2008年3月31日

労働者の力で戦争止めるぞ!

週刊『前進』06頁(2337号3面1)(2008/03/31)
労働者の力で戦争止めるぞ!
 3・16闘争へ国際連帯のメッセージ
 "自らの生産点で自らの力行使を"

 3・16イラク反戦5周年の全世界一斉デモは、日本においては1350人を結集した東京・代々木公園での集会と4人の青年労働者の不当逮捕を跳ね返して闘われた渋谷デモを先頭に、全国17都市で戦闘的に闘われた。この代々木公園の集会には集会実行委員会の要請にこたえてアメリカのILWU(国際港湾倉庫労働組合)、CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)、韓国の民主労総ソウル地域本部、イギリスのSSAW(反戦中高生連合)と、沖縄・辺野古で闘う青年労働者の富田晋さんからメッセージが寄せられた。海外からの四つのメッセージを紹介します。(編集局)

 第1章 即時撤兵要求しメーデーの日に西海岸を封鎖する 米・ILWUローカル10執行委員 ジャック・ヘイマン

 動労千葉の皆さん、結集された兄弟姉妹の皆さん!
 アメリカ西海岸から、熱い国際連帯のあいさつを送ります。
 国際的な労働者の日・メーデーに、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)は、イラクとアフガニスタンへの帝国主義戦争の終結と即時撤兵を要求して、アメリカ西海岸の全港湾を封鎖する闘いに立ちます。この歴史的行動は、動労千葉にも参加いただいて昨年サンフランシスコで開催した「10・20戦争阻止労働者国際会議」をもって可能となりました。
 私たちはそこで「(共和・民主の)双方の資本主義政党が戦争に金を注ぎ込み続ける一方、アメリカと世界の圧倒的多数の人民はこの戦争に反対している。だから、労働者はこの血塗られた戦争に終わりを告げさせるために、自らの生産点において自らの力を行使しなければならない」と、宣言しました。
 私たちは、平和のためのこの歴史的な行動に多くの労働組合が参加することを呼びかけています。
 08春闘の勝利を祈念します。私たちとともに、"労働者の力で戦争を止めるぞ! 団結しよう!"のシュプレヒコールを上げ、力強いデモンストレーションを展開しましょう!

 第2章 新保守主義と戦争・抑圧に抗し団結して闘っている 米・CAMS代表 アーリーン・イノウエ

 CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)は、平和で人間的な世界を目指し、アメリカ、とりわけロサンゼルスにおいて、公立学校の非軍事化のためにともに活動する生徒、教師、保護者およびコミュニティーの連合体です。
 私たちは、イラク、アフガニスタン、イランへの戦争に反対する日本の労働者・学生の皆さんと連帯して闘います。
 わたし自身、日系3世として、日本における反戦・平和運動、とりわけずばりと物を言う勇敢な学生たちをとても誇りにしています。皆さんの闘いは、民営化、軍国主義化、グローバリゼーション、そして政府によるトップダウンの教育支配という現状を、けっして受動的に受け入れていないことを世界に示していく素晴らしい闘いです。そして、確固たる立場に立って組織化をしていくことがいかに重要であり決定的かを踏まえ、企業とその特権的な利益に反対して、労働者階級を組織化していく重要な闘いでもあります。
 ここアメリカでも、大きな都市の高校・大学において、戦争に反対し、軍国主義に抗する活発な学生運動が展開されています。この運動は全国に展開し、数百の闘うグループと数千人の学生が参加して、新保守主義の諸政策、終わりなき戦争と抑圧に抗し団結して闘っています。
 日本の社会構造に内包する伝統や組織を変革することは容易でないことは十分理解しています。しかし、恐怖と戦争、組合破壊、そして民営化と肥え太る企業のもとでの格差拡大という悲惨な結果を招いている「アメリカ」の道を進んではなりません。間違いを知っていながら沈黙することは許されません!
 日本の兄弟姉妹の皆さん、ガンバって! 私たちは皆さんとともにあります。
 変わらぬ連帯を込めて。

