2009年6月 1日

再審へ5・23狭山集会(広島、大阪、東京)

週刊『前進』08頁(2393号6面1)(2009/06/01)

再審実現へ5・23狭山集会(広島、大阪、東京)

 「石川一雄さん不当逮捕46カ年糾弾、狭山第3次再審闘争勝利、5・23狭山集会」が広島、大阪、東京で一斉に開催された。昨年の10・31集会をこの3地方でかちとってから半年、西郡住宅闘争と狭山闘争を両輪とする部落解放闘争が飛躍的に前進している。5・23狭山集会は、八尾北医療センター弾圧、法大学生弾圧への怒りをもバネに成功をかちとった。

 広島 福島町に闘う火柱 旧与田派は5・23闘争放棄

 広島の集会は、広島市西区福島町の地域福祉センターで開催された。定員50人の会場に闘う労働者、学生を中心に75人が集まり、闘う団結の熱気が覆った。集会後は福島町の住宅の間を通るデモ行進を行った。権力に屈服し「広島差別事件」なるものをデッチあげて労働者階級を分断しようとする全国連本部派の敵対を粉砕し、ついに福島町に闘う部落解放闘争、住宅闘争の火柱が立った!
 集会は同時に、法大大弾圧をぶっとばし、6・14−15総決起を誓い合う労学の圧倒的団結をうち固める闘いとなった。
 集会は、まず石川さんの5・23メッセージの読み上げから始まった。そして、全国連西郡支部と八尾北労組のアピール、戦前の水平社運動弾圧にも使われた暴処法を適用した法大大弾圧と闘う全学連の中島敦史君(5・29法大弾圧被告)の熱烈な特別アピール、広島解放共闘議長を務める広教組の仲間からの基調提起に続いて、4大産別を中心とする労働組合、車いすでかけつけた反戦被爆者の会の大槻泰生さんを始め、広島星野さんを救う会、広大解放研、婦人民主クラブ広島支部などが続々と決意表明を行った。登壇して発言した労働者、学生は実に20人をこえ、集会は予定を30分もオーバーしたが、階級的団結を固める感動的な発言が次々と行われ、あっという間であった。
 西郡支部と八尾北労組は、2・26強制執行実力阻止闘争の勝利の核心が強固な階級的団結をつくりあげたこと、この団結の拡大と強化のみが、住宅闘争に勝利し、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃をうち破る唯一の道だと鮮明に提起した。
 地元福島町で住宅闘争を闘う労働者が、職場の労働組合員とともに晴れやかな笑顔で登壇、労働者の団結で勝利するときっぱりと決意を表明し、満場の拍手が巻き起こった。すべての参加者が、差別・分断をうち破って労働者が一つの階級として団結することのすばらしさに感動した。これこそが階級的労働運動であり、真の部落解放闘争だ。広島解放共闘は、階級的団結の砦として新たな躍進を開始した。
 これとまったく対照的だったのが、革共同から除名された旧与田派残党らを中心とする全国連本部派である。彼らは何と5・23狭山闘争をほうり投げ、関西や関東からの「応援」まで得て、やっと10人ちょっとで解放共闘の集会場前に恐る恐るやってきた。ところが集会防衛隊に一喝され黙り込むのみ。シュプレヒコールのふりだけのアリバイ写真を撮り、集会開始の30分以上も前に逃げ散った。仰々しく全国から人をかき集めてやった「6・1真相報告集会」なるものから1年。旧与田派残党の「広島差別事件糾弾闘争」なるものは、その反動的政治性、デッチあげ性ゆえに、糾弾する主体自身に何の怒りもなく、完全に崩壊してしまったのである。
 広島の労働者、学生、闘う人民は、6・14−15総決起から8・6ヒロシマへ、あらゆる体制内反動派との党派闘争を激しく闘いぬき勝利する。
 (投稿/広島・W)

