2010年1月25日

韓国、今春ゼネストへ

週刊『前進』06頁(2424号3面3)(2009/01/25)

韓国、今春ゼネストへ

 労働法改悪弾劾! 民主労組抹殺に反撃を

 韓国・イミョンバク政権は、2010年1月1日午前2時6分、キムヒョンオ国会議長が職権上程した労働法改悪を強行採決した。在籍議員175人中、賛成173、反対1、棄権1。これは298議席中、169議席を有する与党ハンナラ党による大暴挙だ。
 この労働関係法案は、12月31日までに改正されなければ複数労組全面許容・専従者賃金支給禁止条項が1月1日付で施行されるはずだった。ところが、キムヒョンオ議長は新年早々の0時30分に審議を開始し、労働関係法案を含む13本の法案を処理するという暴挙に出た。
 今回の「労働組合および労働関係調整法」改悪により「労組専従者賃金支給禁止」(現行は資本・使用者側が労組専従者の賃金を支給)は今年7月1日に施行、「複数労組許容」は来年7月1日施行と決まった。
 しかし、複数労組が許容されても、労使交渉の窓口は過半数を占める労組にしか認められない。この「窓口単一化」により、使用者側が同意しない限り、少数労組(非正規職、産別労組など)には団体交渉権が認められない。憲法に保障された団体交渉権を剥奪(はくだつ)し、民主労組を抹殺しようという極悪条項なのだ。
 さらに、専従者賃金支給を禁止する代わりに「労使共同活動と健全な労使関係発展のための労組維持・管理業務」に資本が賃金を払うタイムオフ(有給勤務時間免除)制度が導入された。
 タイムオフ制の適用対象は労働部に「勤務時間免除審議委員会」を設置して決められる。労組専従の活動内容と範囲が制限されることとなり、審議委員会をとおして公然と政財界が労組活動に介入し、労組を組み敷こうとすることが狙いだ。そもそも「労使共同活動」「健全な労使関係発展」など、絶対粉砕あるのみだ。
 現在、民主労総は闘う執行部確立に向けて選挙(1・28代議員大会で投開票)のまっ最中である。労資使協調路線で「第3労総」設立をもくろむソウル地下鉄労組執行部が12月に行った民主労総脱退賛否投票で、組合員の選択は投票率91・02%で54・47%が「民主労総脱退反対」との結果が出た。さらに求められているのは絶対反対で闘う方針である。
 大恐慌下、動労千葉を先頭に1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止決戦を爆発させ、日韓連帯の闘いを推し進めよう。「ゼネストで闘えば勝てる!」が世界の労働者の合言葉だ。

 龍山惨事から1年 葬儀に5000人参列

 2009年1月20日、ソウル市ヨンサン(龍山)区に立つ5階建てビルには30人あまりの住民が籠城(ろうじょう)し、再開発計画による追い出しに抵抗していた。午前6時45分、その屋上に警察特攻隊が投入された。激しい攻防でビルは炎上、撤去民5人が焼死する大惨事となった。
 遺族らは真相究明と謝罪、責任者処罰を要求したが、検察は「住民が投げた火炎瓶で焼け死んだ」との一方的な調査結果を発表し、「特殊公務執行妨害致死罪」容疑で7人を拘束し、3人を指名手配。10月29日の一審判決では重刑判決が下された。
 12月30日には、ソウル市とヨンサン汎国民対策委員会の交渉が「ヨンサン惨事に対する政府の責任」を認めることで合意し、国務総理の謝罪をかちとった。遺族は「当初要求した真相究明と責任者処罰はできなかった。これからも真相究明と責任者の処罰、拘束者の釈放まで闘っていく」「すっきりはしないが、これ以上、烈士たちの遺体を冷凍庫の中に置いたままにはできない」と無念を語った。
 葬儀に向けて募集された「葬儀委員」には4日ほどで約8500人が集まり、1月9日にソウル駅前で開かれた告別式には、みぞれの中、5000人が参列し、ヨンサンの現場まで長いデモが続いた。だがこの葬列の行く手まで警察は妨害し、路祭会場までの道のりは遠かった。遺族の肩に雪が降り積もる中、金属労組キリュン電子分会のキムソヨン分会長の司会で路祭が行われた。
 昨年11月、動労千葉訪韓団はヨンサン惨事の現場を訪ね、遺族・ヨンサン汎国民対策委員会と交流し、ともに「ヨンサン事態解決要求! 非正規職撤廃! 闘争決意大会」に参加した。掲げられていたスローガンは「殺人解雇! 殺人開発反対!」だった。今こそゼネストへの機運がみなぎる現場組合員の怒りを解き放ち、労働者の団結ですべてを取り戻そう。