2009年8月31日

国労全国大会 国労共闘が現地で戦闘宣言

週刊『前進』06頁(2405号2面1)(2009/08/31)

国労全国大会決戦 国労本部に破産を宣告
 “1047名闘争の主流派に”
 伊東市国労共闘が現地で戦闘宣言

 8月21、22日に静岡県伊東市で行われた国労第77回定期全国大会を巡る攻防は、国労共闘と労組交流センターを始めとする動労千葉派が、国鉄1047名闘争に責任をとる勢力として鮮やかに登場するものとなった。自民党支配の崩壊とともに、自民党にはいつくばる4者4団体の政治解決路線は完全に破産した。国労共闘と静岡、神奈川両県の労組交流センターは大会攻防を勝利的に貫き、11・1労働者総決起集会1万人結集に向けての断固たる進撃を開始した。

 大会代議員らにビラの弾丸

 国労大会前日の20日から3日間、国労共闘と静岡労組交流センター、神奈川労組交流センターは、戦闘的息吹をもって伊東市に登場し、1047名解雇撤回、国鉄分割・民営化絶対反対の旗を高々と掲げて、国労本部ら4者4団体派を圧倒しきった。
 20日午後、国労共闘と静岡労組交流センター、神奈川労組交流センターは、全学連の学生とともに伊東駅前を制圧、大会宿舎に向かう代議員らに、「1047名解雇撤回・破産した4者4団体路線と決別せよ」と訴えるビラをまんべんなく手渡した。代議員を大会会場のホテルに前日から宿泊させ、警察権力の庇護(ひご)のもと、現場組合員との接触を断って密室での大会を強行しようとした国労本部の思惑は全面的に破産した。
 国労本部や4者4団体路線の先頭に立ってきた闘争団一部幹部は、展望を失い意気消沈して、これまでのように国労共闘のビラまきに食ってかかることもできない。1047名解雇撤回の原則を貫けという訴えの圧倒的正義の前に、彼らは沈黙するほかになくなった。
 駅前では、同時に法政大学生運動に対する暴処法弾圧に抗議する署名活動が取り組まれ、大会に参加する国労組合員や伊東市民からの署名が多数寄せられた。

 弾圧はねのけホテル前制圧

 大会初日の21日、国労共闘と静岡、神奈川の労組交流センターは、大会会場のホテル聚楽(じゅらく)前に登場した。「1047名解雇撤回」と書かれたのぼりを立て、横断幕を掲げた部隊は、会場の雰囲気を一変させた。
 国労本部は会場内外に私服刑事や機動隊を引き込み、02年5・27臨大闘争弾圧と同様、国労共闘への刑事弾圧をもくろんだ。だが、弾圧の機会をうかがう公安警察の妨害を打ち破って、部隊は大会参加者へのビラまきを貫徹した。
 ホテル前の路上では、宣伝カーから「解雇撤回の原則を投げ捨てた国労本部の打倒を」という腹の底からの怒りの声が、大会議場に向けてたたきつけられた。
 朝のビラまき行動を終えた参加者は、伊東駅前に移動し、11・1労働者集会への結集を訴える街頭宣伝に取り組んだ。

 地元の交流センターと共に

 午後には、伊東市内で国労共闘、静岡労組交流センター、神奈川労組交流センターの共催で「国鉄闘争勝利総決起集会」が開かれ、60人が結集した。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんや国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんら闘争団員が、解雇撤回を貫く不屈の決意を表明し、JRで働く国労組合員らが、青年労働者の怒りと結合してJR体制を打倒すると宣言した。
 静岡、神奈川の労組交流センターの労働者は、地区を挙げて国鉄闘争に突入すると述べ、参加者はこの日を起点に11・1労働者集会1万人結集へ全力を挙げると誓った。
 大会2日目も、国労共闘と静岡、神奈川の労組交流センターは大会会場前でのビラまきを貫徹。警察に守られた国労大会に怒りをたたきつけた。また、前日にJR東日本が起こした東海道線と京浜東北線の停電事故を徹底弾劾し、動労千葉派のみが安全破壊のJRと闘う唯一の勢力であることを鮮明にさせて、資本に対する怒りのかけらもない4者4団体幹部の腐敗を暴ききった。

 1047名解雇撤回を貫く新勢力の歴史的登場を示す

 今年の国労大会をめぐる攻防は、画期的な地平を切り開いた。国労共闘と静岡、神奈川の労組交流センターが一体となり、3日間の闘いを貫徹したことは、決定的だった。地区の闘いの軸に国鉄1047名闘争が座り、国鉄決戦を軸とした4大産別決戦の方針が実践的に貫かれ、11月労働者集会1万人結集に向けた闘いとしてこの攻防は闘いぬかれた。
 7月17日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の結審にあわせて開かれた国鉄闘争勝利総決起集会で、国労共闘は、動労千葉とともに1047名闘争の責任勢力に躍り出ることを宣言した。その宣言を現実のものとする闘いが、ついに火ぶたを切ったのだ。
 国労共闘と静岡、神奈川の労組交流センターが、伊東の現地で独自の集会をかちとったことの意義も大きい。国労共闘などの動労千葉派こそが、国労本部を始めとする4者4団体幹部を打倒して、1047名解雇撤回闘争を貫く勝利の路線と力を有していることを実践的に示したのが、この闘いだった。
 自民党支配が崩壊し、世界大恐慌がますます深化する中で、4者4団体の政治解決路線はまったく展望を失っている。大会では、革同系が「新政権発足後、直ちに政治解決の働きかけを」と主張したことに対し、国労本部は「政権の座り具合を見て慎重に対応する」と答弁した。「鉄建公団訴訟の最高裁判決前に政治解決する」と言いながら、国労本部はそれに何の自信ももってはいない。大会で通された運動方針は、ただ「組織外からのさまざまな妨害や介入に対決せよ」と叫びたてるだけのものだ。
 総選挙後、民主党が政権に着いたとしても、民主党が1047名闘争解体に牙をむいてくることは明白だ。民主党は、公務員賃金の2割削減を公然と唱え、360万人公務員労働者を解雇する道州制導入を強行しようとしている。その民主党が1047名の解雇撤回を認めるわけがない。国労本部は民主党への幻想を膨らませて「総選挙勝利」を叫び、鉄建公団訴訟原告団幹部は民主党にひざを屈することで闘争団を道州制の先兵に仕立て上げようとしている。
 この攻撃と激突し、国労共闘は、職場実力決起でJR体制を打倒することこそ勝利を切り開くと訴えきった。
 自民党支配の崩壊をもたらした新自由主義攻撃に対する労働者の怒りはますます激しく火を噴いてくる。階級対立が非和解的に激化する中で、1047名闘争の勝利は、大失業に直面する6千万労働者の怒りと結合し、解雇撤回・民営化絶対反対を貫くことにある。
 国労大会をめぐる攻防は、そうした階級情勢のただ中で、1047名解雇撤回の旗を打ち立てる結集軸を生み出した。国労共闘など動労千葉派の闘いだけが国鉄闘争を勝利させることができる。
 「1047名の解雇撤回」を中心スローガンに掲げた11・1労働者集会の意義も、国労大会攻防を経て鮮明となった。11月労働者集会に向けての跳躍点が築かれたのだ。