2008年6月16日

G8治安会合を弾劾 デモ貫徹 サミット厳戒破り1日行動

週刊『前進』06頁(2347号6面2)(2008/06/16)

G8治安会合を弾劾 デモ貫徹
 サミット厳戒破り1日行動

 今東京都心では「サミット警備」と称してすさまじい治安弾圧態勢がしかれている。繁華街の辻つじや駅頭・構内などいたるところに警察官が立ち、目を光らせている。人びとに対してしつこい職質と張り込みが繰り返されている。
 こうしたG8サミット厳戒態勢を打ち破り、6月7日「破防法・組対法に反対する共同行動」の呼びかけで、サミット司法・内相会合を糾弾する1日闘争を闘いぬいた。
 昼前に秋葉原駅前に登場、1時間半にわたり20人の仲間が交代でマイクを握り訴えた。この間秋葉原では路上パフォーマンスとそれを禁圧しようとする警察との激しい「攻防」が繰り広げられてきた。表現活動への暴力的弾圧はサミット警備の一環であることを強くアピールした。次々とビラが受け取られ、共謀罪の悪らつさについてかなり浸透してきたという手応えが感じられた。
 午後は場所を移して、実行委員会の主催で「G8司法・内相会合糾弾、共謀罪反対」の集会・デモが行われた。治安担当大臣会合会場の恵比寿ガーデンプレイス・ウェスティンホテルに目と鼻の先の恵比寿公園に100人が結集。機動隊・公安刑事を大量動員した弾圧態勢を打ち破って、多くの人でにぎわう土曜の渋谷へデモ行進した。

 第1章 共謀罪今国会阻止を確認し勝利集会

 午後6時、飯田橋の東京しごとセンターにおいて共謀罪新設反対国際共同署名運動の主催で「反テロ戦争と治安弾圧を扇動するG8司法・内相東京会合糾弾! G8サミット戒厳態勢を許すな! 共謀罪と治安管理のグローバル化に反対する!6・7集会」が開かれた。
 100人の参加者はこの日の行動の成果と、今国会での共謀罪成立を実質上阻止した勝利を確認し、サミット粉砕へ向けてより一層闘いを強化していくことを確認した。
 「三浦和義氏の逮捕に怒る市民の会」の連帯のあいさつに続いて、「裁判員制度はいらない大運動」事務局長・佐藤和利弁護士が発言に立ち、「裁判員制度は戦争と治安強化のために国民を動員するもの。法務省は国民の78%が反対しているのに09年5月から実施すると決定した。日比谷公会堂での6・13全国集会に結集して粉砕しよう」と訴えた。
 統一獄中者組合は、「鳩山法相は2カ月おきに死刑を繰り返し、すでに10人も処刑している」と、うち続く死刑執行攻撃とそれと一体の「終身刑導入」への危機感を訴えた。
 関東学院大学の足立昌勝教授は、「G8サミットと治安グローバル化」と題して講演に立った。
 足立さんは共謀罪攻撃が治安弾圧のために制定されようとしていることを批判し、「洞爺湖サミットでは権力は東京の警備を中心に〈見せる警備>をすると言っている。実際に組対法が政治党派に初めて適用され、法政大学では38人の学生が不当に大量逮捕された。しかし、これは社会が必要としている治安ではない。共謀罪は今『衆議院解散総選挙で廃案か』という情勢になっている。今国会での成立を阻止した」と勝利を確認した。
 その上で「テロ対策」を名目にした新法制定策動に警鐘を鳴らし、「出てきたらつぶすだけだ。ともに闘おう」と〈共謀罪後のテロ対策法>との闘いへ決起を促した。
 次に「サミット戒厳体制を暴く」と題して、ジャーナリストの林克明氏と「サミット人権監視弁護士ネット」の山下幸夫弁護士から、サミット警備に名を借りた住民監視体制・治安弾圧体制が一層強まっている状況が報告された。さらに現場からの報告が「共謀罪に反対する京都連絡会」、「あなたも私も『テロリスト』?実行委員会」からなされた。
 また、最近は自衛隊が政党・労組・市民運動などのデモに対する調査活動を強化している現状、自衛隊の海外派兵・イラク戦争参加によって、武器使用が国内にフィードバックされ現実化している事実、警察の軍事化と自衛隊の憲兵化が一体で進んでいる実態などが暴露された。
 最後にまとめとして、今国会での共謀罪の成立を阻止した勝利を確認し、「6・13裁判員制度はいらない!」集会に結集し、次の臨時国会で共謀罪を完全に廃案に追い込もうとの提起を参加者全員で確認。決意を込めてシュプレヒコールを上げた。