2009年10月26日

道州制と一体の賃下げ 神奈川人事委 平均16万円

週刊『前進』06頁(2413号3面3)(2009/10/26)

道州制と一体の賃下げ
 神奈川人事委 平均16万円ダウンの勧告

 神奈川県人事委員会は10月6日、年額平均16万3千円(2・3%減)に及ぶ大幅賃下げ勧告を行なった。月例給の公民較差を0・16%縮小の647円に加えて、一時金については過去最大の0・35月引き下げ。さらに、05年の給与構造改革により給料表が平均4・8%引き下げられ、中高年齢層の多くは現給保障を受けているが、この現給保障額も引き下げを行うというものである。
 県財政の危機を理由にこの4月より強行された3%賃金カットと合わせ過去最大の賃下げで、絶対に認められない。またこの間の連続的な賃下げ攻撃は、公務員労働者の年功賃金や終身雇用を最後的に破壊するものだ。その先に来るものこそ道州制導入、自治体丸ごと民営化による360万人首切り攻撃だ。

 道州制・民営化攻撃と一体で

 神奈川県知事の松沢は「道州制こそ霞が関解体と地方分権を実現し、地域主権型社会をつくる究極の構造改革」「道州間の善政競争が進み、地域特性を生かした国際競争力のある産業を育て、日本を再生できる」(『道州制による日本大改造マニフェスト』)として、先の総選挙に向けては各政党マニフェストに道州制推進を明記させる運動を担ってきたゴリゴリの道州制推進論者だ。
 就任以来、道州制実現に向けた首都圏連合を提唱し、県財政の危機の中で「財政再建団体入り回避」をテコに県職員に賃下げをのませ、行政組織の統廃合と人員削減を極限まで進めてきた。さらに「インベスト神奈川」(大企業誘致助成制度)により日産やソニーなどの大企業に巨額の税金を投入し、それが世界不況で破綻するや、4月から2年間の県職員3%賃金カットを強行した。

 連合指導部を倒し反撃を!

 県労連指導部は、これまでも「自主交渉・自主決着」という名の労使談合により現場の闘いを一切封殺し、当局提案を組合員に受け入れさせてきた。人事評価・査定給を「われわれがつくってきた制度」と言ってはばからない連中だ。
 さらに民主党・連合結託政権の誕生で、県労連議長(神教組委員長)は「今後は与党の立場から政策提言能力を高めることが重要」などと、労使一体での労働者支配と資本主義救済運動を宣言している。これが国鉄1047名解雇撤回闘争を投げ捨てた連中の姿だ。現場からの闘いで連合指導部を打倒しよう! 11・1日比谷への1万人結集こそ労働者の怒りの結集軸であり、闘う労働運動をよみがえらせる道だ。現場労働者の怒りを爆発させ、09秋闘ストライキで闘おう!