2008年4月21日

賃上げストと食糧暴動 全世界で労働者の闘い爆発

週刊『前進』06頁(2340号1面2)(2008/04/21)

賃上げストと食糧暴動
 全世界で労働者の闘い爆発

 世界金融大恐慌の現実化と新自由主義攻撃の激化に対して全世界で労働者階級の怒りの反撃が高まっている。ストやデモが激発しているのだ。
 フランスのパリで4月10日、15日と高校生を先頭に4万人が教育改革反対のデモに立ち上がった。パリのほか全国無数の都市や町でデモが行われた。最近の5年間で5万人もの教職員ポストが減らされているが、その上さらに1万1200の教育関係ポストを削減する計画だ。高校生たちは、自分たちの労働者としての利益を守るために「学校改革」を掲げた新自由主義攻撃と真っ向から闘い抜いている。
 ドイツでは統一サービス産業労働組合傘下の13万人の郵便労働者のうち、5000人が4月1日全日ストに決起した。労働時間の延長反対、解雇阻止、賃上げが彼らの主な要求だ。同日、郵便労働者と並んで200を超える市立病院で数千人の医師が警告ストに決起した。彼らは、10・2%の賃上げと旧東独地域での賃金の西独地域水準への引き上げを要求した。
 さらに4月10日、ベルリン交通局の路面電車の労働者700人が山猫ストに決起した。市電は始発から午前11時くらいまでほぼ完全にストップした。この日は保育園・学校・自治体の労働者も24時間の警告ストに突入した。ベルリン交通局の労働者は統一サービス産業労組に組織されているが、市電ストは組合中央ないしベルリン支部の指令にもとづいて行われたものではない。
 ルーマニアでは3月下旬から、ブカレスト北西の都市ピテシュティで仏ルノーの子会社ダシアの自動車労働者1万人が無期限ストに決起している。アイルランドでは、郵便労働者が新集配システムの導入に抗議し闘い抜いており、超勤拒否などで首都ダブリンの二つの郵便区で膨大な滞貨が起こり、郵便物が届かない事態になっている。
 アメリカでは住宅差し押さえ阻止闘争(本紙前号参照)が高揚しており、そうした中、5月1日にはILWU(国際港湾倉庫労働組合)が職場生産点からイラク戦争を止めるために港湾封鎖に決起しようとしている。また自動車産業のアメリカン・アクスル社で労働者がUAW(全米自動車労組)本部の抑圧を打ち破って7週間にわたってストを闘い抜いており、ゼネラル・ダイナミックスの労働者もストライキに突入した。
 新植民地体制諸国では食料品価格が2倍、3倍に跳ね上がっており、労働者の怒りの決起が急速に広がっている。
 エジプトでは、4月6日、ナイル・デルタ地帯の町マハラにある中東最大の繊維工場で食糧の価格高騰と急激なインフレに抗議し、大幅賃上げをかちとるために2万5000人の労働者がストに決起しようとした。これに対し警察が工場を占拠し労組活動家を逮捕したため、4月7日以来、マハラを軸にエジプトの主要都市にまたがる激しい暴動に発展している。
 バングラデシュでは4月12日、首都ダッカで2万人以上の女性繊維労働者が大幅な賃上げを求めて街頭抗議行動を行った。警察の特殊部隊は催涙ガスや警棒、警告発砲などで襲いかかったが、デモ隊は投石やバリケードなどで激しく応戦して闘い抜いた。1年以上にわたって非常事態宣言で労働組合の権利が停止されている中、4月1日、ダッカの縫製工場で25歳のラッセルさんが仕事中に死亡した。労働者数百人が彼の遺体を抱えて街頭デモを行い、闘いに火がついた。
 中米カリブ海の国ハイチでも食糧暴動が全土で闘われている。警察と国連部隊がゴム弾や催涙ガス弾を撃ちまくり5人が殺された。ハイチは、04年に米帝が資本家の私兵部隊に武器を供給して強行したクーデターによってアリスティド大統領が追放された。
 世界経済の危機の中で、全世界で労働者階級が決起しており、しかも体制内労働運動の制動をあちこちで打ち破って闘いが爆発する新たな情勢を迎えているのだ。