2009年5月18日

全逓戦線に“第2の動労千葉”を JP労組中央倒せ 革共同全逓委員会

週刊『前進』06頁(2391号2面1)(2009/05/18)

全逓戦線に“第2の動労千葉”を
 JPEX子会社化と全面対決し「スト絶滅」のJP労組中央倒せ
 革共同全逓委員会

 世界大恐慌の止めどない深まりの中で、日帝・郵政資本は道州制攻撃と軌を一にする”第2の郵政民営化”攻撃として、小包部門の子会社化=JPEX(JPエキスプレス)への強制出向攻撃を発動し、全逓労働運動の解体に総力を傾けている。そしてJP労組中央が、このすさまじい労働強化と合理化計画を現場に強要する先兵として立ち現れている。4大産別決戦と全逓労働運動の帰趨(きすう)をかけた決戦である。米帝オバマ政権、日帝・麻生政権と真っ向から対決する6・14中央政治闘争、6・14—15連続闘争の大爆発をかちとり、郵政民営化絶対反対、民営郵政打倒、JP労組中央打倒の路線と闘いをかけて、6・17〜19JP労組大会(仙台)闘争を全国の全逓労働者の総決起で闘いとろう!

 第2次国鉄決戦を軸とした4大産別決戦が革命への道

 資本主義は終わった。労働者が権力を握る時代がやって来た。世界金融大恐慌は加速し、実体経済は大崩壊を始めている。世界のブルジョアジーは震え上がり、大量解雇と大幅賃下げ、巨額の財政出動と大増税などで、一切の犠牲を労働者階級人民に押しつけ延命しようとあがいている。
 しかし大恐慌は労働者階級の根底的な怒りの爆発に転化しつつある。全世界でスト、工場占拠、街頭デモが爆発している。世界大恐慌情勢をプロレタリア世界革命に転化する条件は急速に成熟している。
 闘う労働組合とマルクス主義をよみがえらせ、日帝の〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉攻撃との全面対決を第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦として貫く中に、日本革命=世界革命の展望がある。JPEX決戦を始めとする全逓労働者の闘いは、日帝・総資本との全面的な対決であり、4大産別決戦の重要な環である。

 革命と反革命の激突始まる

 大恐慌のもとで階級情勢は急速に煮詰まっている。日帝・麻生政権は、一方でソマリア沖派兵、北朝鮮「人工衛星ロケット」発射に対する「迎撃」体制の発動、改憲へと大きくカジを切り、他方で道州制によって公務員360万人の全員解雇—選別再雇用と労組破壊、全面的な民営化攻撃に踏み込んでいる。革命と反革命との激突は始まっており、労働組合と労働運動を階級的に復権することに日本革命の未来はかかっている。その鍵を握るのが第2次国鉄決戦と4大産別決戦だ。
 かつての侵略戦争は「学校と役場から」始まった。日帝はここを反革命的に制圧し、4大産別の労働組合を侵略戦争の先兵として現代版の産業報国会(注1)に組織しようとしている。それをテコに、労働組合を始めすべての組織と運動を一掃し、未然に革命を圧殺しようとしている。
 この攻撃をはね返し、第2次国鉄決戦を基軸とした4大産別の労働者が全存在をかけて立ち上がるかどうかが、日本革命の分岐点なのだ。
 戦後、日帝は労働者階級の闘いとプロレタリア革命の恐怖から国独資政策(注2)を採用し、「大きな政府」をつくった。しかしそれは、膨大な公共部門の労働者をブルジョア独裁の権力機構の内側に抱え込むことになった。戦後の労働運動史は、4大産別の労働者の闘いをめぐる激突を展開軸としてきたのだ。
 いま体制内労働運動幹部が決定的に変質し、裏切りと屈服を深めているが、労働者の抵抗と闘いは脈々と受け継がれている。新自由主義の全面破産が大恐慌として爆発した今、支配階級は4大産別を先頭にした階級的労働運動の復権におののいている。
 1月15日、日本経団連と連合は「労使共同宣言」を締結した。さらに3月23日には政府を加えた「政労使合意」を交わし、ストライキをやらせないことで合意した。JP労組中央はこの直後に「スト絶滅宣言」まで出している。この労使共同宣言体制を打ち破り、ストライキを復権させることが日本革命勝利の扉をこじ開けるのである。その最大の突破口が第2次国鉄決戦なのだ。
 国鉄分割・民営化は、新自由主義攻撃の出発点であり、革命と反革命との激突の始まりだった。分割・民営化攻撃との闘いは、動労千葉を先頭とする革命派と、動労カクマルを先兵とする反革命との激突をとおして展開された。国労指導部に巣くった旧社会党系のグループや日本共産党系の革同は、分割・民営化との闘いから逃げた。そして総評解散—連合結成に行き着いたのである。
 この国鉄分割・民営化と真っ向からストライキで対決したのが動労千葉だ。この闘いが「解雇撤回」を掲げて20年を超える大争議を闘いぬく国鉄1047名闘争を生み出した。
 この国鉄1047名闘争の解体か全階級への発展かの分岐点が訪れている。4者4団体が「解雇撤回」を投げ捨て、「政治解決」の名による全面屈服を組織しているが、これを許すことは、戦前の産業報国会の道なのである。
 国家的不当労働行為と闘ってきた鉄建公団訴訟で3月25日、東京高裁は、民営化に反対した労働者への「解雇の自由」を認めるという、憲法すら否定する極悪の判決を下した。これは公務員労働者360万人全員をいったん解雇する道州制攻撃の先取りだ。4者4団体派の裏切りを粉砕し、4大産別を先頭に階級的労働運動を復権させる闘いは、労働運動全体の帰趨がかかった攻防なのだ。
 これらの日帝・麻生政権とブルジョアジーの侵略戦争と階級戦争の攻撃に対し、総反撃をたたきつけなければならない。6・14中央政治闘争は、労働者階級が産別や職場の枠を越えて日帝・麻生政権との全面的な対決に踏み出す闘いである。全逓労働者はその最先頭で闘う決意だ。

