2009年9月21日

極悪指導部が政権に 民主党・連合の結託打倒を

週刊『前進』06頁(2408号2面2)(2009/09/21)

連合の極悪指導部が政権に
 民主党・連合の結託体制打倒を

 労働者に犠牲と矛盾を転嫁

 16日、民主党・鳩山政権が成立した。この政権は自民党政権が労働者階級の憤激で打倒された中で、それに代わって日本帝国主義の危機の救済者として登場した。だからこの政権は、世界大恐慌と帝国主義間対立の激化の中で、資本家階級の延命のために、労働者階級に一層の犠牲と矛盾を押しつける以外にない。
 大失業と賃下げ、道州制・民営化、公務員リストラ、労働運動破壊、戦争と改憲の攻撃がいよいよ激化していく。
 松下政経塾出身の原口一博総務相は、道州制推進の大阪府知事・橋下徹と密接な関係だ。16日、原口はさっそく橋下に電話し、「頑張っていきましょう」と協力を呼びかけた。橋下は「期待しています。むちゃくちゃやってください」と応じた。このように民主党内閣は道州制・民営化推進内閣だ。その反動的正体、階級的本質はこれから日々むき出しになっていくだろう。

 連合に依拠した脆弱な政権

 社民党は民主党と連立合意し、福島党首が入閣した。おぼれかかっている日帝ブルジョアジーの延命を助け、かつてのドイツ社民党のような反労働者的役割を果たそうとしている。
 成立した民主党政権は、本質的に脆弱(ぜいじゃく)である。それは、民主党が連合という体制内労働組合に大きく依存せざるを得ないところに現れている。そこまで資本家階級の階級支配が衰弱し、体制内労働運動の力を借りなければ革命を抑えつけられなくなっているのだ。
 民主党の党的基盤も弱体だ。だから、とりわけ地方組織は、連合の労組組織に依拠している。民主党の国会議員には、川端、直嶋ら旧同盟系労組の支援を受けるグループ(約30人)や、横路孝弘ら自治労、日教組など旧総評系労組の支援を受けるグループ(約30人)が存在する。体制内労働運動勢力が資本家政党の重要な構成要素となっているのだ。07年の参院選も今回の衆院選も、小沢(民主党幹事長)と高木(連合会長)が一緒に全国の連合系労組をオルグして回った。小沢と高木の仲はきわめて緊密だ。
 鳩山政権が民主党・連合政権であることを示すのが、閣僚及び党幹部人事だ。官房長官に就任した平野博文は松下電器(現パナソニック)労働組合の出身であり、現在は電機連合の顧問だ。
 経済産業相に就任した直嶋正行はトヨタ自動車労組出身、自動車総連副会長を務め、現顧問だ。「労働貴族の典型」といわれる人物で、自動車業界からも期待されている。文部科学相の川端達夫は東レ労組滋賀支部長を経て議員になった。農林水産相の赤松広隆は日通労組出身で運輸労連顧問だ。さらに、参院議員会長の輿石東(こしいし・あずま)は山梨県教組委員長を務め、日教組を母体に議員になった。
 今回の総選挙でも多くの連合系労組出身者が当選した。ざっと挙げただけでも、次のとおりだ(カッコ内は選挙区と出身労組及び役職)。小林千代美(北海道5区、全日糧労組)、城島光力(神奈川10区、味の素労組委員長)、古本伸一郎(愛知11区、全トヨタ労連顧問)、三日月大造(滋賀3区、JR西労組)、稲見哲男(大阪5区、大阪市職労副委員長)、向山好一(兵庫2区、連合大阪専従)、工藤仁美(北海道比例区、札幌パートユニオン事務局長)、小室寿明(中国比例区、島根県職労書記長)、皆吉稲生(九州比例区、連合鹿児島副会長、鹿児島市職労委員長)。
 そして、全国の連合組織が各選挙区で民主党候補者の支援のために動員された。
 連合と民主党の結託体制は最近のことではない。そもそも民主党は、小沢を軸にして連合組織と結びつき、それを深々と取り込んだブルジョア政党なのである。連合は、国鉄分割・民営化による総評解体によって、日帝ブルジョアジーがつくりだした体制内的存在だ。その700万人の連合が支配権力の一角に座ったことは、とてつもなく重大な歴史的事態である。労働者階級が総決起すべき時代の到来だ。

 民主党政権の崩壊が始まる

 民主党・連合政権は、その成立とともに危機と崩壊が始まる。なぜなら連合内にはいまだ4大産別を先頭に労働者の階級的な戦闘力が息づき、それは新自由主義攻撃の破綻のもとで、ますます激しい怒りを爆発させようとしているからだ。民主党・連合政権は、自らを政権の座に押し上げたその労働者階級の中から、今度は一転して直ちに反乱と怒りに直面せざるを得ないのだ。
 このことへの恐怖こそ、民主党を社民党や国民新党との連立に駆り立てた真の要因だ。3党連立は、参院での過半数を確保するためという理由からだけではない。もっと根本的には、労働組合が労働者階級の怒りの震源地となって、その怒りが今度は一転して民主党に向かうことに心底から恐怖している。だからこそ、労働者階級全体を抑え込む一点で、社民党を取り込んだ連立政権を不可欠としているのだ。国鉄闘争の4者4団体派がその中で悪質な役割を果たそうとしている。
 労働者階級は8・30総選挙で自民党を打倒した。これは壮大な階級決戦の始まりだ。次の課題は、第2ブルジョア政党である民主党政権を打倒し、大恐慌と戦争に突き進む資本主義を打倒し、プロレタリア革命の勝利をかちとることである。
 まさに8・30総選挙をもって、時代は労働組合をめぐる攻防が階級闘争の一切を決する情勢に突入したのである。そこでの体制内勢力・連合を打倒するランク&ファイルの闘いの前進こそが、プロレタリア革命の最短コースである。
 民主党政権を打倒し、プロレタリア革命に進撃しよう。その勝利と前進をかけて11・1労働者集会に大結集しよう。