2009年8月24日

全国の学生は全学連大会へ 織田委員長が獄中から訴え

週刊『前進』06頁(2404号5面1)(2009/08/24)

全国の学生は全学連大会へ
 学生運動の復権の時が来た 教育を学生の手に取り戻せ
 織田陽介委員長が獄中から訴え

 法政大学暴処法弾圧で東京拘置所に勾留されている織田陽介全学連委員長から、全学連大会への大結集と歴史的成功を訴える熱烈なアピールが寄せられたので紹介します。(編集局)

 「監獄大学」から甦る団結

 全国300万の学生のみなさん! 来る9月10日〜12日、私たち全学連は大恐慌と対決し、教育を学生の手に取り戻すため、学生の団結の歴史的復権をかけて、第70回全国大会を開催します。
 110人の逮捕と33人の起訴を数えた3年半の法大闘争の激闘の結果として私自身は東京拘置所の独房にいるため、大会参加もままならない状況です。しかし、この3年半の闘いは、本大会を呼びかけるためにあったのではないかと思えてなりません。本大会の歴史的重大性を訴え、すべての仲間に結集を呼びかけたいと思います。
 第一に、「不当処分撤回! 監獄大学粉砕! 8学生奪還!」をかけた法大闘争は学生運動復権の前夜を迎えています。
 6〜7月、またしても闘う法大生に不当処分が下されました。4・24法大1500人集会、6・15法大1200人労学集会に対する報復の停学処分です。その「理由」たるや「教育環境の侵害」です。
 法大総長・増田が「侵害」されたとする「教育環境」とは、何のことを指すのか? 公安警察に29人の学生を逮捕させてつくった「立て看板・ビラまき禁止のキャンパス」か? それとも「サークル活動・学祭の規制」のことか? 「150台の監視カメラと暴力ガードマンによる監獄化」のことか? もしくは「法外な学費をむさぼって、学生を借金漬けにしてたたき出していること」か? 「その学費のうち37億円を2年間ですってしまったこと」か!

 学生の魂揺さぶる法大闘争

 経済的理由や心の病で大学に来られない仲間がいる。学生が通うことのできない大学とは何なのか? 大学の主人公は学生ではないのか! 4月24日の1500人の怒りの意思表示は、あまりにも当然でした。
 しかし、これに対する法大総長・増田の回答は何だったのか? それはキャンパス中央広場封鎖=集会禁止であり、呼びかけた学生の逮捕・起訴であり、参加したすべての学生を「利用されている」と見下し、その意志を踏みにじることでした。「学生は黙って従え!」——これこそが「回答」でした。これが「教育」か? 「営業権」と矛盾なく語られる法大総長・増田の「教育」を「支配」や「詐欺商売」といった言葉に置き換えてもなんの違和感もありません。そう、それは「教育の破壊」以外の何ものでもない!
 ある仲間は、暴力職員への抗議を「暴行」にデッチあげられ処分されている。ならば、これまで暴力支配されてきた3万法大生は、中央広場封鎖をぶっとばして結集し、全学ストライキにたたき込み、理事会も暴力職員もガードマンもまとめて「退学処分」にするくらいの権利は少なくとも持っているというわけだ!
 処分覚悟で仲間の処分に反対して声を上げる、「一人の仲間も見捨てない!」という法大文化連盟の仲間たちの生き方は、学生の魂を揺さぶり、キャンパスを席巻しようとしています。監獄大学=法政から、学生の団結は歴史的に復権されます。そう、それは仲間への思いを行動に移すその時から! 
 不当な処分は撤回しかない。監獄大学は粉砕しかない。当たり前の声をあげよう! 私物化されたキャンパスを実力で奪い返そうじゃないか! 学生の本来持っている力と可能性を取り戻そう!いま確信すべきは、「教育を学生の手に取り戻すのは、唯一われわれ学生の団結した力だ」ということではないだろうか!

 世界戦争を世界革命へ!

 第二に、いま時代が動こうとしています。世界大恐慌は一方で世界戦争を生み出し、しかし他方で革命情勢を生み出しているのです。一つに、「景気底打ち」「株価1万円台回復」の大キャンペーンが何を意味するのか? GM破綻を契機に、トヨタやGMが支配してきた自動車市場をめぐり、「エコ」をスローガンとした帝国主義自動車資本による醜いぶっかき合い、すなわち再分割戦が始まりました。各国政府は、自国の資本を「保護」する目的で、「バイ・アメリカン条項」や補助金を出す政策で、この再分割戦に拍車をかけています。
 保護主義は世界経済の分裂とブロック化を引き起こし、さらなる激烈な恐慌を準備します。「景気底打ち」なるデマは、帝国主義同士の激突の非和解化の産物です。労働者を大失業にたたきこんでもうける資本家の限りない欲望が、資本主義社会を確実に破滅に向かわせているのです。
 二つに、これこそが世界戦争の動力なのです。アフガニスタン・パキスタンやイラク、もしくはソマリアでの戦争、北朝鮮やイランへの戦争の危機は、オバマや麻生がどれだけ正当化しようが、市場や資源をめぐる帝国主義強盗同士の腐った争闘戦でしかありません。
 強盗たちのスポークスマン・オバマは、「核廃絶」を掲げて核戦争を準備する、どうしようもない詐欺師です! オバマ賛美の日本共産党や、愛国主義・排外主義でこの戦争を正当化するファシスト連中には、高尚な理論を並べれば並べるほど、金で腐ったその魂をますます際立たせるだけだと忠告しておこう!

