2010年2月22日

与党党への「白紙委任」を拒否し解雇撤回・外注化阻止へ総決起を 国鉄闘争の重大局面に際し訴える

週刊『前進』06頁(2428号2面1)(2010/02/22)

与党3党への「白紙委任」を拒否し解雇撤回・外注化阻止へ総決起を
 国鉄闘争の重大局面に際し訴える

 国鉄1047名闘争は、その解体を許すのか、あくまで解雇撤回を貫くのかという、かつてない重大な決戦を迎えている。民主党・連合政権は、全体重をかけて1047名闘争の解体に乗り出してきた。自民党を含む支配階級やJR資本、JR総連カクマルはもとより、4者4団体路線のもとで闘いを内部から破壊しようとうごめいてきた日本共産党や社会主義協会派など、一切の体制内勢力がここに群がり、1047名闘争の終結に向けて全力を挙げ始めた。われわれは重大な決意を込めて、この策動を根底から粉砕する総力戦に立つ。

 4党合意の二の舞い

 4者4団体は2月3日、「和解協議の場を設けようとしない鉄道運輸機構に対し抗議する」とする声明を出した。この背後には、与党が1047名闘争の最後的解体に向けて動き始めたという事態がある。
 4者4団体は1月27日、鉄運機構に対し、協議の場を設けるよう要請したが、鉄運機構は「あまりにも要求に隔たりがありすぎて、交渉にはなじまない」とこの要請を一蹴した。こうした形で、支配階級は4者4団体指導部に一層の屈服を迫ってきたのである。
 4者4団体一部指導部は、昨年12月25日に民主党、社民党、国民新党の与党3党が鉄運機構に行った申し入れにすがりついている。この申し入れの中で、与党3党は「4者4団体は、最高裁判決で示されたとおりJRに法的責任がないことを確認する」と言い放っている。つまり「JRに法的責任なし」が、「解決」の大前提になっているということだ。これは、00年の4党合意とまったく同じだ。1047名闘争を敗北のうちにたたきつぶすことが、与党3党の目的なのだ。
 与党の「解決案」は、2月末にも出されると言われている。その内容が、「雇用・年金・解決金」という4者4団体の要求を真っ向から踏みにじるものとなることは明らかだ。4者4団体一部指導部は、解雇撤回を捨て、「JRに法的責任なし」をあらためて認めた。その屈服につけ込んだ与党が、なにがしかの金をちらつかせることはあっても、「雇用・年金」の要求など認めるはずがない。
 解決案の策定作業には、国交省政務官の三日月大造もかかわっている。国鉄分割・民営化の先兵になったJR連合の三日月に、4者4団体一部指導部は1047名の命運をゆだねたのだ。
 4者4団体主催の2・16集会は、「政府を刺激しないために」としてデモもやらず、労働者の誇りをことごとく敵に売り渡す惨状を呈した。こうした4者4団体一部指導部の屈服が、屈辱的「解決案」で1047名闘争を終わらせる敵の攻撃を引き出したのだ。
 2月3日の4者4団体の声明は、与党から解決案が示されれば、無条件でそれを受諾するということにほかならない。4者4団体一部指導部は、3与党に一切を「白紙委任」し、そうした「解決」へのあらかじめの屈服を闘争団員から取り付けようと必死になってあがいている。
 彼らの裏切りはそれにとどまらない。敵階級の攻撃は、国鉄分割・民営化に対する抵抗の一切を根絶し、国鉄分割・民営化に反動的に決着をつけるということだ。そして、検修外注化を軸とするJRの大合理化を強行するとともに、全産別において外注化・非正規職化の攻撃を一層推し進めるということだ。4者4団体一部指導部は、その攻撃の最先兵になったのである。

