2010年4月 5日

「団結街道」廃道化実力阻止を 3・28三里塚 “軍事空港反対へ沖縄と連帯”

週刊『前進』08頁(2434号3面1)(2010/04/05)

「団結街道」廃道化実力阻止を
 3・28三里塚 “軍事空港反対へ沖縄と連帯”

 3・28三里塚現地闘争(記事1面)は、労農連帯の絆をいっそう固め、団結街道廃止絶対阻止と沖縄との連帯を宣言した。反対同盟を始め集会での主な発言(要旨)を紹介します。(編集局)

 われわれには正義の抵抗権がある 主催者あいさつ 事務局長 北原鉱治さん

 冷たい風が吹いておりますが心は燃えています。皆さんよく集まってくれました。
 この三里塚の大地に立って無様な成田空港の姿をご覧ください。本当なら30年も前に3本の滑走路ができて完成していなければならないはずの空港が、半分しかできていない。われわれの闘いに大義があるからだ。
 今法政大学では、ビラをまいただけでいわれなき罪名を着せられて逮捕される事態が起きている。これで若者が未来を描けるだろうか。学生諸君の交流と語らいの場所であるキャンパスは自由でなければならない。一人ひとりが立ち上がり、社会を変えるときだ。
 現闘本部裁判判決で仮執行を粉砕したが、成田市は団結街道を廃道にする計画を出してきた。そこには同盟員の市東孝雄さんが住んでいる。あの道は市東さんの生活道路であり、多くの人びとも利用してきた。市道だから市が勝手に廃道にできるのか。NAAは第3誘導路をつくって、市東さんの住居と畑を空港の中に囲い込んでしまおうとしている。成田市はこれと一体となって廃道を進めようとしている。自分たちの利益のためには人の生活と生命を奪ってもかまわないという攻撃だ。これが人間のすることか! われわれの正義の抵抗権がここに生まれる。
 「アジア防衛」という名のもとに、有事の際にはこの空港に50万人の米軍がやってくるという。このような矛盾空港、軍事空港は廃港に追い込む以外にない。それはわれわれの闘いによってかちとるべきものです。反対同盟はその先頭を切って闘います。今日を闘いの出撃の一歩としよう。

 反対同盟は火の玉となって闘う決意 基調報告 事務局次長 萩原進さん

 第一に、三里塚は文字どおりの決戦を迎えた。鳩山政権のもとで民衆に背を向けた政治が行われ、空港問題でもわれわれが闘わなければ生きられない状況が作り出されている。1本の滑走路に3本目の誘導路をつくるため、団結街道を封鎖し廃道化するだと。そこには人がいる。畑や部落がある。こんなことが許せるか! また2500㍍の滑走路を供用したとたんに、そのわきに3500㍍滑走路をもう一本つくるなどと言い出す。こんなとんでもない空港だから44年たっても完成しない。われわれが闘わなければこの社会はますますおかしくなる。こんな空港をぶっつぶしてこそ世の中は変わるのだ。
 第二に、今日の恐慌のもとでもはや支配階級は労働者を食わせることもできなくなった。だから常識では考えられない攻撃がやってくる。法大では学生に200㍍より近づくなという決定が出た。三里塚では、成田治安法で半径3㌔内に住んではならないとされた。三里塚は日本の悪政の縮図だ。農家への戸別所得補償制度なるものも20年前の米価より低い価格を基準にしている。こんなものにだまされない。今の政権を倒す闘いの先頭に三里塚が立つ。動労千葉と共同の闘いとして、安全を投げ捨てたJR東日本を倒す闘いに立つ。
 第三に、軍事空港反対の闘いとして、沖縄との連帯をとことん求めていく。われわれ自身が沖縄の地に出向き、4月25日の県民大会に参加し、反対同盟の旗を打ち立て沖縄人民とともに闘い、本土の決起をも促す。
 第四に、成田市議会で決議された団結街道廃道化、第3誘導路の認可申請などの攻撃が早められてくるだろう。われわれは現闘本部裁判で2月25日の判決当日を徹底的に闘い、敵の一番の狙いであった仮執行による即時撤去の策動を打ち砕いた。われわれは裁判闘争を闘うと同時に、廃道阻止決戦の時は全国に呼びかけて断固実力闘争を展開する。この4〜5月に緊急動員、緊急闘争とともに、全国集会を呼びかける可能性もあることも肝に銘じていただきたい。秋の10・10全国集会の大爆発に向けて、勝利の大道を歩むために、反対同盟はまなじりを決し、火の玉となって闘うことを決意します。