 戦後世界体制の崩壊始まる

 三つに、戦後世界の支配体制の全面的崩壊が始まっています。
 戦後世界体制は、「唯一の戦勝国」=アメリカ帝国主義が、日本の戦後革命を含めた世界中のプロレタリア革命に向かっての怒涛(どとう)のうねりを、ソ連スターリン主義と手を組んでつぶしてまわり、ようやく確立した支配体制です。
 その限界性は、朝鮮革命や中国革命、日本の安保・沖縄闘争、もしくはパレスチナ解放闘争やイラン革命、9・11反米ゲリラ戦闘という形で、歴史的にくり返したたきつけられてきました。
 帝国主義とスターリン主義による戦後世界体制は、日米安保軍事同盟を含め、彼らの没落と争闘戦の非和解化によって崩壊し、ますます革命の嵐を呼び起こします。見てほしい、命をかけて立ちあがる韓国やイランの労働者たちを! 中国のウイグル人民の闘いを!
世界中を覆うストライキの嵐を! 日本においても、選挙で示された労働者・農民・学生の怒りや、わが法大闘争もこの一端なのです。
 そして、これこそが世界戦争を止める力です。労働者・学生を動員して初めて成り立つのが戦争なら、それを止めるのもまた労働者・学生の団結です。だからこそ、労働運動や学生運動に対する団結破壊や取り込みの一切の表れに対して、立ち向かって団結を固めなければならないのです。
 総じて、大恐慌は「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」の条件を日々つくり出していることを確認したいと思います。

 11月集会に1万人決起を

 第三に、だからこそ、日本において動労千葉が先頭となって呼びかけ、「国鉄1047名解雇撤回闘争勝利!」を中心的スローガンとする11月労働者集会を、1万人の大結集でぶち抜き大成功させよう!
 一つに、11月1万人大結集は、日韓米の労働者の国際連帯を大前進させます。ここに、帝国主義の北朝鮮侵略戦争を止める展望があります。そして、戦後世界体制の重大な一環としての日米安保軍事同盟と沖縄分断政策をぶっとばし、戦後世界体制をさらなる内乱にたたき込んで転覆していく力があります。何より、世界革命に向かう、国境を越えた労働者党の建設の展望があります。7月にサンフランシスコで開催された国際労働者会議において、法大弾圧に抗議し私を含む8学生の即時釈放を求める決議があがり、国際連帯の重大な力になれたことは極めて光栄な事態です。
 二つに、11月1万人大結集で、新自由主義に断を下そう。
 今や高校や大学から学生がたたき出され、教育が奪われています。授業料が払えずに中退を余儀なくされる大学生、通学定期が買えずに学校を休む高校生。なぜ学生がこんなにみじめな思いをしなければならないのか。私たち学生の家族に解雇・賃下げをしたのは誰だ! 学生の未来をワーキングプアに突き落としたのは誰なのか!

 新自由主義に断を下そう!

