2009年9月 7日

大恐慌と自民党支配の打倒をプロレタリア日本革命勝利へ 労働者は11月集会へ驀進しよう

週刊『前進』08頁(2406号3面1)(2009/09/07)

大恐慌と自民党支配の打倒をプロレタリア日本革命勝利へ
 労働者は11月集会へ驀進しよう

 戦後革命期以来の「大動乱期」に突入

 今や日本の歴史は、戦後革命期以来最大の政治的な大激動期、大動乱期に突入した。日々激化し深まる世界大恐慌のもとで、一方では支配階級の政治支配体制の危機と崩壊、他方では被抑圧階級の不満と憤激の爆発とが一体的に進行し、レーニンの言う革命的情勢へと、ついに日本の政治情勢・階級情勢も現実的に突入したのである。
 8・30投開票の総選挙の結果は、労働者階級人民の壮大な怒りの爆発が自民党支配を決定的に打倒し、戦後一貫して長期の独裁支配を続けてきた自民党が政権から転落したということであった。ほぼ事前の世論調査などの予想どおり、民主党が「絶対安定多数」をはるかに上回る308議席を獲得し、他方で自民党は119議席と、前回の3分の1の議席にまで転落した。これは戦後かつてない政治的、体制的な大激変情勢である。
 またその他の政党の獲得議席は、公明党21、日本共産党9、社民党7、国民新党3、みんなの党5などなどの結果であり、投票率は前回を上回る69・29%であった。まさに都市と農村を問わず、労働者階級人民の抑え難い自民党支配への巨大な憤激が全国津々浦々で激しく大規模な雪崩と地滑りを引き起こし、自民党を吹き飛ばし、政権からたたき落としたのだ。
 革共同と労働者階級はこの生み出された大激動、大激変の情勢に胸を躍らせ、職場生産点で、街頭で、キャンパスで、真っ向から向き合い、切り結んで闘い抜こう。
 今こそ「大恐慌を世界革命へ」「自民党支配の崩壊をプロレタリア日本革命へ」の闘いに、全力で突入していく時だ。何よりも11月労働者集会への1万人決起の実現のために闘い抜くことこそ、この大動乱情勢に対する唯一最大の回答であり、革命勝利を切り開く現実的な最良、最先端の道筋である。

 “一票革命”を行使労働者が自民倒す

 商業新聞の世論調査によれば、民主党圧勝・自民党惨敗の理由として、「政権交代を望んだから」が81%であるのに対し、民主党の「政策を支持した」は38%である。これは何を意味しているか。鉄砲や武器の代わりに「一票革命」を行使した労働者階級の今回の政治行動の主体的動機が、民主党への期待や幻想ではなく、自民党への耐え難い怒りであり、自民党を政権からたたき落としたいという欲求であったということである。
 この労働者階級人民の怒り、憤激は、何よりも小泉構造改革で頂点に達した新自由主義攻撃への怒り、憤激である。安倍を打倒し、福田を粉砕してきた階級の怒りが、さらに激しく拡大し、ついに自民党支配を最終的に打倒したということである。
 「郵政民営化」を最大のスローガンに振りかざした小泉政権は、「自民党をぶっ壊す」と叫ぶことで自民党の最後の延命を演出したが、これは実際には自民党支配の「終わりの始まり」だった。そして都議選の惨敗に続く今回の総選挙の歴史的大敗で、自民党は「終わった」のだ。
 まさに、金融独占ブルジョアジーの利益と延命のための小泉構造改革が、新自由主義攻撃として労働者階級に強制したむきだしの資本主義の弱肉強食の政策、搾取・収奪の極限的強化と、貧困・格差の耐え難いまでの拡大、総じて〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>の攻撃に対する、もはや抑えることのできない怒り、憤激が、まさに噴火山のように爆発したのが今回の総選挙だった。
 しかもこの新自由主義攻撃は、労働者階級のみならず、農民、漁民を始めとするあらゆる階級・階層にも襲いかかり、自民党と生命力の尽きた資本主義体制そのものへの怒りを蓄積し、戦後的な自民党支配の基盤を掘り崩し、ついに打倒にまでいたったのだ。
 そして、これらすべての労働者階級人民の最先端で、暴処法弾圧に屈せず監獄大学解放へ闘う法大生の怒り、4大産別の職場生産点で闘う青年労働者を先頭とした労働者の怒り、「派遣切り」攻撃が襲いかかった非正規労働者、失業労働者の怒り——それらが総選挙を水路に全面的に爆発したのである。このかつてない巨大な流動、分岐、決起と激突の中から、今や世界大恐慌の激化にあえぐ資本主義・帝国主義の崩壊への弔鐘が鳴り響き、革命的情勢が全世界で、日本で、本格的に成熟してきているのだ。
 このように8・30総選挙は、ついに自民党を政権からたたき落とし、もはや後戻りのない崩壊と分裂の淵(ふち)へと突き落とした。自民党によるブルジョア独裁支配は、10年間もの自民党・公明党によるインチキで反労働者的・反人民的な政治支配とともに、無残に吹き飛んだ。

