2009年9月 7日

双龍自動車 職場復帰へ500人が団結

週刊『前進』08頁(2406号8面3)(2009/09/07)

双龍自動車 職場復帰へ500人が団結
 労組破壊と対決し闘いぬく

 77日闘争を継続

 世界大恐慌の到来に打ち震えるブルジョアジーを恐怖に陥れるとともに、大失業攻撃と闘う世界のプロレタリアートを限りなく激励した77日間の工場占拠ストライキ。これを闘いぬいた韓国・民主労総金属労組双龍(サンヨン)自動車支部は、新たな闘いを開始している。
 会社側は、労組側が大きく譲歩した形で実現した8・6合意に基づく実務交渉を早くも反古にしている。しかもパクヨンテ法定管理人は、イミョンバク政権に対し「(サンヨン自動車支部の)民主労総脱退を推進する」と公式に表明する一方、100億ウォン(約74億円)の損害賠償請求を起こすとともに労組事務所を閉鎖し、スト参加組合員には会社への立ち入り禁止と無期限待機命令を出すなど、むき出しの労組破壊攻撃を推し進めている。さらに「組合機能が停止したので組合員総会を開いて選挙管理委員会を設置し、上級団体(民主労総・金属労組)と決別しよう」と呼びかける謀略的、反動的なビラが「一組合員」の名でまかれるなど、御用組合デッチあげが策動されている。
 この77日間闘争でサンヨン自動車支部は、ハンサンギュン支部長以下67人(単一争議では最多)が獄中に奪われている。8月に裁判が始まった3人の組合員に対する起訴状はなんと「殺人未遂」なのだ! 労働争議へのこの凶暴な攻撃を絶対に許すわけにはいかない。
 しかも8月6日以降、支部長代行として4回の実務交渉を主導してきたキムソニョン首席副支部長の拘束が確実視される中、8月24日に臨時代議員大会を開き、ハンサンギュン支部長が推薦するパククムソク組合員を支部長職務代行に選出し、第3指導部を構成した。同時に支部傘下の機関として「整理解雇者特別委員会」を設置した。

 “解雇者全員で”

 続く26日には特別委が主催する整理解雇者懇談会が開かれた。その場には、労組指導部の予想を超えてスト参加者全員を先頭に500人もが大結集した。イスが足りず、立ったままの人もいる中、熱心な論議が行われた。「始めたケンカは勝つまで闘う」「77日間、悔いなく闘った」という労働者としての自信と誇り、同志たちに寄せる信頼と団結が彼らを動かしているのだ。
 この場で「解雇者全員が無給休職を申請しよう」と論議がまとまり、パククムソク代行が解雇者支援事業と職場復帰闘争を提起した。
 あれほどの殺人的な鎮圧作戦と労組破壊攻撃を受けながら、しかもパニック障害や対人恐怖症などの後遺症に苦しみながらも、なお組合員たちは不屈に闘う意志をみなぎらせている。労資合意の内容こそ、大幅に労組が譲歩したものだったが、この闘争意志と団結がサンヨン77日間闘争の勝利を示している。
 一方、工場に残ることができた労働者に対しても激しい労働強化と不当労働行為が加えられている。体操強要のため出勤時刻が30分早くなり、すべてのイスが撤去されたため一日中立ったまま働かなければならない。また工場間の移動禁止や暴力ガードマンによる恒常的な写真撮影、待機発令に直結する人事評価など、怒りなしには語ることができない現状だ。

 連帯し11月決起

 支部は9月1日、パククムソク代行を先頭に平沢(ピョンテク)工場前で宣伝戦を繰り広げ、出勤する非解雇組合員を激励した。「ご苦労さま、久しぶり」と声をかけ、握手し、「外で活動する労組が一日も早く(工場内に)戻り、活動できるように協力してほしい」と呼びかけた。
 パククムソク代行は、「解雇・非解雇組合員の別なく一つの組合員だという立場で全体をまとめていく」「サンヨン自動車闘争は新たな開始あるのみだ」と語っている。
 サンヨン資本の労組破壊に抗議してハンサンギュン支部長が獄中で始めたハンスト闘争は8月28日現在、すでに15日を超えた。支部長は獄中から「すさまじかった77日間の闘争を終えて、相変わらずわれわれ全労働者に与えられた課題は、まさに団結、もう一度団結する道だけだ」と呼びかけている。
 今年1月1日、ハンサンギュン新執行部がスタートするまでは、サンヨン自動車支部での非正規支会設立の動きは「時期尚早」と抑圧されてきた。しかし、この77日間闘争では非正規支会のソメンソプ副支会長が正規職組合員とともに86日間の煙突高空籠城(ろうじょう)闘争を貫くとともに20人余りの非正規職組合員が工場占拠ストを闘い、文字どおり生死をともにした。ソ副支会長はストを闘う中で、これまで不動のものに見えた正規職と非正規職の間の厚い壁が完全に崩れたことを指摘し、「私は、合意書がどうのという以前に、これだけで勝利だと思う」と語った。
 解雇者も非解雇者も、正規職も非正規職も、家族も地域住民も団結して闘いぬいた77日間闘争が切り開いた地平は限りなく大きい。このサンヨン闘争を引き継ぐ11月集会1万人大結集をこの地で実現しよう。われわれの組織戦は、解雇撤回と団結を切望するサンヨン労働者の闘いと一つだ。