2009年7月13日

紹介 共産主義者161号

週刊『前進』06頁(2399号6面8)(2009/07/13)

紹介 共産主義者 161号
 情勢が要求する飛躍かけて党建設の新段階突入を宣言

 6・14—15連続闘争の高揚により、われわれは09年前半決戦を圧倒的勝利のうちに締めくくった。この半年間の歴史的な勝利の地平は、11月労働者集会1万人結集への展望、そして〈大恐慌情勢をプロレタリア世界革命へ〉の大スローガンを実現する労働者党建設の実践課題を一層強く具体的に照らし出している。巻頭の松丘静司論文と再録の『前進』春季特別号アピール(坂本千秋論文)を軸に、本号全体がその課題に真っ向から応えるものだ。

 総路線の転換的発展かけた提起

 今春開催された中央労働者組織委員会・全国会議での画期的な基調報告に加筆した松丘論文「革命的労働者党建設の新たな段階へ」。この中に大恐慌情勢下における革共同の決定的な位置と戦略的指針が鮮明に提示されている。「われわれはこのかん、階級的労働運動路線を確立して以来の悪戦苦闘のなかから、〈労働者階級の現実に深く根ざし、大恐慌情勢にそびえ立つような革命党に飛躍する党建設の新たな段階に入る〉と言いきることができる地平を築いてきました。今日の討議をとおして、その立場を本当に全国のものとして、革共同がこの時代に躍りでる巨大な前進を始めたい」——冒頭のこの宣言に続く次の言葉が「党建設の新段階」への挑戦の核心である。「国鉄闘争を軸とした4大産別決戦と法大決戦でそれをやろう、この二つの闘いで労働者・学生の総反乱をつくりだそうということが実践的結論になります」。まさに、「この社会を根底的に転覆していくその途方もないエネルギー」を解き放つものこそ青年労働者・学生であり、「全党のすべての力を青年労働者・学生の獲得に傾注することが革命の実現への道」なのだ。
 あくまでも現実の大恐慌情勢と実践的に切り結ぶ階級的労働運動路線とマルクス主義の復権。21世紀革命の実現にとって決定的な位置をもつ労働運動・労働組合をめぐる資本・権力・体制内勢力との攻防。新たな挑戦にあたってつねに原点に立ち返ることの重要さ。松丘論文はここから、革共同の原点である反帝・反スターリン主義世界革命の綱領的立場に立ち返り、戦略的総路線の新たな転換的発展に踏み込んでいる。坂本論文で提起された「〈戦争・改憲、民営化・労組破壊〉攻撃と対決し、大恐慌をプロレタリア革命に転化せよ」という戦略的路線についての具体的な掘り下げがなされている。論文全体が全党・労学人民を奮い立たせる素晴らしい内容だ。

 オバマ打倒へ反戦反核闘争論

 階級攻防の一大焦点である今年の8・6—8・9反戦反核闘争については、革共同広島県委員会の「8月反戦反核闘争の爆発をかちとれ」が出色の路線論文である。「帝国主義と日共スターリン主義、連合ら全体制内勢力が一体となってふりまく『オバマ幻想』と北朝鮮への排外主義・侵略戦争扇動は、原水禁運動・反核闘争を解体し尽くす大反動攻撃である」と言い切り、「オバマ打倒! 麻生打倒! 全世界の労働者の国際的・階級的団結で核をなくし戦争をとめよう!」という反戦反核闘争の新たな路線を確立した。大恐慌情勢・世界(核)戦争危機との関係で米帝オバマの反革命的正体を暴いた点も重要である。
 同じくオバマ批判という点では、「米帝オバマに共鳴する日本共産党」の高田隆志論文が実にタイムリー。オバマ絶賛により日共のスターリン主義的本質、労働運動に対する敵対が一層露わになった。
 マルクス主義による青年の獲得にとって、マルクス『資本論』への挑戦は欠かせない。畑田治論文(本紙掲載論文に加筆)のヨハン・モスト原著『資本と労働』の紹介は絶好の手引きだ。

 部落解放闘争論の再確立に挑戦

 「大恐慌情勢と対決する部落解放闘争の革命的発展を」の柏木俊秋論文は、塩川一派と全国連本部派の野合による革共同破壊攻撃を真正面から粉砕する痛烈な一打である。革共同はこの間、階級的労働運動路線—7月テーゼのもとに諸戦線の路線的再確立を追求し、本誌上でも反軍闘争委員会論文を始めとして各戦線論文で新たな挑戦と理論的ブレークスルーを果たしてきた。本稿もその一環であり、部落解放闘争をプロレタリア革命から切断する反動的立場の断罪、血債主義・糾弾主義との断固たる決別を鮮明化した意欲作である。