2010年5月 3日

5・16三里塚 団結街道廃道化を阻め 市東さんの闘魂に応えよう

週刊『前進』10頁(2438号5面1)(2010/05/03)

5・16三里塚に大結集し団結街道廃道化を阻め
 市東さんの不屈の闘魂に応えよう

 「第3誘導路」攻撃粉砕せよ

 三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけに全力で応え、5・16現地闘争へ大結集しよう。三里塚闘争の創成期以来、40年を超えて守り固めてきた反対同盟との血盟の真価が今こそ問われるときだ。団結街道廃道化—第3誘導路建設の攻撃を実力で粉砕せよ!
 国鉄を先頭とする4大産別の闘い、沖縄米軍基地撤去の闘い、法大解放闘争がいずれも火を噴く中で、三里塚闘争もまた市東孝雄さんの農地をめぐる直接の決戦となったことはけっして偶然ではない。まさに日本階級闘争が築いてきた労働者人民の不屈の抵抗闘争の拠点が、例外なく日帝国家権力・支配階級との激突局面を迎えたのである。われわれは革命の現実性を一層手元にたぐり寄せている手応えを実感しつつ、この正念場を全力で闘いぬき勝利しよう。反対同盟とともに「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて、成田空港を廃港へたたきこもう!

 追い出しだけが目的の工事

 成田市当局と成田市議会は空港会社(NAA)の手先と成り果て、天神峰の団結街道(市道)を廃道化することをすでに”決定”した。市は5月20日をもって市道の所有権をNAAに移譲するとしている。これ以降NAAの判断で道の封鎖・破壊にいつでも着手するということだ。
 NAAは4月2日、国土交通省に対して第3誘導路の認可申請を行った。5月24日にはその「公聴会」が開かれようとしている。そして認可が下りればこの6月から7月にも工事を開始し、2013年3月の完成を目指すとしている。工事費は200億円とも言われるとてつもないものだ。団結街道を杭と鉄板と鉄線で封鎖し、ダンプと重機をひっきりなしに往復させ、天神峰部落のど真ん中を大騒音と振動をまき散らしながら巨大規模の突貫工事でじゅうりんする、という追い出しだけが目的の暴挙だ。
 成田市は市東さんが農地に行くための「迂回ルート」なるものを示したが(写真地図参照)、現在の3倍もの道のりを交通量の多い県道を通って行かなければならないもので、これ自体が追い出し攻撃の一環である。そこに表されているのは農民・住民の生活への一片の配慮も投げ捨て、空港資本に身も心も投げ売りした行政当局の浅ましい堕落しきった姿だ。

 “ここに住んで農地を耕す”

 団結街道廃道化と第3誘導路の目的は、市東さんの営農をありとあらゆる卑劣な手口を総動員してとことん妨害し、あわよくば市東さんの闘志をくじくこと、それ以外にない。たった一人の農民に立ち退きを迫るために、ここまで法も体裁もかなぐり捨てて金と物量を投入するデタラメな攻撃がかけられてきている。怒りなしに語ることはできない!
 だが、市東さんは明快にこう言い切っている。「こういう攻撃をやられればやられるほど、負けるもんかという気持ちが強くなります。ここに住んで農地を耕し続けることが、自分がここで闘う意味だとますます強く感じています」
 まさに市東さんという一人の農民の存在が、敵の屋台骨をぐらぐらに揺さぶっている。市東さんが頑として存在する限り、への字誘導路は永遠にへの字に曲がったままだ。三里塚44年の不屈の闘いの歴史はこのように、国家暴力にも買収攻撃にも微動だにしないどころか、さらに闘魂をたぎらせて敵に立ち向かう革命的農民を生み出したのだ。闘う者は例外なく、この闘魂に胸を打たれる。そして敵は悲鳴を上げているのである。

 成田は永遠に完成しない!

 成田空港は今ガタガタで、破綻した惨めな姿をさらしている。羽田と一体でアジアのハブ空港をめざすと言っても、世界大恐慌情勢のもとで航空需要は減退し、ジャンボのような大型機は衰退し、日航は破綻して貨物輸送機から完全撤退。年間離発着30万回をめざすと豪語したところで、机上の計算に願望を継ぎ足しただけではどうにもならない。
 採算を度外視して乱造された地方空港の危機と相まって、成田の凋落(ちょうらく)と危機は誰の目にも明らかになっている。空港利権に依存する成田市、芝山町行政や地元の利権屋集団は、このどうしようもない現状に浮足立ち右往左往しているありさまだ。
 何よりも、「国策」を振りかざし機動隊の暴力を使って農業をつぶし農民をたたき出して造った空港という歴史的規定性から逃れることは絶対にできない。だからいくら金に糸目をつけずに周囲の土地を買いあさり施設を継ぎ足しで造っても、反対同盟が節を曲げずに闘っている限り成田は永遠に完成しない欠陥空港なのだ。

 合言葉は「三里塚のように」

 三里塚闘争を過去のものにおとしめようとするあらゆる悪宣伝にもかかわらず、反対同盟の44年間の闘いの現在性はますます明らかになっている。民主党政権が崩壊のふちに立たされている今この時に、「三里塚のように闘う」が合言葉となって広がることを、支配階級は最も恐れているのだ。
 動労千葉の田中康宏委員長がたびたび強調しているように、三里塚が決戦の時は国鉄も必ず決戦を迎える。それは動労千葉と並んで三里塚が、まさに日本革命の勝利を切り開く労農連帯の拠点であり、国家権力にとってはここをつぶさない限り枕を高くして眠ることができないからである。
 土地も農業も人の心も、あらゆるものを金勘定に換算してきた新自由主義攻撃に対して三里塚闘争はこれに屈服せず完全にたたき返し、つねに闘う人民の進むべき道を示してきた。
 これが誇るべき44年の歴史だ。全学連もこの実力闘争の中でとことん鍛えられた歴史を負って、今日の法大闘争に立ち上がっている。そして三里塚は、米軍基地撤去を求める沖縄の闘いと相呼応して一つになり、国境をも越えて全世界の闘う人びとの連帯を呼び起こしている。韓国民主労総の労働者が三里塚に心からの共感を寄せている。
 1047名闘争の「政治解決案」=屈服を拒否して闘う国鉄労働者を先頭に、労働者階級が市東さんの闘いを守り、自らの職場で「三里塚のように」を合言葉に闘おう。
 全国の労農学は5・16闘争に大結集し、東峰から天神峰への戦闘的デモを爆発させ、市東さんとともに敵のあせりにみちた団結街道破壊のもくろみを打ち砕こう。
-------------------------
 集会要項
 団結街道閉鎖阻止! 第3誘導路計画粉砕! 基地撤去を闘う沖縄闘争連帯
 5・16三里塚現地闘争
 5月16日(日) 午後1時半
 成田市東峰 反対同盟員所有地
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
※会場へは成田駅からタクシーで東峰十字路まで約2500円