 民主党・連合政権との全面的対決に

 今後、民主党政権がたちどころに破綻し崩壊したとしても、従来のままの自民党の再復活などもうありえない。自民党支配を補完してきた公明党も、労働者階級の怒りをたたきつけられて大きく没落した(太田代表、北側幹事長、冬柴前幹事長らが落選)。
 しかし他方で、大勝した民主党は、総選挙でのあまりにもドラスチックで激しい労働者階級の怒りの爆発という結果に、本質的に自民党と変わらぬブルジョア政党として、むしろ恐怖し、おじ気づき、腰が引けている状態だ。資本主義の崩壊と革命の現実性の前に、本質的に打ち震えているのである。
 さらに日本共産党は、選挙戦で、米帝オバマへの限りない賛美と「建設的野党」の宣伝にうつつをぬかし、スターリン主義としての反革命的本質をいよいよ純化させた。そのことで一層の破産と没落を開始している。
 民主党政権は、実質的に連合=体制内労働運動の最大実体との結託体制、すなわち「民主党・連合政権」である。しかもその民主党のマニフェストの最大スローガンは、「無駄遣いの一掃」である。
 これは要するに4大産別の労働者に対する徹底的な首切り(大量解雇)、賃下げ(これはすでに「総額人件費削減」が本格化した97年あたりからものすごい勢いで進行している)、そして非正規雇用化を一層推進するということである。しかも自治労や日教組の体制内指導部の屈服を前提とし、先兵として、道州制・民営化攻撃と一体のものとしてそれをやるのだ。
 選挙過程で、断末魔の自民党は、「知ってビックリ民主党/これが実態だ! 労働組合が日本を侵略する日/民主党にだまされるな!」という、これが政権政党かと驚くような常軌を逸した全戸パンフをばらまいた。社保庁を始め4大産別の公務員労働者・労働組合に対する敵意むき出しの攻撃に、最後の「望み」を託したのだ。だが通用しなかった。しかしこれは民主党と連合による、4大産別への体制内的な転向・圧殺の攻撃を加速する右からの攻撃として重大である。
 連合を労働者への攻撃の先兵としてくるところに民主党政権の労働者階級にとっての恐るべき現実がある。
 しかしこれは、4大産別を先頭に職場生産点を土台にして闘うことにより、逆に敵の決定的な破綻点になる。「民主党・連合政権」との対決は、階級的・戦闘的・原則的に闘う労働者にとっては、まさに勝利へ前進するチャンスでもあるのだ。

 最大の結論は11月1万人決起実現だ

 8・30総選挙情勢は、戦後これまで誰もが経験したことのないような大激動と、革命的情勢への突入である。戦後革命期以来の政治、経済、社会全般の危機と大混乱、一方での労働運動・階級闘争の高揚と激突は不可避である。「民主党・連合政権」のもとでそれはいよいよ促進される。
 総選挙の過程で、民主党も自民党も、世界大恐慌のことにはまったく触れなかった。いや触れられなかったのだ。だが今、日帝は帝国主義の「最弱の環」として大恐慌に直撃されているのだ。ここに日帝の最大の破綻と危機の根拠があるのだ。
 この情勢において労働者階級に今求められているものは何か。
 第一に、資本主義の救済ではなく革命だ。破綻した資本主義・帝国主義には何の未来もない。「大恐慌を世界革命へ」「自民党支配の崩壊をプロレタリア日本革命へ」と闘うことこそが、労働者の歴史選択である。
 第二に、「民主党・連合政権」が体制内労働運動を先兵としてかけてくる道州制・民営化と解雇、賃下げ、非正規雇用化の大攻撃に、4大産別を先頭とした職場生産点と街頭で全面的に対決し闘うことだ。国鉄1047名闘争こそ、その最大の軸である。
 第三に、大恐慌と革命的情勢の成熟のもとで、労働組合・労働運動をめぐる激突と攻防がいよいよ決定的となる。権力・資本、体制内指導部、さらには極右ファシスト的勢力との激突や党派闘争に、動労千葉労働運動と〈絶対反対論>〈階級的団結論>〈党建設論>をもって断固として闘い、勝ち抜こう。
 第四に、一切の結論は11月労働者集会への1万人大結集だ。国鉄1047名解雇撤回、三里塚農地死守、道州制粉砕、国際連帯を真っ向から掲げて、11月へ驀進(ばくしん)しよう。
 今秋、国鉄・三里塚決戦を爆発させ、それを原動力にして10・11三里塚と11・1日比谷野音へと、うなりを上げて突き進もう!