2009年5月25日

韓国・大田労働者大会 貨物連帯など2万人

週刊『前進』06頁(2392号3面6)(2009/05/25)

韓国・大田労働者大会
 貨物連帯など2万人
 戦闘警察を徹底的に粉砕

 韓国中部の大田(テジョン)で5月16日、貨物連帯(全国運輸産業労組貨物連帯)総会と、全国労働者民衆大会が開かれた。貨物連帯総会に集まった全12支部、1万5千人の組合員は、契約を解除された大韓通運宅配ドライバーの原職復帰、運賃削減撤回、労組の承認と労働3権保障などを求めゼネストを決議。集会後は警察と激突し、イミョンバク政権と資本への怒りを爆発させた。
 宅配便などトラック運転手は「個人請負」を理由に労働3権が認められず、劣悪な労働条件を強いられている。韓国ではこの問題が、非正規雇用問題と並んで労働運動の一大焦点となっている。この中で、大韓通運光州支社の仕事を請け負っていたトラック労働者78人が携帯メール1本で集団解雇される事態が発生、これとの闘いの過程で貨物連帯光州支部のパクチョンテ支会長が、大韓通運大田支社前で自ら命を絶つ事態となった。
 支会長を死に追い込んだ張本人は、大韓通運を昨年買収した錦湖(クムホ)グループだ。アシアナ航空をはじめ化学、建設、運送など約120の系列会社を持つ大資本で、物流運送業界1位にのしあがった。それが、運送料30ウォンの値上げも反故にし、搾取を極限まで強めた。その結果が支会長の死である。
 今回、こうした資本と政権への全労働者の怒りが爆発した。総会で支会長の妻は「今日はうっぷんを晴らしにきたのではない。皆さんの唯一の道である全面ストで勝利を」と訴えた。全国労働者集会では民主労総のイムソンギュ委員長が、6月5日からのゼネストの日程を繰り上げると発表、圧倒的な拍手で迎えられた。鉄道労組、建設労組、貨物連帯など運輸労組も共闘を宣言、建設労組も既定のスト方針を合流させると表明した。
 集会後、参加者は大韓通運へデモ行進。警察の阻止線を突破して糾弾集会を行った。そしてデモ解散の過程で警察が襲いかかり457人を連行、宣伝カー12台が押収され、負傷者も多数出る激しい戦闘となった。
 民主労総の仲間は久しぶりに手に竹ざおを持ち、戦闘警察を粉砕した。5〜6月民主労総総決起の一大号砲である。