2009年8月17日

労働者の総決起で自民党打倒を 国鉄決戦と道州制粉砕を軸に11月へ

週刊『前進』08頁(2403号1面1)(2009/08/17)

労働者の総決起で自民党打倒を
 国鉄決戦と道州制粉砕を軸に11月へ

 8月広島・長崎反戦反核闘争は、「オバマ賛美」論一色の状況を打ち破り、階級的労働運動の前進の力で圧倒的に闘い取られた(関連記事3面)。「世界大恐慌と自民党支配の崩壊を革命へ」の闘いこそ、労働者階級の進むべき道だ。マニフェスト選挙=道州制・民営化攻撃と全面対決し、連合本部や日共の制動を打ち破り、労働者の怒りの爆発で、自民党を決定的にたたきつぶそう。国鉄1047名闘争と三里塚農地死守と国際連帯を柱にすえ、11月1万人大結集へ全力疾走しよう。

 8・6広島 オバマ幻想破る大デモ “田母神反革命は許さない”

 8月6日午後、「被爆64周年8・6ヒロシマ大行動」の集会が広島県立総合体育館小アリーナで開かれ、全国から1800人が大結集した。
大行動事務局長の谷口恭子さんの開会宣言に続いて、呼びかけ人を代表して動労西日本広島支部長の大江照己さんが開会あいさつ、「今年の大行動は、労働者と資本家との激突の中で本気で闘う陣形に大きく変わった」と力強く訴えた。
被爆者の訴えを、反戦被爆者の会の下田礼子さんと、被爆者青年同盟の中島健委員長が行った。下田さんは「今や世界中に350万人もの被爆者がいる。人間と核は絶対に共生できない。オバマが『道義的責任がある』と言うのなら1945年8月6日より前の世界に戻せ。私は生きている限り反戦反核を訴えていきます」と述べた。中島さんは、「新たな戦争を始めようとしている帝国主義者に血が逆巻く思い。朝鮮侵略戦争を阻む闘いの先頭に被爆者・2世が立つ。日本共産党や連合、秋葉市長をぶっ飛ばし、麻生とオバマを打倒しよう」と呼びかけた。
裁判員制度廃止・改憲阻止アピールを行った憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士は「8月3日に怒りの声が東京地裁を包囲した。制度開始後の世論調査でも85%が反対している。この中に権力の横暴を許さない力がある」と訴えた。
基調提起は広島県労組交流センター事務局長の有賀崇雅さん。「秋葉市長、日本共産党、既成原水禁のオバマ賛美と北朝鮮への排外主義の扇動、田母神講演会などの『ヒロシマつぶし』と対決し、労働者の国際的団結で核と戦争を廃絶し、労働者が主人公となる時代を切り開こう」と訴え、朝鮮侵略戦争を阻み、原水禁・原水協に代わる反戦反核運動の本流になろうと提起。「道州制は公務員労働者を〈反戦運動の担い手>から〈戦争の担い手>につくり変える攻撃。闘う労働組合を再生し、反戦反核闘争の中軸になろう」と訴えた。
次にアメリカから、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル34のホアン・デルポソさんが発言した。7月に開催されたサンフランシスコゼネスト75周年・国際労働者会議について報告し、オバマのプラハ演説を「核の独占を公然と宣言したもの」と断罪。「職場の団結を基礎とした国際連帯の力こそ、戦争を止め核廃絶の展望を切り開く。オバマ政権に対し、中東でのごう慢な行状を撤回するよう追及していく」と力強く語った。
沖縄からは、沖縄北部合同労組うるまユニオン副委員長の富田晋さんが「沖縄の自治体でも道州制と民営化攻撃との闘いが始まっている。米軍再編と道州制と改憲は一体だ。4大産別で闘うことこそ、新基地建設を止め、道州制をぶっつぶす闘いだ」と訴えた。
獄中35年、不屈非転向で闘う星野文昭さんのアピールを、広島星野文昭さんを救う会の増上昭典さんが読み上げた。
次は労働者・学生の決意表明だ。国労小倉地区闘争団で国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣憲さんは「国労本部を打倒し国鉄闘争の先頭に5・27被告団と国労共闘が立つ。11月集会1万人の実現で1047名解雇撤回をかちとる」と宣言。
動労千葉の田中康宏委員長は「11月1日、3労組の呼びかけで日比谷野外音楽堂で、全国労働者総決起集会を開催します。1万人の労働者の怒りを結集しよう。動労千葉は国鉄1047名闘争にこだわって闘いの先頭に立ちます」と訴えた。
次に不起立を闘う教育労働者3人が発言。広教組の青年労働者に続いて、東京の河原井純子さんは「昨日の青年労働者集会で大きなエネルギーをもらい『君が代』解雇は阻める、『10・23都教委通達』は白紙撤回できると確信した」と述べた。同じく東京の米山良江さんは、7月に訪米してロサンゼルス統一教組の活動家と熱い交流を交わしたことを報告した。
青年自治体労働者は「道州制粉砕へ、権力の支配機構のただ中から火の玉となって闘う。すでに多くの職場で反乱が始まっている。自治労本部打倒へ闘う」と宣言。暴処法弾圧と闘う法政大学文化連盟の洞口朋子さんと広島大学学生の安藤聡男さんが、元気いっぱいに闘う決意を表明した。
田母神弾劾特別決議と集会アピールを採択した後、閉会のあいさつを高陽第一診療所医師の吉田良順さんが行った。
参加者全体で団結ガンバローをして、ただちに市内デモに飛び出した。商店街を力強くデモする隊列に対する沿道の青年たちの明るい笑顔が印象的だ。「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」「労働者の団結で核をなくそう」「闘う労働組合をよみがえらせよう」というストレートな訴えが、大きな共感を得ていることがびんびん伝わる。
オバマ賛美の秋葉市長や原水禁・原水協、田母神を先頭にしたファシスト勢力がヒロシマの反戦反核闘争をたたきつぶしにかかった今年の8・6において、ヒロシマ大行動が成功したことは大きな意義を持った。この勝利をバネに、職場から団結をつくり出し、11月1日の全国労働者総決起集会の1万人結集へ労働者を組織しぬこう!

