2008年4月28日

労働者の団結で分断破ろう 外登法・入管法と民族差別を撃つ関西集会 民主労総と動労千葉を迎え新たな入管闘争スタート

週刊『前進』10頁(2341号6面1)(2008/04/28)

労働者の団結で分断破ろう
 外登法・入管法と民族差別を撃つ関西集会
 民主労総と動労千葉を迎え新たな入管闘争スタート

 「皆さん、いよいよ世界は革命情勢です! 今こそ万国のプロレタリアートが団結し、世界のすべてを労働者が奪い返す時がついにやって来ました!」——力強い全国実行委員会の基調報告に、全参加者が新たな、そして本来の入管闘争の始まりを実感した。4月20日、京都大学文学部新館で開かれた「第17回入管法・外登法と民族差別を撃つ関西研究交流集会」は韓国・民主労総ソウル本部のイジェヨン本部長を迎え、300人の熱気でかちとられた。(本紙・室田順子)
 「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!」をメインスローガンに掲げた集会は、新たな入管闘争、国際連帯闘争のスタートにふさわしい熱気に満ちていた。
 「民族差別が労働者の団結にくさびを打ち込むものならば、私たちは労働者は一つなんだという実践として職場で団結を求め、国境を越えて闘っていこう」と司会の青年労働者が開会を宣言。呼びかけ人あいさつに立った国賀祥司泉佐野市議も、「これまで16回続いてきた関西研究交流集会の成果を受け継ぎつつ、新たな画期的な国際連帯闘争をつくっていこう」と自信を込めて訴えた。
 全国実からの基調報告は圧巻だった。

 第1節 この道を進み11月集会へ!

 「革命という2文字が何度ここに登場した発言者から語られたことでしょうか。昨年の全国集会で『11月労働者集会に結集し、階級的共同闘争の道を進もう』と呼びかけました。この場に動労千葉と民主労総ソウル本部が参加し、在日・滞日外国人労働者と合流していることこそが、私たちの進むべき道をはっきりと明るく照らし出しています。皆さん、この道を進みましょう!」「支配階級によって築かれた分断の壁を打ち砕き、民族・国籍・国境を越えた労働者階級の団結を固めていくのが新たな、本来の入管闘争です」
 こう訴えた上で、1922年に設立された水平社と日帝支配下の朝鮮半島で24年に設立された衡平社との交流を紹介し、「80年前にも日本と朝鮮で連帯し団結して差別と闘った歴史があることを踏まえ、私たちは新たな入管闘争にきょう突入しました」と高らかに宣言し、「労働者の武器は信頼と団結です。仲間を信じてともに頑張りましょう!」と結んだ。会場は感動に包まれ、一つに団結した。
 牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さんが滞日外国人とともに登壇し、収容所の人権侵害の実態を暴くとともに、全世界で2000万人もの難民がいるのに日本で難民認定されたのは昨年わずか41人のみ。この現実を打ち破る国際連帯の重要性を訴えた。
 民主労総ソウル本部のイジェヨン本部長が「労働者は国境を越える」と題して講演。「われわれは知っています。移住労働者がその国の労働者の雇用を奪うのではない。むしろ韓国や日本の政府が、移住労働者への差別をとおして韓国と日本の労働者の全般的な雇用不安と賃金下落を誘導していることを! こうした差別が労働者の間の連帯と団結を阻んでいる」「真の労働者は労働者が一つであることをつかみ、実践する労働者です。万国の労働者よ団結せよ!」と熱烈に訴えた。
 関西集会に初参加した動労千葉の田中康宏委員長は、1970年7月7日に華僑青年闘争委員会から突きつけられた告発は日本の労働者がいかに闘うのかということだったと指摘、「どんなに困難でも自らの職場や地域で闘って団結を回復し、解放の主体としての労働者階級を取り戻そう」と訴え、民族差別を撃つ新たな闘いを呼びかけた。
 さらに三つの特別報告が行われた。

