2009年10月26日

北延伸滑走路の供用弾劾 三里塚反対同盟声明

週刊『前進』06頁(2413号5面3)(2009/10/26)

北延伸滑走路の供用弾劾
 三里塚反対同盟 怒りの声明

 三里塚芝山連合空港反対同盟は、暫定滑走路北延伸の供用開始攻撃に対し、これを粉砕して廃港まで闘う決意をこめた「弾劾声明」を、10月20日市東孝雄さん農地裁判の記者会見で発表した。革共同は反対同盟との血盟にかけて、三里塚闘争に勝利することをあらためて宣言する。

 ◆弾劾声明◆

 わが反対同盟は、政府権力・国交省と成田空港会社による10・22暫定滑走路北延伸の前倒し供用を怒りをこめて弾劾する。北延伸がもたらすものは欠陥空港のさらなる危険である。滑走路南端の航空機横断と東関東自動車道の航空保安区域通過、「へ」の字誘導路手前の停止撤廃など、民営化と利益追求による人命軽視は絶対に認められない。
 だが問題はそればかりではない。国交省と空港会社は北延伸に続けて、天神峰現闘本部の破壊と市東孝雄さんの農地強奪を策動している。「第3の誘導路」で市東さんの家と畑を空港の中に囲い込み、東峰地区を追い出してコンクリートの下にしようとしている。飛行直下の住民の暮らしを同時並行離着陸でおびやかし、「年間飛行回数30万回」「24時間空港化」をねらっている。まさに71年強制代執行と変わらぬ農地収用、騒音下住民への犠牲の強要だ。
 反対同盟は10・11全国総決起集会で宣言したように、農地死守・実力闘争で敢然と立ち向かう決意である。
 さらに、前原国土交通相の一連の発言と、森田知事や空港周辺首長の無責任な暴言を許すわけにはいかない。10月13日、前原国交相は羽田を国際拠点空港(ハブ空港)とする考えを表明した。これに対して知事や周辺首長が「寝耳に水」「民主主義に反する」などと騒いでいるが噴飯ものだ。国の言うままに住民の声を踏みにじり、空港づくりを推進したのは当の首長たちではないか。「年間30万回」で経済波及効果が「1兆1388億円」(成田国際空港都市づくり推進会議)などという無責任なデマ宣伝はなんだ!
 これに対して、反対同盟は空港建設の不当を訴え一貫して闘い続けてきた。その正しさが今、明らかになったのである。成田空港の破綻は、農民を虫けらのように扱ってきた暴挙の結果である。
 しかも前原発言は成田からの撤退を意味するものではない。成田空港の破綻は、住民への攻撃をいっそう激しくさせる。それが10・22供用攻撃であり、現闘本部破壊策動、市東さんの農地強奪攻撃、東峰地区の追い出し攻撃だ。大恐慌は戦争をもたらす。航空需要が底なしに下がり続ける今、「年間30万回」「24時間空港化」を打ちだすのは、鳩山政権が鳴り物入りで掲げる「東アジア共同体」構想と軍事空港建設のためである。
 成田空港は廃港あるのみ。反対同盟は闘いの正義と勝利を確信し不屈に闘う決意である。
 2009年10月20日
 三里塚芝山連合空港反対同盟