2009年8月24日

8・15集会 民主労総を迎え710人が集う

週刊『前進』06頁(2404号1面2)(2009/08/24)

8・15集会 “改憲阻止の力は労働者だ”
 民主労総を迎え710人が集う

 8月15日、「改憲は阻止できるぞ!2009−国益と排外に憲法は屈するのか」の集いが、東京・なかのZEROホールで開催された。戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会の主催のもと、710人の労働者・学生・市民が大結集した。

 組合をめぐる攻防こそ核心

 司会の法政大学文化連盟・洞口朋子さんの元気な発言と葉山岳夫弁護士の主催者あいさつで、集会が始まった。
 「改憲阻止の最前線から」と題して、国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告団長の富田益行さん、裁判員候補の通知が届いた男性、全学連委員長代行の坂野陽平君が発言に立った。
 富田さんは、「国鉄1047名闘争は全国の労働者に改憲阻止を呼びかける闘いだ。自民党への政治解決・土下座路線がいまや完全に破産した4者4団体派をふきとばし、この大恐慌時代に1047名闘争を登場させる時が来た。それが11月集会1万人結集だ」と訴えた。裁判員候補の通知が届いた男性は、「裁判員制度は現憲法無視の上に立つ。制度反対は改憲阻止の最前線。制度反対と言わないで改憲阻止と言う勢力はインチキだ」と最後まで裁判員拒否を貫き「みんなの拒否へ」と拡大していく決意を表明した。坂野君は、「法大暴処法弾圧は戦争・改憲そのもの。絶対にぶち破る」と闘志を燃やし、拍手と歓声を受けた。
 続いて、鈴木達夫弁護士が基調提起を行った。自民党支配の崩壊という歴史的事態をとらえ、現情勢と闘いの方向を以下のポイントで提起した。
 ①世界恐慌とは戦争と大失業の時代。帝国主義である限り必ず世界戦争に行き着く。②改憲攻撃の中心は侵略戦争・帝国主義間強盗戦争とそれを遂行するための統治形態の転換にあり、それは道州制攻撃に集約される。③国鉄分割・民営化が総評・社会党ブロックを解体し改憲することが狙いであったように、改憲阻止決戦は労働組合を巡る攻防が核心。帝国主義戦争絶対反対と国際連帯で労働組合が闘おう。
 鈴木弁護士はこのように改憲阻止決戦の全体像を説き明かし、「われわれには勝てる展望がある」と力を込めた。
 その展望を、国鉄分割・民営化攻撃の根幹を打ち破ってきた国鉄1047名闘争、青年・学生の怒りの結集軸である法大闘争、そして「現代の赤紙」である裁判員制度を粉砕する闘いの前進の中で、われわれは現実につかみつつある。
 鈴木弁護士はしめくくりに「10・11三里塚闘争から一切は11月労働者集会へ! 1万人のデモで首都を席巻しよう」と熱烈に呼びかけた。

 サンヨン闘争の報告に感動

 特別報告には、韓国・民主労総ソウル地域本部のチョヒョノ副本部長とチョジョンミ組織部長が登壇し、双龍(サンヨン)自動車闘争の報告を行った。
 冒頭、77日間の工場占拠闘争を闘いぬいたサンヨン自動車闘争のビデオが上映され、文字どおり命がけで警察との白兵戦を闘う労働者の姿に会場全体が胸を打たれ、万雷の拍手で応えた。
 チョヒョノ副本部長は、「労働者弾圧と解雇攻撃に闘うには、現場の労働者の団結だけが希望だ。これは全世界共通の課題」と述べ、日本と韓国での11月労働者集会での再会を誓い合った(発言3面)。
 田中康宏動労千葉委員長は、これを受け「絶対に日本の労働運動の現状を変えたい」とあらためて決意を表した。そして国鉄分割・民営化攻撃が改憲・非正規職化攻撃の始まりであったことを指摘し、「今こそ国鉄分割・民営化反対闘争の原点に戻って闘おう」と訴えた。さらにサンフランシスコ国際労働者会議にふれ、「今、全世界では新自由主義攻撃の中で階級的労働運動が新しく生みだされている。自分たちも階級的労働運動を圧倒的に強化し拡大しよう。11月集会に1万人を集め、誇りをもって各国労働者を迎え入れよう。ここに改憲を打ち砕く力がある」と強調した。
 平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんは、来年5月の国民投票法施行に向け国会では明文改憲の動きが始まっていることを報告し、「国際連帯こそが戦争と改憲を止める」と述べた。
 動労千葉国際連帯委員会の山本弘行事務局長がサンフランシスコ国際会議の訪米報告を行い、「君が代」解雇被処分者の米山良江さん、自治体労働者、沖縄のうるまユニオンの富田晋さんが発言、東京西部ユニオンの青年労働者がカンパアピールを行った。
 今年もハイライトは松元ヒロさんのコント。法大OBでもあるヒロさんの強烈な政治風刺を効かせたギャグの連発に、会場は笑いの渦に包まれた。
 最後にス労自主委員長の入江史郎さんが「改憲阻止の最前線は自分たちの職場にある。すべてを11・1労働者集会1万人結集へ」とまとめた。入江さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、全参加者が改憲阻止の展望をがっちりと握りしめた。