2009年7月27日

7被告が最終意見陳述 勝利の路線示し法廷を圧す

週刊『前進』06頁(2401号2面3)(2009/07/27)

7被告が最終意見陳述
 勝利の路線示し法廷を圧す

 7月17日、東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれた国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第114回公判では、各被告の最終意見陳述が行われた。被告の陳述は、検察官論告を鋭く弾劾し、国鉄闘争の勝利の路線を格調高く論じるものとなった。被告団は検察官と裁判官を圧倒し、法廷は被告が国家権力と国労本部を裁く場に転化した。
 判決公判は11月27日に指定された。11月労働者集会1万人結集で、有罪判決策動を打ち砕こう。
 最初に、橘日出夫被告が陳述に立ち、「私たちはこの弾圧との闘いに完全に勝利している」「11月労働者集会1万人結集でこの弾圧との決着をつける」と宣言した。
 また、旧弁護団の解任と松崎被告との弁論分離によって被告団は4者4団体路線と決別し、革命に進撃する路線を打ち立てることができたと総括した。この弾圧は、国労共闘と動労千葉が1047名闘争を革命に向けて牽引(けんいん)しようとしていたからかけられた。橘被告は、この弾圧との闘いをとおして、「1047名闘争を軸とする4大産別決戦で資本主義を打倒する展望を握りしめた」と強調した。
 東元(あずまはじめ)被告は、「全面的な破綻を露呈した検事論告など1ミリも認めない」と断言。戦後革命期から国鉄分割・民営化に至る戦後労働運動史を総括して、日本階級闘争における国鉄闘争の基軸性を全面的に論じた。そして、動労千葉の闘いが労働者階級の勝利を切り開いていると述べ、「革命と反革命が激突するこの時代に生き、闘えることは本当に幸せだ。勝利はわれわれにある」と結んだ。
 羽廣憲被告は、「5・27臨大は国労組合員として絶対に認められない大会だった」と述べて、国労本部を徹底的に弾劾した。また、解雇撤回を投げ捨てた4者4団体路線を全面的に批判するとともに、4者4団体路線に転じた松崎博己被告との弁論分離は不可避であったことを明らかにした。そして、「私たちが国鉄1047名闘争に責任をとる勢力としてぶっ立った時、歴史は動く。労働者階級の無限の力を信頼し、終わりを迎えた資本主義社会を打ち倒す」と不動の決意を表明した。
 原田隆司被告は、公安警察と一体となってこの弾圧を首謀した日本共産党・革同を弾劾し、国鉄分割・民営化以来の彼らの裏切りを暴ききった。さらに、国労組合員である被告に懲役1年を求刑した検察官論告について、「検察の敗北であり、無罪と同じだ」と断言、「裁判闘争を勝利的に闘いぬいた私たちは、覚悟を決めた人生の先に、新しい社会の展望を見ている」と宣言した。
 小泉伸被告は、有事のためにつくられたJR貨物が国鉄分割・民営化の矛盾の集中点であり、要員問題や安全問題などあらゆる点で破産していることを暴き出した。また、検察官論告を弾劾し、「国家権力に憎まれることほど名誉なことはない」と言い切った。
 富田益行被告は、JR西日本の山崎正夫社長が尼崎事故で起訴されたことに触れ、「事故責任を現場労働者に負わせてきた資本主義体制こそが徹底弾劾されるべきだ。あらゆる事故の責任はすべて資本にある」と喝破した。また、国鉄発足以来の大事故の原因を具体的に暴き、動労千葉の反合・運転保安闘争のみが戦後労働運動の限界を突破してきたことを説き明かして、JR体制下で反合理化・運転保安闘争はどう闘われるべきかを全面的に論じきった。
 向山和光被告は、向山被告を「事件の首謀者」と描き出す検察官論告を徹底的に弾劾し、「論告は労働者は革命の主体ではないと決めつけた。検察官は、労働組合が革命の主体としてよみがえることに恐怖している」と断言した。また、この弾圧に適用された暴力行為等処罰法の団結破壊法としての本質を全面的に暴露し、法大闘争との連帯を表明して、「労働者被告とともに世界大恐慌をプロレタリア革命に転化する歴史的事業に勝利する」と鮮明な決意を明らかにした。
 被告たちの陳述に傍聴席から盛んな拍手が送られた。裁判長はそれを制止することもできず、被告たちこそ勝利者であることが明白になった。