2008年6月30日

国労5・27弾圧公判 被告主体の裁判闘争に 羽廣さん原田さんが更新意見

週刊『前進』06頁(2349号3面2)(2008/06/30)

国労5・27弾圧公判 被告主体の裁判闘争に
 羽廣さん原田さんが更新意見

 6月20日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第88回公判が東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれた。旧弁護団を解任し、前回公判から松崎博己被告との弁論分離を実現した7被告の意気は増すばかりだ。
 この日の公判では、裁判官の交代に伴う弁論更新の手続きが行われ、羽廣憲被告と原田隆司被告が意見陳述に立ち、山本志都弁護人と西村正治弁護人が弁護人更新意見を読み上げた。
 羽廣被告は冒頭、「私は本日の公判を、実にすがすがしい、晴れ晴れとした気持ちで迎えることができました。松崎被告人との弁論分離を実現し、松崎被告人を擁護する旧弁護団との決別をかちとった私たちは、2002年5月27日に行われたビラまき・説得活動が、国鉄闘争の勝利と階級的労働運動の復権にとって絶対に必要な闘いであったことを、一点の曇りもなく明らかにすることのできる地平に立っています」と切り出した。
 羽廣被告は、動労千葉を排除し、解雇撤回の原則を投げ捨てた国労本部らの4者・4団体路線を賛美する松崎被告を怒りを込めて弾劾した。そして、7被告がやむなく旧弁護団を解任した決断に対し、松崎被告がそれを「暴挙」と非難する声明を出したことにより、「松崎被告人と同じ法廷で裁判を闘うことはできないことが、決定的に明白になりました」と弁論分離に至る経過を明らかにした。
 また、「私たちが旧弁護団を解任したのは、私たちを誹謗(ひぼう)中傷し敵対関係に入ったグループに加わり、裁判闘争をめぐって対立関係に入った米村事務局員を裁判に関与させないでほしいという被告人の要請を、旧弁護団が受け入れなかったためです」と旧弁護団解任の理由を述べ、「前回公判から、私たちは松崎被告人との弁論分離をかちとり、新しい裁判闘争に入りました。私たちの主張を曇らせゆがめる妨害物はきれいさっぱり排除されました」と断言した。
 さらに羽廣被告は、国労を脱退しなかったためにJRに採用されず、国鉄清算事業団に送り込まれ、以来、20年以上にわたり解雇撤回闘争を闘いぬいてきた経緯を語り、鉄建公団訴訟原告の一人として、「4者・4団体路線を打ち破り、1047名解雇撤回闘争を正しい道に立ち返らせる」と固い決意を表明した。
 原田被告は、5・27臨大闘争弾圧を弾劾して、「私たちは、『労働者を獄中につなぐ国家こそを、労働者の力で解体せよ。獄中につながれることを恐れるな。労働者よ立ち上がれ』と、獄中に連れ戻されても、呼びかけなければなりません」と宣言した。また、松崎被告との弁論分離に触れて、「国労本部こそ、国家権力と並んで、私たちがこの裁判で徹底弾劾しなければならない敵にほかなりません。松崎被告人は、その認識さえ私たちと共有できなくなってしまったのですから、裁判を分離したのは当然です」と言い切った。
 原田被告は、人材活用センターに収容されて以来、配属差別と闘ってきた自己史を語り、00年の4党合意以降、国労執行部が配属差別との闘いも投げ捨てたことを怒りを込めて弾劾し、こうした国労の現実を覆すために5・27臨大当日のビラまき・説得活動に立ったことを明らかにした。
 山本弁護人は、5・27臨大に至る国労本部の裏切りの過程を全面的に説き明かした。国鉄分割・民営化以来、国鉄当局やJR資本に対して、職場の団結を基礎に真正面から闘わなかった国労本部の路線的誤りが、闘争団の統制処分という歴史的暴挙にまで行き着いたことを明らかにする陳述は、出色のものだった。
 西村弁護人は、国鉄分割・民営化絶対反対派としての国労共闘が、分割・民営化以来、動労千葉との連帯を追求しつつ闘いぬいてきた歴史を語り、国労共闘が4党合意と激しく対決してきたからこそ、国家権力と国労本部が結託しての不当きわまる政治弾圧にさらされたことを暴ききった。
 弁護人更新意見は、被告が裁判闘争と国鉄決戦の主体であることを完全に据えきったものとして展開された。5・27臨大闘争弾圧裁判は、国鉄闘争を牽引(けんいん)する新たな闘いへと塗り替えられた。
 裁判闘争は、いよいよ激しい攻防の渦中に突入した。7被告を支える傍聴闘争に結集しよう。