 原点は“解雇撤回”だ

 だが、1047名が解雇撤回なき屈辱的「解決」を認めることなど断じてありえない。1047名は、こんな屈辱にまみれるために闘ってきたのではない。労働者の誇りを奪うことは誰にもできない。解雇撤回・JR復帰こそ労働者の魂であり、1047名闘争の原点だ。
 1047名闘争の意義は、今日ますます明らかになっている。
 大恐慌情勢下、日本帝国主義には〈戦争・改憲、民営化・労組破壊〉の攻撃を貫く以外にいかなる延命策もない。その攻撃は、とりわけ4大産別労組に集中している。北海道教職員組合に対する攻撃は、民主党・連合政権下で4大産別をめぐる攻防が決定的な焦点になっていることをあらためて突き出した。
 この間、民主党・連合政権がやってきたことは何か。社会保険庁労働者525人の分限免職と非正規職化、日航労働者1万6千人の首切りと年金大幅削減だ。大恐慌情勢下、ブルジョアジーは徹底的な首切りと外注化・非正規職化の攻撃を、今まで以上に激化させている。だからこそ彼らは、1047名闘争をたたき伏せようとしているのだ。1047名闘争の継続は、日本帝国主義の打倒に直結するからだ。
 だが、大首切りと極限的な賃下げ、非正規職化に対する労働者の怒りは、青年を先頭に激しく噴出しつつある。その怒りが1047名闘争と結合し、闘いに転化することを民主党・連合政権は心底恐れているのである。その恐怖は、JR総連カクマルや日本共産党、社会主義協会派など、一切の体制内労組幹部にも共通する。彼らは、1047名闘争の圧殺者となることによって、延命を図ろうと策している。

 JR体制打倒と一体

 民主党・連合政権が仕掛けてきたこの攻撃を打ち破った時、1047名闘争は勝利の道を突き進むことができる。大恐慌情勢下、ますます激化する資本の攻撃に対する労働者の怒りを束ね、その先頭に立って闘いぬけば、JR資本や国家権力を打倒して、解雇撤回を手にすることができるのだ。
 国鉄分割・民営化以来の新自由主義の攻撃への、労働者の怒りの反撃は開始されつつある。動労千葉の2月1〜2日の48時間ストライキと2月13日の全国労働者総決起集会は、JR東日本の検修外注化を阻止し、1047名の解雇撤回を労働者の実力によって実現する圧倒的な展望を押し開いた。
 2月13日、動労千葉とともに決起した1850人の労働者は、JR東日本本社を直撃するデモを貫徹し、「1047名解雇撤回」の怒りのシュプレヒコールをとどろかせた。
 ここに、1047名解雇撤回をかちとる現実的な勝利の道が指し示された。動労千葉を先頭とする11月集会派は、国鉄闘争を勝利に導く主導勢力に躍り出たのである。
 今、JR東日本は検修部門外注化を切っ先に、第2の国鉄分割・民営化と言える激しい合理化攻撃に乗り出している。だが、これに対する断固とした反撃は、JR体制を根底から揺り動かし、国鉄分割・民営化体制打倒の突破口を押し開いている。
 とりわけ、動労千葉に結集した平成採の青年労働者の怒りが、この闘いを牽引したことは決定的だ。検修外注化に対する青年労働者の怒りは、「尼崎事故を絶対に許さない」という決意に裏打ちされて、激しく噴き出している。それは、1047名の首切りを強行したJR総連カクマルへの怒りと結びつき、1047名闘争に続いて闘おうという気運が生まれている。JR体制を覆す闘いは、力強く開始された。この闘いと結合し、階級的労働運動を復権させてこそ、1047名闘争に勝利することができるのだ。

 JR総連を解体せよ

 動労千葉の鉄建公団訴訟は、1047名のJRからの排除が、JR総連カクマルの「不良職員排除」というファシスト的要求と、それを受け入れた現JR東海会長の葛西敬之を始めとする国鉄当局によって強行されたことを暴き出した。
 カクマルと国鉄当局によるこの不正義を打ち砕き、1047名に強いられた屈辱を振り払うためには、解雇撤回を実力でもぎりとる以外にない。
 国労5・27臨大闘争弾圧被告団の闘いは、1047名解雇撤回闘争の正当性と、4党合意を受け入れ、鉄建公団訴訟原告を統制処分にかけようとした国労本部の不正義性を司法権力に認めさせた。その勝利の上に、暴力行為処罰法と共謀認定を根本から打ち砕いた被告団の闘いは、原則を貫けば勝利できることを実証したのだ。
 そこに貫かれているのは1047名解雇撤回をあくまで貫く不動の意志だ。これは本来、1047名の一人ひとりが持っていたものだ。その原点を今こそ貫こうではないか。
 4者4団体一部指導部による屈辱的「解決」を打ち砕き、あくまで解雇撤回へ闘おう。国鉄分割・民営化以来の24年の苦難に満ちた闘いが真の勝利を実現する時は来ているのである。