2009年4月20日

法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧 被告人質問 法廷が「革命の演壇」

週刊『前進』06頁(2388号6面2)(2009/04/20)

法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧
 4・24法大闘争を訴え
 被告人質問 法廷が「革命の演壇」に

 4月14日と15日の2日間、東京地裁刑事16部と15部において、5・29法大デモ弾圧裁判の公判が開かれ、4・24法大集会に向けたキャンパスの闘いと一体で、法廷を「革命の演壇」と化す闘いがかちとられた。

 第1章 教育の民営化に次々と怒り

 それぞれ3回にわたる公判廷での被告人質問のしめくくりとして、第2グループの仲井祐二君(富山大学)と田中藤男君(東北大学)、そして第1グループの原田幸一郎君(京都大学)、中島敦史君(広島大学)、野地川泰介君(同)がそれぞれ証言に立った。
 仲井君は、国立大学の独立行政法人化の中での富大当局による学生自治破壊攻撃と先頭で闘ってきた経験を述べた。
 独法化攻撃は06年3・14法大弾圧と軌を一にして進められた。ブルジョアジーが大学の権力を握りひたすら利潤追求するなかで、ビラまきや演説の禁止、学長権限での学生団体解散などが次々と打ち出された。寮生とともに闘うなかで、学生は攻撃に易々と屈服する存在ではなく、団結し立ち向かう存在であることをつかみ闘ってきた。
 仲井君は、「先日富大当局はキャンパスに公然と公安警察を招き入れ、新歓闘争破壊と自治会室撤去を狙ってきた。教育の民営化に対し、新入生が怒りをもって立ち上がっている。親のリストラや奨学金の削減に対して『生きさせろ!』の怒りが噴出している。新樹寮の廃寮化攻撃を絶対に許さない。4・24法大集会は学生の反乱が世界の闘いと結合して世界革命へと進む闘いだ。国家権力は震え上がるがいい」と断固たる戦闘宣言を発した。
 田中君は、東北大学学生運動を先頭で闘ってきた歴史を述べつつ、労働者階級自己解放の思想であるマルクス主義を手にしたことの決定的意義を明らかにした。
 「現代は労働者階級が工場・職場を占拠し、奪われたすべてを取り戻す時代だ。その時にブルジョア法秩序にしがみつき『建造物侵入』などとわめくことは歴史の中でどれほど恥ずべき行為であることか。私は共産主義者として労働者階級の解放のために『秩序』などぶっとばす。5・29戦闘など過去のエピソードになるような闘いを4・24闘争で実現する」と決意を述べた。

 第2章 全被告の団結で証言を貫徹

 原田君は、高校時代に非常勤職員の首切りを目の当たりにし、校長らのもとに押しかけて撤回を求めたのが闘いの原点だ。管理職らが「話は聞いた」「今の社会では仕方ない」と居直る姿に憤った。京大入学後、小泉政権のもとでの有事立法攻撃と戦争国家化と闘うなかで、階級対立が一切の根底にあること、労働者階級の団結こそが未来を切り開くことを実践をとおしてつかみ、3・14弾圧以降の闘いに決起してきた。「ブルジョア支配のもとでは労働者は生きていけない。6000万労働者階級とともに法大当局・資本を打倒して革命に勝利する」と述べた。
 野地川君は、かつて法大を訪れ学生会館で法大生と交流を深めてきた経験から、3・14法大弾圧を自身への攻撃としてとらえ、昨年5月以降の文化連盟の決起にこたえるために法大に駆けつけて5・29戦闘を闘いぬいた。「法大闘争は、自分自身を取り戻す闘いでもあった」と、団結に生きる立場を鮮明に述べた。
 中島君は、新聞奨学生をしながら全学連が闘っている広島大学を志した。派遣労働者の時に参加した有事法制反対集会で、法大生・内海君の「革命に向かって進撃しよう」とのアジテーションにふれたことが決定的な転機だった。入学後、学生会館解体攻撃を許さず法大に駆けつけるなかで「一人のために全員が闘う」ことの決定的意義をつかんだ。「不当な勾留、拘置所での懲罰攻撃をすべて打ち破って勝利した。戦争と民営化と対決する労働運動、学生運動を切り開くことが私の闘いだ。4・24闘争の爆発で新たな社会を必ず切り開く」と被告席全員の決意を体現して証言を貫徹した。

 第3章 証人採用拒む裁判長を追及

 各公判での被告人質問終了後、稗田、後藤両裁判長が法大総長・増田壽男の証人採用を「必要ない」と決定したことに対し、弁護人と被告人は徹底的な弾劾をたたきつけた。
 なぜ必要ないのかさえも明らかにしようとしない態度に繰り返し弾劾がたたきつけられる。後藤裁判長が「理由は閉廷後に弁護人との打ち合わせで言う」とつぶやくと、中村真之君は「裁判を密室で進めようとする後藤裁判長のやり方こそ裁判員制度の先取りではないか。法大当局は倉岡雅美さんに対し『総長宅へのデモ』を理由に新たな処分を下した。法廷に出てくることさえも拒むことなど断じて許さない」と追及した。
 一方「理由を言う必要はない」とあくまで居直る稗田裁判長に対し、内山佳久君が立ち上がって発言した。「冒頭意見陳述で述べたとおり、この裁判で裁かれるべきは警視庁公安部と結託して『革命妨害罪』に手を染めた法大増田総長だ。追及されるべき増田を法廷に呼ばないということは、裁判所がこの権力犯罪の一端を担うと態度表明したに等しい」と弾劾をたたきつけた。
 4・24闘争の大爆発をかちとり、次回公判に予定されている論告求刑攻撃を粉砕しよう!