2009年11月16日

市東さん耕作権裁判 藤崎メモはデタラメ

週刊『前進』06頁(2416号6面3)(2009/11/16)

市東さん耕作権裁判
 藤崎メモはデタラメ
 尋問拒むNAAに怒り

 現闘本部裁判に先立つ11月9日、千葉地裁で反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判の第13回口頭弁論が開かれ、反対同盟、顧問弁護団、傍聴に駆けつけた労働者・学生・市民が一体で闘った。
 NAAは市東さんの耕作地の一部を「不法耕作」と決めつけ、明け渡しを求めている。農民が祖父の代から耕し続け、現に毎年豊かな作物を実らせている土地を強奪しようとするデタラメで恥知らずな提訴だ。だが不正・違法が暴き出されたのは、NAAの側だ。
 今回弁護団は、市東家の耕作地を地主から秘密裏に買収した空港公団(後のNAA)が、農地法違反となる不在地主であったこと、青柳鑑定書に基づいてNAAの土地特定がデタラメであることをとことん追及する準備書面を提出した。
 NAAによる土地の位置特定(契約地がどこからどこまでか)の根拠は、信用性が限りなくゼロに近い旧地主・藤崎政吉のメモ、それだけである。実際には市東家が一度も耕したことのない土地を「賃借していた」などと言い張っている始末だ。
 その上、NAAの代理人弁護士は、唯一の証人・藤崎の「証人尋問も陳述書の提出も考えていない」と言い出した。農民を違法呼ばわりして被告席に座らせておいて、その訴えの根拠が審理されることを拒否するとは、盗人猛々しいにもほどがある! 弁護団の追及に呼応して傍聴者も一斉に弾劾した。
 追いつめられたNAAに助け船を出すために菅原崇裁判長は「今後の進行について別に協議をやろう」と言ってその場を切り抜けようとしたが、弁護団はこの密室協議提案をきっぱりはねつけ、あくまで弁論の中で決めるべきだと突きつけた。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見が開かれた。市東孝雄さんの「裁判が進むにつれてNAA側のひどいやり方が一層明らかになった。今後どんどん追及する」との闘志あふれるあいさつに、大きな拍手が送られた。さらに弁護団が次々と立って、法廷での応酬の内容をたどりながら、反対同盟とともに全力で裁判に勝利する決意を表明した。記者、傍聴者との間での熱心な質疑応答が続いた。次回耕作権裁判は来年の2月1日。
 10・11三里塚—11・1労働者集会—11・8訪韓闘争が労農連帯・国際連帯の力で大爆発した。反対同盟の「農地死守」を貫く不屈の闘いが日帝・NAAを決定的に追いつめている。市東さんの農地と現闘本部の存在が、への字に曲がった誘導路の現実を強制し続けている。絶対に守りぬこう! 裁判、現地攻防を全力で闘いぬき、成田を廃港に追い込もう。