 民営郵政資本を追いつめる動労千葉派の労働者の闘い

 全逓委員会は、4大産別決戦の先頭で闘い、全逓労働運動に断固として”第2の動労千葉”の旗を打ち立てるために総決起する決意である。
 07年10月に強行された郵政民営化は、新会社発足当初から破産に次ぐ破産をくり返している。2万4千人削減計画のもとで、圧倒的な要員不足による誤配・遅配は日常化し、交通事故も多発している。鳴り物入りで開始された「トヨタ方式」のJPS(同じ時間で3倍働かせるマニュアル)は、早くも現場では過去の遺物となった。御用組合幹部の裏切りにもかかわらず、現場労働者の抵抗は、郵政資本の思惑を大幅にうち砕いている。
 こうした事態を生み出している階級的闘いの核は、動労千葉派の存在と「民営化絶対反対」の闘いだ。連合・JP労組中央が完全に闘いを放棄する中、職場生産点で原則的闘いを貫く動労千葉派は、郵政職場での主流派、情勢決定要因として登場しつつある。
 動労千葉派への支持は着実に拡大している。われわれは、現場労働者に社会を変革する偉大な力があることを知っている。そして圧倒的な労働者が、自らが社会の主人公であることを急速に自覚しつつある。わが動労千葉派があらゆる職場で労働者を獲得するチャンスである。
 大恐慌のもとで、2000万青年労働者、6000万労働者の怒りは、必ずやわが動労千葉派と大合流するだろう。ここに圧倒的確信をもって闘いを推し進めよう。

 JPEX出向反対の意思を現場労働者全員の行動へ!

