2008年6月 9日

「後期」医療制度を廃止せよ 8団体が怒りの厚労省交渉

週刊『前進』06頁(2346号4面4)(2008/06/09)

「後期」医療制度を廃止せよ 
8団体が怒りの厚労省交渉

 6月3日、東京労組交流センター医療福祉部会、福祉労働者連帯ユニオンなど労働組合と、介護と福祉を要求する杉並住民の会、介護保険に反対!人として生きられる福祉・介護を求める神奈川県民の会など計8団体が、後期高齢者医療制度の即時廃止を要求する厚生労働省闘争を行った。政府・自民党の選挙目当ての後期高齢者医療制度見直しのペテンを許さず、制度の廃止と福田政権打倒に向けて、高齢者(退役労働者)と現役労働者が団結し、激しい怒りをたたきつけた。
 厚労省の役人は、要請書の要求項目に対して制度の説明をするのみで、まともに答えようとはしない。参加者の怒りがたたきつけられた。「保険料がこれだけ取られて生きていけないという叫び声が上がっているんだ。どう思っているのか」「すでに多くの人が自殺しているんだ」「廃止してくれと多くの人が叫んでいるんだ」「障害者は65歳になったら障害が直ると思っているのか」。
 自治体の福祉労働者が「導入後、市町村の担当課は電話が鳴りっぱなし。自治体労働者にものすごい過重負担が強制されている。高齢者の『生きていけない』の叫びに、自治体労働者としてともに声をあげる。あなたも労働者として、厚労省の官僚に声をあげるべきだ」「同じ労働者として厚労省に革命を起こせ」。若い厚労省役人はうつむいてしまった。
 北島邦彦杉並区議は、後期高齢者医療制度を主導した厚労省役人の土佐和男(元杉並区役所国民健康保険課長)が「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした」と述べていることを暴露し、「これこそこの制度の正体ではないか」と追及した。
 追いつめられた役人は「土佐氏の意見はおかしいと思う」「貴重なご意見を集約して上に伝えます」としどろもどろに述べた。言い逃れを許さず、「われわれが要求しているのは制度の廃止だ。75歳以上を別の保険制度にするという制度の根幹を廃止しろ。見直しなどでごまかすな」と怒りをたたきつけた。
 交渉に先立っての集会で、労組交流センターの労働者が「後期高齢者医療制度はすでにボロボロだ。この制度の最大の狙いである世代分断はうまくいかず、医療現場での拒否が広がっている。われわれの闘いは、新自由主義のもとでの医療・福祉の民営化の根っこを断つことだ。福田打倒の6・29サミット闘争に決起しよう」と提起した。
 杉並と神奈川の高齢者も大挙参加した。95歳になる杉並の八木ケ谷妙子さんが「ここに命ありを示そう」と檄(げき)をとばした。西村綾子相模原市議は「制度の支援金として、4割分が現役世代にも負担させられる。廃止以外ない」と述べた。医療・福祉労働者から、医療崩壊の現実に対して職場の団結を拡大して闘う砦(とりで)に変えている報告が次々とされた。
 退役労働者と現役労働者、「障害者」の団結が固まった。労働組合を軸にあらゆる階層を糾合し、福田政権打倒へ!