2008年6月16日

“核サミット”に怒り 開催地・青森で2千人デモ

週刊『前進』06頁(2347号5面2)(2008/06/16)

“核サミット”に怒り
 開催地・青森で2千人デモ

 G8洞爺湖サミットの一環として6月7日、青森市で日米帝国主義と中国・インド・韓国によるエネルギー相会合=“核サミット”が強行された。これに対して同日、地元反核燃団体や労働組合を中心とする2000人が「6・7止めよう再処理!全国集会」を議場近くの青い海公園で行った。日本の核武装が決定的な段階に入りつつある中、参加した8・6広島—8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会は、翌日の六ケ所村再処理工場への弾劾行動をあわせて闘いぬいた。
 主催者構成団体のひとつである核燃料廃棄物搬入阻止実行委の前段集会で、8・6—8・9実行委の三角忠代表が「核サミットが、再処理工場の本格稼働目前の青森で行われた意味は、日本の核武装宣言だ」と弾劾、「広島・長崎の被爆経験を真に生かす労働者人民の闘いを」と訴えた。
 全体集会で主催者の代表は「再処理とは核兵器の原料でしかないプルトニウムを作るもの。再処理工場の本格稼働を絶対阻止しよう」と強調、また8月に横須賀が米原子力空母の母港となることに反対する大行動を呼びかけた。
 青森県反核実行委の代表は「この間、県内街宣と県庁座り込みを行ってきた」と報告、再処理工場の敷地内に活断層が発見されたにもかかわらず、これを無視する日本原燃や国の姿勢を批判した。
 試運転の即時中止、再処理工場計画の撤回を国や日本原燃に求める集会アピールを採択し、参加者は無数の旗をなびかせて“核サミット”会場へデモを行った。(写真上)

 第1章 核武装への攻撃

 06年3月に試運転を開始した六ケ所再処理工場が、秋にも本格稼働し、プルサーマルの青森県・大間原発(※注)が5月に着工強行、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」が運転再開へ動き出すなど、日本の原子力=核政策が、独自の核武装へ決定的な転回点を回った。
 今回の核サミットが「気候変動(温暖化)対策として、原子力推進の姿勢を鮮明にした」(6・9東奥日報)ことは重大だ。3日には前首相の安倍が六ケ所再処理施設を視察、「(核サミットを)青森から発信する意義」を強調した。
 六ケ所再処理工場で試運転中に取り出されるプルトニウムは約4㌧。同工場が本格稼働に入ると、年間約8㌧が取り出される。米日帝国主義が大騒ぎした北朝鮮の保有プルトニウム累計が1㌔程度だったことと比べ、けた違いだ。
 背景には米帝の世界支配があらゆる面で崩壊に直面する中で、軍事・エネルギー資本を頂点とする米支配階級とブッシュ政権が「国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)」計画を発表し、日本の核燃サイクル稼働を認めた情勢がある。日本の核政策を牽制(けんせい)しつつも“取り込む”姿勢に転換せざるをえなくなったのである。
 今回の青森集会は、大挙して参加した労働組合を中心に、帝国主義の労働者支配の対極にある核政策と戦争への怒りをたたきつけた。6・29労働者全国集会〜7・6サミット決戦へ、日本核武装の攻撃に屈する体制内指導部を粉砕し、進撃しよう。世界の労働者の闘いと連帯し、核燃本格稼働阻止をかちとろう!
〔注〕使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使う、世界初の「フルMOX」原発。