■国際労働運動の暦 7月10日 ■1957年国鉄新潟闘争■ 国鉄労働者の戦闘性 57春闘に対する処分に勤務時間内職場大会と強力順法で「スト」拡大

月刊『国際労働運動』48頁(0455号07面01)(2014/07/01)


■国際労働運動の暦 7月10日
 ■1957年国鉄新潟闘争■
 国鉄労働者の戦闘性
 57春闘に対する処分に勤務時間内職場大会と強力順法で「スト」拡大

(写真 列車が完全にストップし、森閑とした新潟駅ホーム)

 国鉄新潟闘争とは、1957年の国鉄労働者の激しい処分撤回闘争である。
 57年春闘の主力単産として闘った国鉄労働組合(国労)に対して国鉄当局は大量不当処分をもって応え、これに対する抗議闘争に対しても、第2次処分、第3次処分を連発した。

▼革同の拠点だった新潟

 スト権を剥奪されている国労は、順法闘争か職場集会という闘争手段をもって事実上のストライキをかちとってきた。労働者として当然の実力闘争であった。全国各地で時間内職場集会として激突が繰り広げられた。とりわけ激しく闘ったのが国労新潟地本だった。
 革同(注)の拠点だった国労新潟地本は、度重なる処分攻撃に対して、7月10日から激しい実力闘争に突入した。1週間にわたって列車を次々止め、大きな影響が出た。
 6月22日から松山で開かれた国労定期全国大会では、処分撤回闘争方針は一応出されたが、本部の本音は「敵の攻撃が厳しい時は姿勢を低く」という「長期低姿勢」路線だった。
 7月9日に、新潟局は解雇2人を含む処分を出した。これに対して、新潟地本は連日の激しい闘争に突入した。10日、勤務時間内職場集会は夜までに26カ所に拡大した。強力順法闘争が併せて行われ、運休、遅延を拡大した。各所で出動した鉄道公安と衝突した。この日、機労(国鉄機関車労組。57年に動力車労組に改称)新潟支部も11日からの無期限超勤拒否、臨時列車運転拒否などを決め、県労協も支援行動を決定した。苦情を言ってくる乗客もいたが、組合側は率直に闘いの意義を訴え、ともに闘うことを求めた。組合の主張を理解した労働者が他の乗客に訴える場面も各所で生まれた。
 闘いの爆発による輸送の大混乱に対して、新潟鉄道管理局の河村局長は事態収拾の姿勢を示さず、「こうなったら、どちらがへたばるか、とことんまでやる」とうそぶいた。河村は積極的に警察権力の出動を要請し、それと一体化して闘いの鎮圧に奔走した。だが、闘いは連日続き、11日は45カ所、958人が参加。12日も17カ所、13日32カ所、14日64カ所に及び、列車運行はまったくがたがたになった。まさに力勝負だった。敵の大言壮語は、労働者の迫力に圧倒された者の虚勢でしかなかった。
 15日には権力の弾圧で5人が検挙され、それに抗議して全職場無期限の職場集会の指令が下りた。142カ所3082人が参加、運休は旅客19本、貨物列車114本。
 16日もその態勢は続き、全列車が止まった。これに対し、本部中闘より新潟地本に中止指令が下りた。そして地本がこれを受け入れて闘争態勢を解除した途端、4人に免職が発表された。翌17日には15人の免職処分が追加された。

▼第2組合との闘い

 闘争の中止と当局の処分に呼応するように第2組合の策動が表面化した。明らかに河村局長ら当局によってそそのかされた動きだった。つまり、第2組合策動は国労つぶしの不当労働行為そのものだった。そして9月1日に、国鉄新潟地方労働組合(新地労)が3千人で結成に至った。このことは、「闘えば分裂する」「闘っても勝てない」という戦後日本労働運動の「常識」を定着させるかのようであった。
 だが、それは違う。資本と国家権力とは労働者階級の利害は相いれないのであって、闘って打ち倒す以外に方法はないのだ。そのことを7月の連日の闘いの中で知った多くの労働者が存在した。そしてそれは創成期の革命的共産主義運動と深く結びつき、突き動かした。59年の革共同全国委員会の結成は、まさに新潟闘争を継承してかちとられたものだ。
 (注)革同 国労革新同志会。当時の労農党系、「マルクス・レーニン主義、社共統一促進」を掲げる。その後、日本共産党と一体化し、国労内の日共グループという存在に転化。民同を補完する役割に甘んじることになる。
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1957年国鉄新潟闘争

1.28 国労中央委員会、春闘方針を決定
2.21 第1波(21~)2波(26~)職場集会
3.23 「抜き打ちスト」全国的に空前の闘争
5. 9 春闘処分、19人解雇など計583人処分
5.11 処分撤回要求し3時間職場大会
6. 4 運転部門以外で半日職場大会
6. 6 処分反対闘争の処分、解雇1人など
6.13 処分撤回、職場集会で貨物71本運休
6.22 国労大会、処分に「長期低姿勢」論
7. 8 地本幹部2人に懲戒免職
7.10 中闘指令により勤務時間内職場集会
7.15 5人検挙。全職場無期限の職場集会
7.16 中闘より中止指令。4人免職発表
7.17 15人免職処分追加
7.21 分裂組織準備会
8. 3 総評大会、新潟問題で論議
8.25 新潟地本定期大会
9. 1 国鉄新潟地方労働組合(新地労)結成
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