 第2節 “西郡で燃える世界革命の火。

 大挙参加した部落解放同盟全国連合会西郡支部から怒りを込めた発言が続いた。応能応益家賃拒否を闘ってきた住民に対し、住宅明け渡し攻撃に加えて2月には供託者28人の郵便貯金差し押さえが強行されたのだ。
 「国や行政の極悪な弾圧に負けてたまるか。腹を固めて闘っていく」「勝利するまで闘う」「西郡だけの問題ではない。新自由主義は労働者住民を互いに競い合わせ、差別をあおっている。だから労働者と団結し一丸となって闘うことが勝利を切り開く」
 これを受け、集会呼びかけ人で八尾市議の末光道正さんが「西郡には世界革命の火が燃え続けている」と闘う部落の歴史を押さえた上で「敵が同和地域から住宅と医療の民営化を始めるのであれば、西郡から日本を変えよう。サブライムローンでの住宅追い出しと闘うアメリカの労働者と連帯し、世界革命で戦争と民営化、貧困と差別の資本主義を打倒しよう」と呼びかけた。
 憲法と人権の日弁連をめざす会の西村正治弁護士は、高山俊吉弁護士を先頭に闘った日弁連会長選挙で9402票対7043票にまで迫った闘いを報告し、「青年弁護士の決起が高山支持を拡大した。この力で司法改革攻撃を粉砕する」と表明した。
 外国人への差別を許すな川崎連絡会議の事務局からは、川崎市の阿部市長が掲げる「共生」が日本人労働者と在日を分断する新自由主義攻撃そのものであること、日立就職差別裁判に勝利して就職した朴鐘碩(パクチョンソク)さんの30年にわたる闘いが今若い人たちに共感を呼んでいることが報告された。
 不起立を闘う教育労働者、8・6ヒロシマ大行動の訴え、不当解雇撤回を闘う青年労働者、4・26尼崎闘争を呼びかけた国鉄労働者、自治体労働者、サミット粉砕の檄(げき)を発した全学連など、すべての発言が新たな闘いを自ら切り開く決意にあふれていた。
 最後に司会の京大生が「この集会を開いていること自身が革命情勢です」とまとめ、団結ガンバロー。スクラムを組んでインターナショナルを歌った。5月11日には横浜市教育会館ホールで全国集会が開かれる。
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発言

 第1章 労働者国際主義を土台に 民主労総ソウル本部イジェヨン本部長

 今日、アメリカ主導の新自由主義世界化と、イラク、アフガニスタン占領など対テロ侵略戦争に対して反戦運動を広げ、平和を守る国際的連帯をさらに強化しなければなりません。移住労働者の権利確保に向け、国際連帯は不可欠であり、移住労働者との連帯なしに階級的団結は実現できないし、新自由主義をのりこえることはできません。
 真の労働者は、労働者が一つであることをつかみ、実践する労働者です。万国の労働者よ団結せよ! 新自由主義を超えて、労働解放、人間解放の世の中をかちとるために、労働者国際主義を土台に強固に連帯しましょう。今日を契機に労働者国際連帯にいっそう邁進(まいしん)できればと思います。

 第2章 マルクス主義の核心は団結 動労千葉田中康宏委員長

 1970年7月7日の華青闘の糾弾は、日本の労働者がいかに闘うのかということだったはず。しかし私たちはこの間、自らの闘いを抜きにして在日の方々に戦争と侵略の歴史を謝罪する傾向があった。その誤りを気付かせてくれたのが民主労総ソウル本部だった。
 自らの職場で、地域で、どんなに困難でも資本や国家権力と闘い、仲間との団結を回復する。それは必ず全世界の労働者とつながる。
 『共産党宣言』の「万国の労働者団結せよ」——ここにマルクス主義の核心がある。労働者同士で競い合うのはやめ、この社会を根底から変革しよう。
 4・26尼崎闘争に結集し、7月G8サミットを粉砕しよう。11月労働者集会1万人の結集を実現しよう。
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集会要項
 第19回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
 打ち破ろう分断! 取り戻そう団結!
 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り
 全世界の労働者は団結しよう!
 5月11日(日)午後1時/横浜市教育会館ホール
◎JR桜木町駅、市営地下鉄桜木町駅または京急日ノ出町駅下車
主催/外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会実行委員会