2008年4月21日

JR尼崎事故糾弾! 闘いなくして安全なし! 4・26尼崎現地闘争へ

週刊『前進』06頁(2340号1面1)(2008/04/21)

JR尼崎事故糾弾! 闘いなくして安全なし!
 4・26尼崎現地闘争へ
 青年労働者の怒りを結集し4大産別決戦をぶち抜こう
 福田政権打倒・サミット粉砕を

 「JR尼崎事故糾弾 4・26尼崎労働者集会」が集会実行委員会から呼びかけられている(呼びかけ団体代表は動労千葉)。JR尼崎駅北口広場で1000人集会を開催し、事故現場まで怒りのデモを行う。世界金融大恐慌が進行する中、1〜3月闘争の勝利を握りしめて4・26闘争に決起しよう。階級的労働運動路線で職場闘争をしゃにむに実践して、08年前半最大の決戦である6〜7月洞爺湖サミット粉砕闘争に、荒々しく突き進もう。

 第1章 平成採の決起が勝利のカギだ

 平成採の青年労働者こそ、4・26闘争の先頭で闘うことを訴える。
 尼崎事故糾弾の闘いはけっして3年前の過去の事故をめぐる闘いではない。平成採の青年労働者に襲いかかる第2の分割・民営化攻撃をうち破るための総決起闘争だ。
 尼崎事故は、国鉄分割・民営化が不可避的にもたらした大事故であり、平成採の青年労働者にJR大合理化=第2の分割・民営化が加えられる中で引き起こされたものだ。尼崎事故後、JRの体制は何が変わったのか? ペテン的に「安全」が叫ばれても、本質的に何ひとつ変わっていない。それどころか西も東もJR資本は競って人員削減、外注化などの大合理化計画を進め、安全を切り捨てて利益追求に走っているではないか。
 平成採の青年労働者は、動労千葉のように団結して闘わなければ再度の大事故は必至であり、殺されてしまう。青年労働者こそ4・26闘争を先頭で闘い、日帝・JR資本に怒りをたたきつけ、第2の分割・民営化攻撃を粉砕しよう。
 2005年4月25日午前9時18分頃、JR福知山線の塚口駅〜尼崎駅間で上り快速電車が脱線・転覆し、死者107人、負傷者562人を出す大惨事となった。国鉄分割・民営化と規制緩和=新自由主義がもたらしたこの労働者人民の虐殺への怒りを、今新たにせずにはいられない。
 どうして事故は引き起こされたのか。
 JR西日本は、わずか25㌔メートル余りの宝塚−大阪間で、平行して走る阪急より7分間も早いダイヤを設定し、集客していた。もともと福知山線はローカル線だった。しかし民営化された87年から90年代にかけて、過密化とスピードアップ、人員削減が急速に図られていった(民営化当時の4倍の列車が福知山線を走っていた)。国土交通省は、分割・民営化の成否をかけてJRを極限的な利益追求に走らせるために規制緩和を行い、安全に関する規制をことごとく取り払った。
 そして事故が起きた場所は、96年12月、福知山線とJR東西線を連結させるために半径600㍍の緩いカーブから半径304㍍の急カーブにつくりかえられていた。私鉄と競争して集客するために無理な設計でつくり出した急カーブ。時速70㌔規制のカーブに時速120㌔の直線から一気に減速しなければならない。むちゃくちゃな話だ。
 しかもこの危険な「魔の急カーブ」に、JR西日本は自動列車停止装置=ATS−P型を設置しなかった。スピードを制限したら無理な定時運行ができなくなるからだ。
 当時のJR西日本経営陣のトップであった井手正敬は、最近の雑誌の取材に答えて「事故を起こした運転士の資質に問題があったのではないか」「事故報告書は、読んでいない」とうそぶいている。一切を現場労働者の責任にしてしらを切り通す。これが、労働者の生き血を吸って生きるブルジョアジーの姿だ。

 第1節 民営化に体制内指導部が総屈服

 さらに、政府とJR資本の手先になり果てた体制内労働運動こそ、尼崎事故を引き起こしたもう一方の元凶だ。分割・民営化攻撃を率先して推進してきたJR連合・西労組やJR総連・西労。そして今や「日勤教育は否定しない」「事故と民営化は関係ない」と言い、事故の責任を運転士になすりつけるまでに成り下がった革同支配下の国労西日本エリア本部だ。こうした体制内労働運動がJRの安全切り捨ての大合理化攻撃に全面屈服し、尼崎事故を引き起こしたのだ。
 これに対して、「分割・民営化こそが尼崎事故を引き起こした」「闘いなくして安全なし」「運転士への責任転嫁を許すな」と主張して闘いぬいてきたのが動労千葉である。
 JR東でも尼崎事故の前から、民営化と業務外注化の結果、レールが破断したり、枕木がずれたりする事故が続発していた。これに対して動労千葉は05春闘を安全運転闘争−ストライキで闘いぬいた。その直後に尼崎事故が発生したのだ。
 動労千葉は、直ちに尼崎事故を「民営化と規制緩和の帰結」として弾劾する怒りの声明を発し、5月から危険個所での減速・安全運転闘争に入り、06春闘でもこの闘いを継続した。その結果、130㌔メートルのレールを交換させた。
 動労千葉は今なお断固として「分割・民営化絶対反対」の立場を貫き通し、反合・運転保安闘争で職場の団結を固め、JR東資本の労組解体攻撃を打ち破って不屈に闘っている。ここに勝利の展望がある。

