処分された仲間を実力で大学に取り戻し、増田独裁体制が私物化してきた大学を取り戻す、それが4・24だ。4月は全世界の学生が「教育を取り戻せ!」を合言葉に行動に立ち上がる。すべての学生は法大闘争に立て!

 第3章 大恐慌と戦争に対決

 そして第二に、大恐慌に対して改憲・侵略戦争と首切り、民営化・労組破壊を進める帝国主義への大反撃だ。
 米大統領オバマは「アフガン・パキスタン包括戦略」を発表し、帝国主義戦争へのさらなる決意を示した。UAW(全米自動車労組)に一層の屈服を要求してGM再建計画をはねつけ、金融サミットには保護主義政策をもって臨んだ。各国帝国主義が決裂したG20は世界戦争の時代の幕開けとなった。日本帝国主義はソマリア沖での自衛隊の武装展開を開始、さらに「北朝鮮のミサイル」への迎撃体制で戦争的機運を高め、国会では共産・社民を含む全会一致で北朝鮮非難決議があがるという異様な空気が覆っている。
 アメリカでは、高校が軍隊への生徒名簿提出を拒否すると、補助金をカットされるという攻撃が始まった。道州制攻撃は、新自由主義大学の破産的な赤字を戦争衝動へと転化する、再びの学徒動員の攻撃である。
 何より、国鉄分割・民営化型の公務員労働者360万人のいったん解雇・選別再雇用の攻撃で、自治労・日教組の現場組合員の団結を破壊し、労組幹部を屈服させる攻撃だ。国鉄分割・民営化の時に率先して首切りに協力したJR総連カクマル・松崎は「社会主義はすぐにはできない。労働者は理想を食っていけないから軍需産業でもやる」と語っている。民営化と闘えなければ帝国主義戦争と対決することはできない。逆に、このときストライキで立ち上がった動労千葉は「労働者はストライキで戦争を止める歴史的任務をもっている」と訴え、今も団結してストライキを闘っている。戦争が学校から始まる以上、これと対決し止めることは可能だ。動労千葉を先頭にして連綿と闘い抜かれている国鉄分割・民営化反対闘争--1047名解雇撤回闘争に大合流して、戦争と民営化に立ち向かう学生運動をまき起こそう!

 第4章 ともに革命をやろう

 第三に、300万学生が団結を回復し、帝国主義世界支配に内乱的反撃をたたきつける闘いだ。
 この間起きていることは、貪欲な資本主義の欲望が戦後憲法を粉砕したことだ。新自由主義政策の破産は、世界中の労働者を「生きさせろ!」のストライキ闘争へと立ち上がらせ、法大でも学生の革命的闘いを生み出した。私たちは、逮捕や処分を覚悟するたびに生き方をかけて団結し、弾圧を打ち破ってきた。法大資本は「表現の自由」を幻想的妥協的に規定した戦後憲法的支配の変更を迫られ、裁判所に「憲法を踏み破れ!」と要求したのである。改憲は、労働者階級人民が内乱を対置すべき革命情勢だ。
 FRB(米連邦準備理事会)の国債買い取りへの踏み切りと労働者の大量解雇で「3月危機」をなんとか回避した帝国主義は、一方でドル暴落とますます巨大な恐慌を準備し、他方で労働者階級の怒りと労働運動・学生運動の復権の条件をつくり出している。
 私たち学生は徹底的に競争させられ、団結を奪われてきた。大学では刺殺事件や放火という形で"秋葉原情勢"が生まれている。団結を求める学生によって大学生協で『蟹工船』が売れている。「1人の仲間も見捨てない」と仲間の処分に対して立ち上がってきた処分撤回闘争は、300万学生にとって団結を回復する待ちに待った歴史的闘争である。仲間へのみせしめに怒りを燃やし、1千人集会で団結を取り戻そう! 団結して生きる無限の可能性をつかみ取ろう。4月24日は、抗いがたい魅力をもって引き返せない革命的な人生へと踏み出すにふさわしい日となるだろう!