 8・9長崎 麻生の式典参加を痛撃 “国際連帯で勝利するぞ”

 8月9日長崎で、統一実行委のもとに結集する労働者・学生は、麻生を呼び寄せた祈念式典を弾劾するデモに立ち上がった。午前10時、猛暑をさらに熱くするほどの怒りに燃え、爆心地から程近い城栄公園に全国からの参加者70人が結集した。司会の青年労働者は「大恐慌情勢の中で戦争と改憲、民営化と労組破壊の攻撃が激化しているが、社会を変えるチャンスだ。麻生の式典参加を粉砕するデモへ打って出よう」と力強く訴えた。
 全国被爆者青年同盟の被爆2世は、広島デモでの市長からの「音量を下げろ」という抑圧を強く批判し、「帝国主義の核政策を打ち砕くために、11月全国労働者集会への1万人結集を」と呼びかけた。東京から参加した労働者は、広島で田母神講演会を会場直近の原爆ドーム前で弾劾して闘ったことを報告した。
 広島から全過程の行動をともにしたILWUのホアン・デルポソさんは「短い旅ではあったが教えられることが多かった。みなさんの組織化にかけた努力にお礼を言いたい。11月に東京で再びお会いしましょう」とあいさつし、温かい拍手を受けた。
 全学連の安藤聡男副委員長は、獄中に捕らわれている法大文化連盟の学友に対する新たな暴処法弾圧を弾劾し、「容疑とされている日は4人の法大生への処分に対する抗議闘争が爆発した時だ。当局を弾劾して立ち上がったのはあまりにも当然だ」と怒りをたたきつけ、さらに米帝・オバマを賛美する長崎市長が麻生首相を式典に引き入れたことを断罪した。
 最後に統一実行委の三角忠さんが行動提起を行い、「日帝の核武装宣言を粉砕し、核と戦争のない社会を築く原動力はわれわれ労働者の中にあることを示そう」と高らかに宣言した。
 強烈な日差しと照り返しの中をデモに出発。「労働者の国際連帯で核を廃絶しよう」と大書きされた横断幕を先頭にデモは進んだ。
 午前11時2分、原爆投下の時刻に、祈念式典会場下の坂の上り口にデモ隊は陣取り、「麻生は長崎から出ていけ!」「オバマ賛美を許さない!」と怒りのシュプレヒコールを会場に向けてくり返した。デモは労働者階級と被爆者の怒りを体現して、灼熱の太陽の下でとことん汗を流して山王公園までの全コースを貫徹した。最後に全学連の松室しをりさんが団結ガンバロー三唱の音頭をとり、熱気あふれる09年広島・長崎の反戦・反核闘争を締めくくった。
 麻生首相は9日、長崎市内での記者会見で「米国に核の先制不使用を求める考えはあるか」との質問に対し、「先制攻撃をしないと宣言させるのは現実的ではない」と答え、核先制攻撃の立場を肯定した。日帝支配階級自身が原発や核燃料サイクルの推進を通して独自の核武装へ反動的執念を持ち続けているのである。8・9長崎デモは、この日帝の野望を含む核政策推進への決定的な反撃の闘いとなった。