 大阪 西郡弾圧破り200人 関西解放共闘再建を準備

 関西集会は初の全国連西郡支部・八尾北医療センター労組・関西労組交流センター3者共催となり桂人権コミュニティーセンターに200人の労働者・学生が結集した。
 集会は、辻西幸子西郡支部書記長の「今が声を出すとき。団結を大きく弾圧をはね返す力を蓄えながら闘おう」との開会のあいさつで始まった。
 基調報告は八尾北医療センター労組委員長・藤木好枝さんが行った。
 法大と八尾北への弾圧はひとつだ。社会の根底的変革を求める団結が敵を追いつめ、むきだしの国家暴力を発動する以外なくなっている。一段と革命情勢が深まった。労働者の団結ではね返そう。石川一雄さんの5・23アピールに応え、われわれこそが狭山責任勢力となり狭山闘争を再確立しよう。石川さんは権力打倒に燃え屹立(きつりつ)している。戦争と革命の時代だからこそ狭山は決定的な闘いだ。動労千葉の闘いは、階級闘争の最深部で74年日比谷11万人結集を引き継ぎ寺尾無期攻撃をのりこえる団結をつくってきた。森本政二さんと西郡支部が決起し八尾北労組がストを打ち抜いた2・26闘争こそ、ついに差別分断を打ち破って階級的団結をつくり出した。狭山再審は革命の要求、世界は革命情勢だ。勝利の鍵は国鉄1047名闘争を先頭とする4大産別決戦だ。6・14—15総結集を。狭山と住宅を両輪に部落解放闘争の大前進をかちとろう——。藤木委員長の提起で闘いへの圧倒的な確信が生み出された。
 その後、5・12八尾北不当家宅捜索弾劾のDVDが上映され、闘いの報告と決意表明に移った。つれあいとともに登壇した森本さんは「国家権力には負けない、何ひとつ怖いもんはない」と新たな戦闘宣言を発し、供託者は住宅闘争と八尾市を追いつめる裁判闘争への決意を語り、両者に熱烈な拍手が巻き起こった。
 そして、八尾北命と健康を守る会会長の高橋進さん、法大弾圧と闘う全学連の学生、高槻医療福祉労組団結速報グループ、森精機とプレミアラインによる解雇と闘う関西合同労組大阪東部支部の発言が続いた。主催者の関西労組交流センターを代表し平沼和典さんが「狭山闘争は国家権力と非妥協の闘いだ。資本主義は終わりだ。労働者が社会を動かしているし、労働者は団結できる。革命へ6・14—15へ総決起しよう」と訴えた。
 末光道正西郡支部事務局長が「動労千葉−狭山・西郡−法大、ここに世界革命の火柱がある。4大産別決戦の勝利で革命に転じよう」とまとめ、6・14—15へ、西郡支部青年部の音頭で団結ガンバローを三唱した。
 西郡支部と八尾北労組は、同時開催の東日本と広島の集会に代表を送り全体に責任をとった。関西集会は、塩川派と旧与田派残党によって破壊された関西解放共闘の再建を準備するものとなった。
 (投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)

 東京 国家権力糾弾貫く 杉並支部が闘争アピール

 東京集会は、品川の南部労政会館で開催され部落解放同盟全国連合会西郡支部、杉並支部、品川支部を先頭に労働者・学生136人が結集した。
 集会に先だち、2・26森本政二さんへの住宅追い出し強制執行実力阻止闘争の記録を上映、森本さんの勝利宣言を全員で共有した。主催者あいさつで東日本解放共闘議長の田中康宏動労千葉委員長が、「資本、権力との闘いに自らを投入するときすべてが鮮明に見えてくる。差別をのりこえ団結する力を獲得する。それを西郡と石川さんの闘いが示してくれた」と感動的に語った。
 石川さんの5・23メッセージが紹介された。「『真実と正義は必ず勝つ』の確信と信念は不変」とした上で、「狭山再審闘争は最大の山場を迎え、勝敗の分岐点でもある」から「再審実現のため全力で活動を」と支援者の奮起を促すものだった。これを受けて杉並支部が渾身(こんしん)の力を込めて狭山闘争アピールを行った。
 「この1年は旧与田派が牛耳る全国連中央の権力への屈服−転向をうち破って解放共闘が狭山闘争を引き受けて闘い前進した」と総括し、全国連中央が糾弾闘争を「要求を実現する手段」などと既成解同と同じく体制内的にねじ曲げていると痛烈に批判。「狭山闘争解体攻撃をうち破り差別裁判糾弾闘争を貫こう」と呼びかけた。資料をもとに、事件発生から部落への見込み捜査、石川さんのデッチあげ別件逮捕、再逮捕、自白の強要、起訴に至る過程と石川さんのハンストを含む不屈の闘いを報告。会場は国家権力の差別犯罪への怒りが充満した。
 大阪府警による5・12八尾北医療センター不当捜索弾劾闘争のDVDが上映され、権力が激しい弾劾を浴びるたびに歓声が上がった。拍手に迎えられて西郡支部・八尾北労組が登壇。「医者も看護師も患者も労働者として団結して2・26を闘った。その団結の拡大を恐れての弾圧だ」と喝破し、「石川さんのように権力と真っ向から闘うべき」ときっぱり。これに応えて、品川支部が、「非妥協で不屈に闘う人たちが集まった。みんな輝いている。西郡の闘いに勝利への唯一の道がある」。杉並支部は、「西郡の労働者とともに労働者階級として部落解放闘争を闘うことに未来がある」。確信みなぎる発言に熱い拍手がわいた。
 全学連のカンパアピール、千曲ユニオンのメッセージ紹介に続いて東京労組交流センター、動労千葉、動労水戸、婦人民主クラブ全国協が闘いの決意を述べた後、全学連の学生が獄中12人の学友の奪還へ火を吐くようなアピールを発した。この日の集会は、前日の法大弾圧粉砕総決起集会の高揚を受け、全発言者が法大弾圧粉砕への決起を訴えた。まとめに立った解放共闘の井上長治事務局長は、動労千葉が呼びかける6・14−15集会への総決起を訴えた。