 全逓労働運動は決戦のただ中にある。郵政民営化が本格的段階に突入し、JPEX子会社化・強制出向の攻撃が現場労働者に襲いかかっている。全逓労働運動を壊滅させるための”第2の郵政民営化”攻撃である。
 JPEXへの出向攻撃は、今後5〜6年にわたる大合理化・大量首切り攻撃として継続される。年間労働時間は、これまでの1968時間から「最大2680時間」となる。現場の「自己責任」で事実上の無制限労働が強要される。賃金は固定給の廃止で「成果報酬型」となり、「働きの悪い社員」の賃下げが公言されている。「病気休暇」や「冬季・年始休暇」「定期昇給制度」も廃止。現場の労働者同士を競わせる「組織管理」政策、すなわちヤマト運輸に倣ったSD(サービスドライバー)方式の導入も明記された。SD職の年収も現在の賃金と比べ200〜300万円の賃下げとなる。時給制契約社員の場合は、フルタイムでも年収250万円以下だと公言されている。
 また会社が提示した業務内容表によれば、JPEXでは極端な変形労働時間制も導入される。競争に明け暮れる運輸業界で既成事実になっている問題だが、繁忙期には一日8時間を超えて労働時間が増えても、超勤手当等を出さずに実質的なサービス残業を強要するシステムだ。そして残った郵便事業の現場は、徹底的なリストラ・合理化が準備されている。
 このようにJPEX子会社化は、何から何まで労働者を奴隷のように働かせ、「いやなら辞めろ」という、労働者をなめきったデタラメきわまる攻撃なのである。
 日本郵政グループ子会社の日本郵便輸送会社(旧日逓)は、4月27日、東京・中野営業所で働く「集荷パート臨時社員」(コンビニ集荷)の14人の労働者に対し、突然「5月31日で契約満了、更新はしない」なる雇い止め=解雇を通告してきた。これとの闘いが現場で非和解的に進められている。
 JPEXへの強制出向の大部分は非正規職に集中している。すべての全逓労働者は、今こそ正規・非正規の分断を打ち破る時だ。
 問題はJP労組中央の対応だ。民営郵政が生き残るためには首切り・賃下げもOK、長時間労働は当たり前、定年まで働く従来のあり方すら自ら否定するぶざまな転落ぶりだ。そして決定的な問題は、強制出向を労組幹部自らが組合員に強制しようとしていることだ。実はJPEX子会社化・強制出向攻撃とは、このJP労組中央の積極的同意があって初めて成り立つ攻撃なのだ。JP労組中央は、今や資本の忠実な手先、戦争・改憲と民営化・労組破壊の推進者に転落した。
 現場の労働者が団結すれば、子会社化それ自体が破綻する以外にない。ここが敵の弱点だ。今こそ御用幹部を打倒し、組合の団結を現場労働者の手に取り戻すために立ち上がろう。
 われわれは労働者の階級性を日々実感している。JPEX子会社化・強制出向攻撃との闘いこそ主流派として躍り出る絶好のチャンスだ。仁王立ちして民営郵政当局と対決しよう。先進的に闘う職場では、JPEX子会社化の「意向確認」攻撃に対し、①現場の全員が「郵便事業会社を引き続き希望する」を選択しよう、②労組執行部は全員参加の職場集会を開け、③支部・分会で「JPEX子会社化反対」の意思表示をせよ、④全員一丸で行動しよう、などの行動綱領が職場全体を揺るがし始めている。すべての職場で、JPEX子会社化・強制出向攻撃への怒りを解き放ち、資本と御用組合執行部を徹底的に追いつめよう。
 JPEX子会社化の正式な承認の場になろうとしている6・17〜19JP労組大会を、全国の現場労働者の怒りで包囲し、JP労組中央打倒の闘いを大きく前進させよう。全逓戦線にマル青労同の強力な部隊を組織・拡大しよう。
 米帝オバマ政権打倒・麻生政権打倒の6・14中央政治闘争、6・14—15連続闘争に産別の枠を越えて全労働者は総決起しよう!
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 これがJPEXの実態


6、業界初の「多様な働き方」モデル企業へ
 JPEXで働くモチベーションやインセンティブを高めるためにも、業界初の「多様な働き方」モデル企業となることを勧めたい。
 学校を卒業してから定年まで、ずっと決められた勤務時間を働く生き方ではなく……ある時期は短時間で、そしてある時期は目一杯長時間働く。

7、SD制、「小集団活動組織」の導入
 ヤマト運輸はSD(セールスドライバー)方式による5〜8名の小集団活動組織を導入しており、グループ間の競争と組織管理を行っている。
 この小集団組織活動によって、経営への参加意識が高まる、グループ間の競争意識が出る、グループは「独立採算」で責任を明確にする……。(JP労組第3回中央委員会「追加議案」の付属資料より)

●解説 驚くべきことに、これは会社の資料ではなく組合執行部が出した資料である。
 「6」は、労働者階級がかちとってきた「8時間労働制」を解体し、変形労働時間制を導入しようとしている。資本の都合で労働者の首を切ったり極限的な長時間労働を強制するということだ。これは職場全体の非正規職化攻撃として進む。
 「7」は、SD方式なる「独立採算」「自己責任」の小集団組織によって労働者を分断し互いに監視させ、果てしない競争に追いやろうとしている。ヤマト運輸や佐川急便との競争に勝つために、ヤマトや佐川の労働者以上の労働地獄にたたき込むということだ。