2009年10月26日

迎賓館・横田爆取 攻めの弁護側立証へ冒陳

週刊『前進』06頁(2413号6面2)(2009/10/26)

迎賓館・横田爆取 私たちは無実だ!
 攻めの弁護側立証へ冒陳

 10月15日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判・差し戻し審第18回公判が開かれた。前回に引き続き弁護側冒頭陳述が行われた。
 前回の冒陳で、あらためて控訴審での「一審無罪破棄・差し戻し」判決を批判・弾劾し、差し戻し審検察立証の破産を突きつけるとともに、弁護側立証において、とりわけ「金沢借家関連証拠」と「関之沢林道関連証拠」立証の無意味さを徹底的に明らかにすることを宣言した。
 その上で、今回の冒陳(その2)では、岩手借家からの膨大な押収メモの証拠開示をかちとった地平を踏まえ、その調査・分析から、あらためて検察官が「本件の証拠」だとしている岩手借家押収メモは、本件とはまったく関係がなく、鍋爆弾関係のものでしかないことを明らかにする弁護側立証を行うことを宣言した。
 その核心は何か。検察官と控訴審判決は「飛翔(ひしょう)弾と鍋爆弾は原理的な違いがあるのだから、鍋爆弾の製造のために飛翔弾関連のメモを書き写すことなど考えられず、したがってメモはまさに本件両事件の飛翔弾そのもののために作られたメモ」と主張している。これに対し、弁護側は「鍋爆弾は普通に容器を破壊するだけの通常の爆弾とは違い、内蔵された散弾を前方に扇形に飛散させる『指向性散弾』としての構造と機能を有し、一種の砲と言える。したがって鍋爆弾の開発・製造のために砲や飛翔弾に関する資料を参考にしたとしても、それは当然なことだ」と立証するのだ。
 岩手借家は鍋爆弾開発・製造のためのものであって、迎賓館・横田事件とはなんら関係がない。と同時に、岩手借家が鍋爆弾とも飛翔弾とも無関係の一般的な倉庫として利用されていたことも、新証拠により明らかになりつつある。次回公判において、冒陳(その3)を行うことになっている。
 さらに、検察官と控訴審判決は、「本件両事件で使用されたのと同じ信管を製造し、炸薬(さくやく)を装填(そうてん)するものは3名以外にいない」と何の根拠もなく決めつけているが、実は3同志の逮捕後も、同種・同構造の砲弾や信管、炸薬が使用された飛翔弾戦闘は多数敢行されており、この事実は、3同志以外に砲弾の開発・製造グループが存在していることを示している。権力による捜査資料と新聞報道を証拠として示して、この点を明らかにする。
 公判冒頭、3同志が次々立って意見表明を行った。「私たちは無実だ!」という叫び、22年間、無実であるにもかかわらず、被告席に立たされ続けていることに対する怒り、16年にもわたる徹底審理の末に出された無罪判決に対し、政治的思惑のみで出された「破棄・差し戻し」高裁判決への怒りを煮えたぎらせ、デッチあげ弾圧裁判を断じて許さず、必ずや無罪判決をかちとるという裂帛(れっぱく)の意見表明は、満杯の傍聴席のみならず、法廷全体を圧する迫力だった。
 しかし、林裁判長は動揺しつつも開き直り、年内論告求刑・来春判決の策動を強めている。迎賓館・横田裁判はまさに決戦局面に突入している。11・1全国労働者総決起集会1万人総決起をかちとり、その力で裁判所を追いつめ、デッチあげ弾圧を粉砕し勝利しよう。次回、11月24日の公判に全力で結集しよう。