 それは新自由主義を推し進めてきた中曽根や小泉といった自民党連中であり、資本家連中です。80年代の国鉄分割・民営化から始まる新自由主義政策によって労働組合の団結は破壊され、民営化・規制緩和によって労働者の権利も社会保障もズタズタにされ、これによって資本は「空前の利益」をたたき出してきました。ブルジョアどもはそれでもあきたらず、金融規制をとっぱらい、ボロもうけした揚げ句に世界を大恐慌に突き落としました。その彼らが今度は巨額の税金をのみ込んで生き延び、労働者はクビを切られて殺されています。いったいこの構図は何なのか! 
 「教育手当」? 「敗者の救済」? ふざけるんじゃない! 今すべきことはそんなことではない。今こそ新自由主義に断を下そう! 国鉄分割・民営化から22年、1047名解雇撤回を掲げ、動労千葉を先頭に国鉄労働者が不屈に闘い抜いている。この動労千葉労働運動と1047名解雇撤回闘争、そして国労5・27臨大闘争弾圧被告団の闘いを中軸とする国鉄闘争が、日本階級闘争の最先端で今ものすごい展望を持っています。ここにすべての怒りを合流させよう!
 三つに、11月1万人大結集で、道州制に突き進む自民党・民主党をぶっつぶし、「労働者に権力をよこせ!」の声をあげよう!
 これだけ社会を破壊し、大恐慌と戦争に行きついても、資本家階級はどこまでも新自由主義政策に突き進もうとしています。教育・自治体・医療・福祉を民営化する道州制の導入を狙っています。それは労働組合解体、改憲・戦争国家化の攻撃であり、社会の土台を際限なく破壊する攻撃です。すべての学校を法大化するということです。「どうせ労働者は使い捨てるんだから、教育なんて必要ない」「戦場で死ぬやつには医療も年金も必要ない」ということです。もう、やつら資本家は社会を運営する気などありません。自民も民主もぶっつぶし、労働者が権力をとろう!
 全人民的蜂起の環は4大産別決戦(国鉄・郵政・自治体・教育)にあります。道州制で大焦点化する教育や医療・福祉の民営化などは、全労働者家族が抱える矛盾であり、全人民的蜂起をかけた一大階級決戦です。だからこそ、学生運動も決定的な位置を持ってきています。選挙の枠をこえて爆発している新自由主義への怒りを大結集させよう。資本家階級の恐怖は、戦前の法体系に向かう改憲を必要としています。それを、戦前の弾圧法=暴処法の発動が示しているのです。

 三里塚闘争で全人民蜂起を

 そして、全人民的蜂起に向かってのもう一つの環は、道州制で農地を奪われようとしている農民との連帯です。成田軍事空港が農地を奪おうとする三里塚の構図は、資本の金もうけと戦争が農業を破壊するという、世界の農民が置かれた状況そのものです。この攻撃と真っ向から対決し、43年にわたって空港建設を阻み続ける三里塚反対同盟の存在がそびえ立っていることは、青年労働者・学生にとっての圧倒的な展望です。10・11全国闘争の爆発で労農学連帯をうち固め、11月への道を切り開こう。
 4大産別決戦と、農民との同盟で、道州制決戦の爆発の中からプロレタリア独裁権力を樹立する展望を、11月1万人決起で大きくつくり出そう。

 学生の団結を取り戻そう

 第四に、今こそ学生自治会と全学連運動を復権させ、学生の団結を取り戻そう。
 私たちは問いたい。大学とは何か? そして学生とは何なのか? 未来を体現すべき学生が、古い価値観を自由にぶち破るどころか自由を奪われています。人間の未来を創造すべき学問・研究が資本の金もうけですり減らされ、軍事研究・兵器開発という破滅に突き進んで学生を戦場に送り出す。大学の可能性はこんなものなのか?
 私たちは、法大闘争から復権されようとしている学生の団結にこそ未来があると確信します。それは、「戦争と民営化に反対する」という歴史的原点を持った学生自治会、全学連運動の復権です。またそれは、全国大学を法大化する道州制攻撃と真正面から対決する中でこそ復権されると確信します。だからこそ法大のように闘おう!

 人間本来の力を奪還しよう

 法大における処分と弾圧との闘いでキャンパスに団結を取り戻してきたように、全世界で開始された労働者の解雇撤回闘争は、資本家をたたき出し、労働者・学生が世界を取り戻す闘いです。
 この闘いは、競争という労働者を商品とし人間性を奪う資本主義の法則を、団結によって破壊する人間的行為です。それは同時に、人間がつくり出した巨大な生産力と交通の世界的運動が資本の力となって人間を支配している転倒性を打ち破り、もって人間本来の力と可能性を取り戻す無限の自由と発展、すなわちプロレタリア革命そのものです。
 なぜ、世界を動かす労働者が生きていることもできないのか? それは、労働者が競争させられ団結を奪われているからです。なぜ、本来社会的行為であるはずの教育が、仲間を蹴落とし、成り上がるための手段に落とし込められているのか? それは、学生が競争させられ団結を奪われているからです。真の教育を奪還する力は、学生の中にこそあります。学生には、もっともっとすごい力があります。団結という熱い生き方には、もっともっと大きな可能性がある! 私はこのことを法大闘争の爆発と11月1万人大結集の実現によって、世界に向かって声を限りに叫びたい。社会には、怒りと「仲間がほしい」という声があふれています。今こそ学生運動を復権しよう!
 私はこの3年半、法大闘争を必死になって闘ってきました。気がつけば素晴らしい仲間に囲まれていた。すべての学生は、全学連大会に集まろう! ともに団結して闘おう! 全学連大会の成功から今秋法大決戦の歴史的な高揚をかちとり、10・11三里塚闘争と11・1全国労働者集会に巨大な全国学生の隊列を登場させよう!
 私自身、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に全人生をかけ、最先頭で闘うことをあらためて誓い、300万学生への大会結集の訴えとします。