2008年6月23日

裁判員制度反対で1500人 熱気あふれ初の全国集会 “09年5月実施阻止を”

週刊『前進』06頁(2348号6面1)(2008/06/23)

裁判員制度反対で1500人
 熱気あふれ初の全国集会
 “09年5月実施阻止を”

 6月13日、東京・日比谷公会堂で「裁判員制度はいらない!全国集会」が開かれ、全国から1500人が結集した。「数十万人の裁判員候補者に通知が届けられる今年末に合わせて全国一斉の反対行動を繰り広げ、来年5月21日の裁判員制度の実施阻止を」とアピールが発せられた。

 第1章 廃止へ闘う唯一の集会

 この日、集会を主催した「裁判員制度はいらない!大運動」は昨年4月に弁護士や大学教授ら11人の呼びかけで発足。全国各地で学習会や集会を重ね、初めての全国集会にまで上り詰めた。
 1階は満席、2階席も多数埋まり大盛況。世論調査では8割が「裁判員をやりたくない」と答えているにもかかわらず、国会の全政党は賛成している。制度廃止を訴える唯一の全国集会は、大手マスコミ各社も取材にかけつけ注目を集めた。
 交通ジャーナリストの今井亮一さんの開会あいさつから始まった。
 「反対の世論は高まるばかり。日弁連会長選挙では、この制度に真っ向から反対する高山俊吉弁護士が43%の得票を得た。新潟や栃木の弁護士会では制度実施の延期の決議さえ出てきている。決して政府や最高裁の思い描いたようには進んでいない。私たち市民が参加しなければ、制度は成り立たない。裁判員制度の廃止は十分可能だ」
 発言に立ったのは、東北大学名誉教授の小田中聰樹さん、家族問題評論家の池内ひろ美さん、憲法と人権の日弁連をめざす会の代表である弁護士の高山俊吉さん、ジャーナリストの斉藤貴男さん。裁判員制度を絶対廃止に追い込む決意が、それぞれの思いを込めて語られた。
 小田中さんは、裁判員制度導入の背景に新自由主義攻撃があることを述べ、「(権力が)国民の間に裁く者、裁かれる者の分断をもちこんで支配する仕組みだ。国民自らが治安を守れという警察の動きにからめとられるものであり危険」と批判。
 高山弁護士は、5月21日に大分県弁護士会も制度延期を求める決議を上げたことを紹介した。さらに裁判員制度が、「統治の力が弱くなって、皆が時の権力を信用しなくなった時代の産物」と時代観を語り、その狙いを「皆を裁判をする側にまわらせて、わが心はお上の心、お上の心はわが心、と支配していくものだ。国民の司法参加などではなく動員だ」と明らかにした。(別掲)
 林家時蔵さんが「裁判員制度はハナシにならない」と題した落語を演じ、漫画家の蛭子能収さんのメッセージが紹介された。

 第2章 怒りと闘いの訴え次々

 集会には、北は北海道から南は大分県まで全国各地の人々が集まった。長野県からは大型バス1台で参加。全国12カ所からの発言者が演壇に並ぶと、裁判員制度廃止を訴える横断幕やボードでステージがあふれた。
 「国会につめかけ廃止にする」(千葉県松戸市・女性)
 「裁判員制度は徴兵制だ。冗談じゃない」(相模原市・青年労働者)
 「与党も野党も腹立たしい限り。やりたい放題の政府に即刻鉄槌を下すべき」(長野県・男性)
 裁判員制度のみならず郵政民営化や後期高齢者医療制度を導入した政府への怒りも噴出した。
 裁判員制度実施にむけた労働者の動員も始まっている。教育現場には宣伝用DVDなどが最高裁から送付されている。教育労働者は、「改悪教育基本法も裁判員制度も上意下達の制度。教え子を一人も戦場に送らない」と訴えた。自治体では裁判員候補者名簿の作成に協力させられていると現場の労働者が報告した。労働組合の協力拒否の闘いが決定的である。
 新潟の弁護士は「今まで人権や憲法9条を守れと言ってきた人たちが、裁判員制度反対の意見をつぶしにかかった」と、既成「左派」の屈服と転向を弾劾した。
 ”おかしいぞ!日弁連/権力と手をつなぐな”の横断幕を掲げて発言したのは福岡の弁護士だ。「九州キャラバンで制度反対を訴える」
 日弁連会長選挙で示された司法改革・裁判員制度絶対反対の闘いは、体制内執行部を打ち破り、闘う日弁連の再生へと力強く発展している。裁判員制度への怒りは、新自由主義攻撃への怒りだ。すべての怒りをひとつにすれば、絶対に廃止にできる!
 「この結集の力は歴史的な事実として記される。来年5月の実施阻止を確信した。法大生はストライキで闘っている。裁判員制度導入を絶対に阻止しよう」と、事務局長の佐藤和利弁護士が締めくくった。
高山弁護士の発言(要旨)赤紙の動員と同じ
 (秋葉原事件は)この時代の産物だという思いを禁じ得ない。私たち一人ひとりをばらばらに分断した人たちが裁判員制度を導入しようとしている。みんなには裁判をする側に回らせて、わが心はお上の心、お上の心はわが心、と思う人格を形成することを、市民の司法参加だという。それは、司法参加ではなく動員である。行きたくないのに市民の司法参加だという言い方ができるのであれば、徴兵制のことを市民の軍事参加というだろう。冗談じゃない。赤紙の動員、隣組の監視・動員と違わないと、みんなが結集している。この力だ。来年の5月21日は裁判員制度を廃止したことを祝う勝利の集会を開きたい。