 第2章 4者・4団体路線を打ち破り

 尼崎事故を徹底糾弾し二度と大事故を繰り返さないための闘いと、国鉄1047名解雇撤回闘争は一体の闘いである。ところが重大なことは、この1047名闘争を闘う国労闘争団などにおいて、「分割・民営化反対、不当解雇撤回」を投げ捨て、政府や裁判所、民主党に解決を委ねて闘争の終結をはかる屈服が進行していることだ。それが、闘う動労千葉を排除して進められている4者・4団体路線だ。
 そもそも政府・JR資本には、もはやなんらかの和解に応じようという姿勢などかけらもないのだ。それを最終的に示したのが、解雇を居直り賠償請求も切り捨てた3月13日の鉄道運輸機構訴訟の東京地裁反動判決だ。こんなとんでもない判決を出す裁判所に望みを託すなど、まったく茶番であり、完全に破産しているではないか。
 敵は、1047名闘争が闘い続けられ、分割・民営化の破産が露呈していることに耐えられなくなっているのだ。だから1047名闘争をたたきつぶすという階級意思をむき出しにしてきた。政府・JR資本によって国鉄1047名闘争解体の攻撃がかけられている。

 第1節 動労千葉の闘いの中に勝利の道

まさに3・13反動判決は、4者・4団体路線の破産を暴き出すとともに、階級的原則を貫いて闘う動労千葉労働運動こそが勝利の道であることをはっきりと示した。
 解雇撤回を投げ捨てた4者・4団体路線を打ち砕き、1047名闘争とJR本体の現場労働者の固い団結をつくりあげることの中にのみ、勝利の道がある。
 問題はまだ何ひとつ解決していない。分割・民営化直前の5年間に自殺に追い込まれていった200人の国鉄労働者の恨みは晴らされていない。極限的なスピードアップと超過密ダイヤ、恒常的欠員、安全無視と事故隠し、日勤教育をはじめとする強権支配。事故責任を開き直るJR西日本。一切の責任を現場労働者に押し付け、より強権的な労務支配で押し切ろうとしている。
 国鉄分割・民営化を忘れるな! 「闘いなくして安全なし」の反合・運転保安闘争こそJR資本との闘いの基軸であり、階級的団結を打ち固める闘いだ。1047名解雇撤回闘争は、このJR本体の闘いと一体だ。JR資本と非和解的に闘いぬく中にこそ、勝利の展望がある。
 青年労働者の怒りの噴出を抑えつけてきたJR総連は分裂した。国鉄分割・民営化から21年。JR資本とJR総連カクマルが結託した分割・民営化攻撃、あくどい団結破壊に対する平成採の青年労働者の怒りの闘いが開始される時を迎えた。
 JR東日本が4月1日に強行した「ライフサイクルの深度化」は、40歳以下の運転士を駅に強制配転する攻撃だ。要員問題の破産を、平成採の労働者を駅にたらい回しすることで乗り切ろうとすることなど、絶対に許せない。裏切り妥結したJR東労組に、平成採の労働者の怒りが集中している。
 こうした中で青年労働者はこの間、職場において動労千葉の階級的労働運動を実践し、生きたマルクス主義を体得して成長してきた。
 新自由主義のもとでの民営化・規制緩和攻撃は、非正規雇用労働者を増加させ、資本の都合に合わせて低賃金で青年労働者を使い捨てにすることを可能にした。生産性の向上とは、長時間労働と合理化・効率化だ。過労死、過労自殺、発病がどの職場にも起きている。労働者階級が血を流してかちとった8時間労働制は、今やなきに等しい状況が現出している。
 労働者と資本家とは絶対に非和解だ。資本にとって労働者は、利潤をもたらす「資源(人的資源)」である。労働力を無制限に吸い取ろうとする資本の衝動は、賃金労働を廃絶しない限りなくなりはしない。だから資本の攻撃に対して、絶対反対で団結して闘う。最も痛めつけられているからこそ解放的な闘いを最も求めている青年労働者が主役になる時代だ。
 階級として団結したとき、「真の主人公は私たち労働者だ!」と宣言できる。動労千葉の闘いが、これを実践的に貫いて勝利してきた。
 国鉄闘争こそ、日本の労働運動を階級的につくり変えていく結集軸だ。4・26尼崎闘争に全国から決起しよう。
 ここから4大産別決戦の階級的前進を切り開き、4〜6月闘争と洞爺湖サミット粉砕の大決戦に突き進もう。