 移転強要に負けずともに農地を守る 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 団結街道を廃道にするなど絶対に受け入れることはできません。市議会が決議を出したが、私は天神峰に住んでいるし、今後もずっと住み続けます。まったく怒りに堪えません。
 第3誘導路の建設を口実にしているが、これも場当たり的ででたらめな空港づくりの結果だと思います。
 成田市長の小泉は、私のことを「交差点の真中に住むようなものだ」と言うが、そういう状況をつくり移転を迫っているのは誰だ、小泉市長、お前だ! 
 うちから畑までは団結街道を直線で500㍍だが、市が示した迂回ルートは1・8㌔、3倍の距離です。まったく嫌がらせとしか思えない。成田市は人権をなんだと思っているのか。私はこの不当と徹底的に闘う。
 昨年初めて沖縄に行ってきました。私は辺野古の海を忘れることができません。あそこに基地をつくるとはもってのほかです。基地と戦争に反対する沖縄の人たちととことん連帯して闘おう。
 首切り、賃下げに動労千葉がストライキで闘っています。反対同盟も車の両輪として、ますます動労千葉とのつながりを深くして闘いたいと思います。
 反対同盟は現闘本部裁判で仮執行宣言付きの判決を粉砕し、空港の工事計画をガタガタにしました。NAAはあせりにあせっています。
 どんな嫌がらせや移転強要にも絶対に負けない。皆さんとともに農地を守り、最後の最後まで実力阻止で闘います。みなさん、いざというときには必ず駆けつけてください! 
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 団結街道廃止阻止! 特別決議

 本集会は、成田市による団結街道(市道)の廃道決定を徹底弾劾し、実力で守りぬくことを決議・宣言する。
 廃道決定は徹頭徹尾、悪らつな意図にもとづく暴挙である。いったいなぜ、近隣住民にとっても不可欠の市道をつぶすのか!? ねらいは市東さんに対する、営農妨害と生活破壊による移転の強要だ。
 市道は自宅から畑まで500㍍の直線道である。日に何度も往復する農家の道を廃止して、畑とは逆方向に1・8㌔も危険な道を迂回させる成田市の決定はあまりにも悪質だ。
 廃道の口実にする3本目の誘導路計画は、場当たり的な空港づくりの象徴である。常軌を逸したこの計画で、欠陥は解消するどころか増幅する。市東さん宅を空港内に取り込み騒音を浴びせて移転を迫る攻撃であり、断じて許せない。即刻中止せよ!
 さらに廃道は、反対同盟の本部建物(現闘本部)への通行権をはく奪する暴挙である。
 そもそも、「第3誘導路」の認可申請も出されていない今、なぜ、廃道を強行するのか? それは現闘本部の撤去仮執行判決を見込んだ上のことなのだ。だが、この策謀はものの見事に粉砕された。廃道は悪らつなねらいによる人権侵害と法律破りの極(きわみ)であり、空港会社と共謀した成田市行政による権力犯罪である。
 以上、本集会は成田市による団結街道廃道決定を徹底的に弾劾し、全面撤回を要求する。団結街道廃止阻止を集会の名において決議・宣言する。
 2010年3月28日
 3・28全国総決起集会 参加者一同