 第3章 全世界の労働者の団結で侵略戦争をやめさせよう 韓国・民主労総ソウル地域本部

 イラク侵略5年、3・16国際共同反戦行動にあたっての日本の同志たちへのメッセージ
 全世界の反戦世論にもかかわらずアメリカがイラク侵略戦争を敢行してから5年がたちました。
 イラク侵略戦争は、アメリカ主導による新たな世界秩序を構築するために強行されました。また、イラクの莫大(ばくだい)な石油資源を独占するための石油戦争であり、軍事複合体であるアメリカ軍需産業の莫大な利益のための醜悪な戦争でした。
 アメリカが戦争の大義として掲げたのは、イラクとアルカイダの連携説、大量虐殺兵器の保有などでしたが、事実でないことが明らかになりました。アメリカの覇権のために強行された戦争はイラクだけでなくアフガニスタンでも行われ、韓半島を脅かし、イランをも脅かしています。
 イラク戦争は、いかなる大義もない戦争です。戦争は大量虐殺をもたらす人類の災厄です。イギリスのウォッチャーによると、アメリカの侵略戦争によるイラクの民間人犠牲者は120万人を超えたといいます。多くの子どもたちと女性が爆撃と地雷で犠牲になりました。さらに多くの子どもたちが、栄養失調や感染症により、ろくに治療も受けられないまま死亡し、いまこの瞬間にも死んでいます。戦争屋どもによって罪なき命が犠牲になりました。
 こうした非人間的かつ反文明的な行為に対し、全世界の労働者民衆は、戦争反対と平和のために闘いをくりひろげてきました。人種や民族、国家を越えて反戦平和の国際共同行動をとおして、侵略勢力の戦争中止を要求し、戦争挑発を阻んできました。イラク戦争に反対する強力な国際的連帯があったために、イランに、ベネズエラに戦争が拡大することを阻むことができました。
 やつらには銃剣と軍隊がありますが、われわれには平和に対する願いと、人間に対する愛と、強固な連帯がありました。日本で、韓国で、アメリカ、イギリス、ドイツ、インド、ブラジル、南アフリカなど世界各地で、抵抗と、新たな世界に対する熱望、反戦平和闘争がありました。
 イラク侵略戦争5年! われわれの努力は続いています。日本の同志たちの反戦平和闘争に支持を送ります。同志たちの情熱と献身に尊敬の念を伝えます。3月16日、韓国でも反戦平和集会が開催されます。同志たちとともに韓国の労働者民衆もともに闘います。世界各地で戦争反対と平和の叫びが広がっています。
 労働者はひとつです。やつらが労働者を男性と女性、正規職と非正規職、人種と民族でばらばらにしようとしても、われわれを阻むことはできません。韓国と日本の労働者の連帯は、労働者の国際的団結のいしずえとなるでしょう。ともに闘って断固侵略戦争を阻止し、平和と平等がみなぎる解放の世の中をつくりましょう。あらためて同志たちに連帯のあいさつと尊敬の念を伝えます。
 労働者が団結し侵略戦争を粉砕しよう!
 韓日労働者の団結・闘争で反戦平和をかちとろう!
 労働者はひとつだ。労働者国際主義で反世界化の新たな世界を建設しよう!
 2008年3月14日

 第4章 教職員組合とともに募兵活動禁止のために闘う 英・反戦中高生連合代表 サム・フェアバーン

 SSAW(反戦中高生連合)から連帯のメッセージを送ります。私たちは、日本の皆さんと近い将来、一緒に行動することを願っています。2003年にイラク侵略戦争が始まった時、こちらでは3万人の中高生がイギリス政府の行おうとしていることに反対して学校を飛び出しました。国会の外には何千人もの中高生が集まりました。
 私たちは言いました。もし侵略が始まったら数え切れないほどの虐殺が起きるだろうと。何十万人もの無実の人びとが殺され、何百万人もの生活が破壊されるだろうと。まさにそのとおりになりました。私たちは、ムスリムを攻撃する人種差別が起こるだろうと言い、そのとおりになりました。私たちは、この戦争は拡大を続ける帝国主義戦略なのだと言い、正しかったと証明されました。私たちは、世界はさらに危険な状態になるだろうと言い、それもそのとおりになりました。そして、若い学生は政治家なんかよりもうまく国を動かせるということも証明されました。
 このように戦争はまったく支持されていないので、イギリス軍の募兵活動は危機に直面しています。もともと軍は、定期的に学校にやって来て募兵活動をすることになっていました。しかし、中高生や大学生はこれを止める運動を続けました。
 そしてすでに私たちは、教職員組合にこの問題に取り組ませるところまで来ることができました。運動の結果、軍は多くの学校から締め出されるようになり、今私たちはすべての中学、高校、大学で募兵活動を禁止するために闘っています。
 今回のデモはイラク侵略5周年にあたり、世界中の何百万人もの人びとが参加します。粘り強い反戦運動は、世界中の政府に打撃を与えています。イラク戦争によって、イギリスではブレア首相が予定より2年も早く退陣し、アメリカでブッシュは史上最も不人気な大統領となっています。
 イギリスSSAWは、日本での皆さんのデモに対して、全力の応援と連帯を表明します。国際的帝国主義戦争に対して、私たちが圧力を強め、国際連帯闘争の強さを見せつけることはあまりにも重要です。これまでの反戦運動が正しかったことは明らかになっていますし、私たちが勝利するということも明らかになるでしょう。